火星に行く日と火星に帰る日(3)

2016-04-30 09:51:47 | 童話
その時、火星では
『これから地球の勉強を始めるよ。』

理科の先生が大きな画面のパソコンで地球の映像を映しました。
すばらし望遠鏡とハットスル望遠鏡と地球探検車で見た地球の画像でした。

『わぁ、青くてきれいだなあ。』
『誰か住んでいるのかなあ?』
『いっぱい住んでいるんじゃないかなあ。』

『それでは、地球探検車のキュウリシオを見てみよう。これが地球探検車の画像だよ。平らな所をゆっくりと進んで行くのには、このタイヤの大きさがちょうどいいんだよ。だけれど、時々休憩しながら進んで行くんだよ。そして、頭の所に付いている黒い傘みたいなのがアンテナで、画像の電波を火星に送ってくるのだよ。』
『わぁ、すごいなあ。』
『これは、着陸船から撮った画像だよ。それでは、この3つの画像を見ながら、みんなで話し合いをしましょう。』

火星に行く日と火星に帰る日(2)

2016-04-29 12:10:36 | 童話
『それでは、この赤い火星を僕達が住んでいる地球のように、緑色の山や青色の海にするのはどうすればいいのかなあ。』

『地球から木を持って行って植えればいいと思います。』
『海も地球から水を持って行くといいと思います。』

『それでは、地球から木を持って行って植えるのはどうしたらいいのかなあ?』
『大きな木は重たいので、果物を持って行って、果物を食べた後の種を植えればいいと思います。』

『それでは、地球から水を持って行く方法を考えてみようか。』
『水を入れたみんなの水筒を大きなカバンに入れて、みんなで持って宇宙船に乗ればいいと思います。』

『運ぶのは、一回では足りないね。』
『三回だったら足りるかなあ。』

火星に行く日と火星に帰る日(1)

2016-04-28 21:14:47 | 童話
『これから火星の勉強を始めるよ。』
理科の先生が大きな画面のパソコンで火星の映像を映しました。
すばる望遠鏡とハッブル望遠鏡と火星探検車で見た火星の画像でした。

『わぁ、赤茶色で石がおおいね。』
『誰か住んでいるのかなあ?』
『誰も住めないよ。』

『それでは、火星探検車のキュリオシティを見てみよう。これが火星探検車の画像だよ。砂や石ばかりの所を走るのは金網みたいなタイヤがいいのだよ。そして、頭の所に付いている丸いアンテナで、画像の電波を地球に送ってくるのだよ。』
『わぁ、すごいなあ。』
『これは、着陸船から撮った画像だよ。それでは、この3つの画像を見ながら、みんなで話し合いをしましょう。』

『火星はどうして赤いのかなあ。』
『誰かが赤いインクをこぼしたのだと思います。』
『先生がテストを採点する時に赤いインクを使うから、インクをこぼしたのは火星にいる先生だと思います。』
『誰かがオムレツを食べている時にトマトケチャップをこぼしたのだと思います。』

ぽろろ、ぽろろ(8)

2016-04-27 21:31:36 | 童話
駅の方から
『ぱろろ、ぼろろ。ぱろろ、ぼろろ。』
と声が聞こえてくる。

『だぁれ?』
電車が僕を呼んでいる。
『電車に乗って遠くへ行こうよだって、だめだよ、今日はね、お父さんの自動車で買い物に行くんだ。何を買いに行くのだって、お花を植え替えるので、植木鉢を買いに行くんだよ。大きな植木鉢を買うから電車に乗せられないんだ。また今度、デパートへ行く時に電車君に乗せてもらうね。』

庭の方から
『ぱろろ、ぼろろ。ぱろろ、ぼろろ。』
と声が聞こえてくる。

『だぁれ?』
誰が僕を呼んでいるのか判らない。

『だぁれ? あっ、お花に小さなテントウ虫が止まっている。今度はこっちから『ぱろろ、ぼろろ。ぱろろ、ぼろろ。』と聞こえる。

また今度はあっちから聞こえてくる。テントウ虫君が3匹、僕の方に集まって来た。
何をするの? そうか、3匹で背中の模様のファッションショーをやるんだ。
うーん困ったなぁ、3匹は模様が違うけれど、全部きれいだからね。
そうだ、3匹全部が一番だ。』

 たくさんの友達ができて楽しいな、もっとたくさんの友達を作ろうよ。

『ぱろろ、ぼろろ。ぱろろ、ぼろろ。』

小さな声で
『ぱろろ、ぼろろ。ぱろろ、ぼろろ。』

もっと小さな声で
『ぱろろ、ぼろろ。ぱろろ、ぼろろ。』

大きな声で
『ぱろろ、ぼろろ。ぱろろ、ぼろろ。』

             おしまい

ぽろろ、ぽろろ(7)

2016-04-26 21:46:37 | 童話
山の方から
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
と聞こえてくる。

『だぁれ?』
大きな杉の木が呼んでいるのだ。
『大きな木だから僕は登れないよ。なぁに、太い枝にかけたブランコに乗せてくれるの。ぶーらん、ぶーらん。楽しいね。』

僕の机を置いてある部屋から
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
と聞こえてくる。

『だぁれ?』
時計が呼んでいるのだ。
『なぁに、電池が無くなりかけているの、よし、取り換えてあげるね。だから、3時になったらおやつを食べるから教えてね。』