カエルの僕が月へ行った話(9)

2014-08-31 09:00:53 | 童話
次に考えたのは山の頂上から跳び上がる方法だったので、池が近くにある山を探した。

 
そしてお母さんにお弁当を作ってもらって近くの山に出掛け、お昼に山のふもとに着いたので、お弁当を食べてから山に登った。

やっと山頂に着いたので準備運動してから『お父さん、お母さん、今から跳ぶよ。』と言って、エイッと掛け声をかけて跳び上がった。

すると、僕はドンドン、ドンドン高くなっていった。

そして、周りを見ると僕より高いものが何も無くなった。

それから、頭から無事に池に戻ってきたので、背中が痛くならずに済んだ。

カエルの僕が月へ行った話(8)

2014-08-30 11:11:37 | 童話
ついに5階建のビルの高さまで跳び上がれるようになった。
この高さまで跳び上がれるようになるのに2年かかった。

僕達カエルは5年くらいしか生きられないので、後3年あるが、年を取ってくると体力が弱くなるので、体力を使って練習できるのは後1年くらいしかないのだ。

月へ行くために練習だ、練習だ。

僕はもっと高く跳び上がるために、池の横に植わっている大きな木の一番高い所に登り、エイッと跳び上がった。
その時、枝が揺れて僕はバランスを崩して、背中から池に落ちて息ができなくなった。

背中が痛くて、痛くて、2日間寝ていた。
そして、枝は揺れるので木から跳び上がるのはやめた。

カエルの僕が月へ行った話(7)

2014-08-29 21:10:35 | 童話
僕は毎日跳び上がる練習を続けた。

今度は筋肉を強くする薬を飲んでいるので、どんどん高く跳び上がれるようになったし、どんどんうしろ脚が太くなった。

そして、2階の屋根を超えるようになった。

だけれど、月はず~と上にある。

ある日、跳び上がって降りてきた時に、顔をぶつけてしまった。

高く跳び上がったので、下りて来た時に池の底で顔をぶつけのだ。

僕は、次からはもっと深い池で練習することにした。

カエルの僕が月へ行った話(6)

2014-08-28 20:58:57 | 童話
次の日から2階の屋根まで跳び上がる練習をまた始めた。

ピョン、ピョン、ピョン、ピョン、ピョン。

まだ2階の屋根まで跳び上がるのは全然ダメだが、少しずつ高く跳び上がれるようになった。

毎日毎日、ピョンピョン、ピョンピョン。

練習をしている僕を見てスポーツをしている人間が、筋肉を強くする薬をくれた。

その人は、自分で飲むために買ったけれど、人間はルールで飲んではいけないことが判り、僕にくれたのだった。

カエルは飲んではいけないルールは無いから大丈夫なんだ。

カエルの僕が月へ行った話(5)

2014-08-27 20:59:22 | 童話
次の朝は背中は痛く無かったので、また思い切り跳び上がる練習を始めた。

すると1階の屋根が下に見えるようになった。

『よし、今度は2階の屋根まで跳び上がろう。月に近くなってきたぞ。』

家に帰ってお母さんに話すと、『すごいじゃない。』と言ってくれたが、お父さんは、『まだ全然ダメだね。』と言ったので、僕は『頑張るよ。』と言った。