バス乗り場(2)

2017-02-28 21:18:01 | 童話
「その次は、町と駅を循環する道路が来ますから、少し待っていてください。」
町と駅を循環するたくさんのバスが道路の来るのを待って並びます。

この町と駅を循環するバスは他のバスより少し小さくてかわいいバスです。
保育所や幼稚園へ行く子供たちとお母さんがたくさん乗って来たり、降りたりします。
朝の早い時間は、学校へ行っている子供と、会社へ行っているおとなの人がたくさん乗ってきて、バスが駅に着くとみんな下りていきます。

そして夕方は、バスが駅に着くと、学校や会社へ行っていた人が乗ってきて、家に帰ります。
「今日も交通事故が無くて良かったね。」
「そうだね、運転手さんが上手だから事故が無かったね。」

そして、夜になると全部のバスが車庫に帰ってきて朝になるまで寝ます。
「明日の朝も早くからお客さんを乗せて走るので、もう寝るよ。」
「そうだね、明日の朝も早いからもう寝ようね。」

 朝になると、全部のバスが出発する前に、燃料が入っているか、ブレーキはよく効くか、ブレーキランプや、方向指示器のランプが切れていないか、整備士のオジさんが調べます。そして、異常がないことを確認したバスが出発の順番を待って並びます。

「やあ、おはよう。今日もたくさんのお客さんを運んで喜ばれようね。」
「そうだね、みんなが喜んでくれるから嬉しいね。」
「よし頑張るぞ。出発だ。」
「昨日乗ってくれたかわいい幼稚園の生徒とお母さんは、今日も乗ってくれるかなあ?」
「昨日の夜に乗ってくれたオジさんは疲れていたけれど、今朝は元気に乗ってくれるかなあ?」
「昨日のお昼にサッカーボールを持った男の子がたくさん乗ってくれたけれど、試合にはかったのかなあ?」
「昨日お年寄りに席を譲ってあげた女子中学生が親切だったので、お年寄りが喜んでいたね。」
「スーパーマーケットでたくさんの買い物をしていたお母さんは、重たそうに荷物を持っていたけれどしていたけれど、大丈夫だったのかなあ?」

こうして、たくさんのお客さんを乗せるバスが、たくさんの道路に乗って走っているのです。

               おしまい

バス乗り場(1)

2017-02-27 21:19:19 | 童話
ここは町の大きなバスの操車場で、たくさんのバスが入って来たり、出て行ったりします。
遠くのバス停留所へ行く高速バスや、みんなの住んでいる町と駅とをぐるぐると廻っているバスがあります。
このぐるぐると廻っているバスは、お買い物や会社や学校へ行くのに便利なので、毎日たくさんの人が利用しています。
ここはたくさんのバスの乗り場なのです。

「入って来たバスはここで待っていてください。」
「もうすぐ楽しい町行きの道路が来ますから、○○町行きのバスは一列に並んでください。」
そして、楽しい町行きの道路が着くと、2台のバスが道路に乗って行きました。

そして、他の場所へ行くバスたちがお話しをしています。
「楽しい町行きのバスに、もっとたくさんの人が乗ってくれるとバスも増えるんだけれどね。2台だと少し寂しそうだね。」
「バスに乗る人がたくさんになるといいのにね。」

「次は車庫行きの道路が来ますから、車庫で休憩するバスや、修理をしてもらうバスは一列に並んでください。」
朝早くから走っていたので、たくさんのバスが休憩のために道路に乗って車庫へ行きました。

それから、具合の悪いバスも車庫で修理をしてもらうために、みんなと一緒に道路に乗って行きました。
休憩するバスが10台と、修理するバスが3台の合計13台のバスが乗って行きました。
休憩するバスは時々、車体を回転するブラシで洗ってもらいます。そして床や座席の掃除もしてもらいます。
「きれいなったね、お客さんもきっと喜ぶと思うよ。」

カタツムリの富士登山(9)

2017-02-26 10:30:19 | 童話
長い間歩いたので、みんなで登山口の近くのキャベツ畑で休憩をしていました。
その時、キャベツ畑の持ち主さんがやって来て、みんなが休憩をしていたキャベツを箱に入れました。トンボ君とチョウチョさんは羽が有るので、他のキャベツへ飛んで行きました。だけれど、僕は飛べないので、キャベツと一緒に箱の中に入れられました。
『うわっ。』
僕は箱の穴から頭を出して、箱の外を見ました。箱の外には「たのしい農協キャベツ」と書いてありました。
「たのしい農協」は、僕がお父さんやお母さんと一緒に住んでいる所から近いので、少し安心しました。

『トンボ君、チョウチョさん、僕はこのまま箱の中にいて、僕の住んでいる所の近くに連れて行ってもらうからね。一緒に山から下りて来てもらってありがとう。みんな元気でね。バイバイ。』
『バイバ~イ、元気でね。』
『バイバ~イ、お父さんとお母さんを大切にしてあげてね。』
『うん、わかったよ。バイバ~イ。』

キャベツを入れた箱をたくさん積んだトラックが走り始めました。
トラックはスピードが速く、トンボ君もチョウチョさんも追いつけませんでした。
トラックが「たのしい農協」に着いたので、キャベツの入った箱を全部下ろしました。
僕は箱の穴から外へ出て、お父さんとお母さんのいるお花畑へ歩いて行きました。
『お父さん、お母さん、ただいま、帰って来たよ。』

そして、僕はチョウチョさんとトンボ君と一緒に登った事や、富士山の山頂からのきれいな風景や、チョウチョさんとトンボ君と一緒に下りて来た事をお話ししました。

今度はどこへ行こうかな、考えていると楽しいよ。

           おしまい

カタツムリの富士登山(8)

2017-02-25 11:51:13 | 童話
『あ~あっ、よく寝たなぁ。』
僕は、あまり寒くないので目がさめた。
そして、岩の穴の中から外を見ると雪はほとんど無くなっていた。
『お父さんとお母さん、僕はまた約束を守って家の中にいたよ。』
そして、穴の外でお水をタップリ飲んで歩き始めた。雪の上や、雪解け水の上は冷たいので、乾いている所を歩いて行った。

『ランランラン、ランランラン。』
今度も、僕が歌っても、だれも『ルンルンルン、ルンルンルン。』や『ピッピピピ、ピッピピピ。』と歌ってくれる友達がいません。

また時々寒い日があるので、寒い時は暖かそうな岩の穴を探して暖かくなるのを待つことにした。
そして、何日か歩いて下りて来ると、トンボがやって来て、『おかえり。』と言った。だけれど僕の知っているトンボ君ではなかった。

そこへチョウチョがやって来て『おかえりなさい。』と言った。
『だけれど、一緒に登ったトンボ君とチョウチョさんとは違うね。』
『そうよ、チョウチョもトンボも1年しか生きていられないので、前に会ったチョウチョもトンボも、もういないんだよ。だけれど、僕がまだ卵の時に、カタツムリさんの事をお父さんやお母さんから聞いていたんだ。そして、お父さんやお母さんも、卵の時におじいさんやおばさんから聞いていたんだと、お父さんやお母さんが言っていたよ。だからここで待っていたんだよ。』
『そうなのか、うれしいなぁ。それでは一緒に下りて行こうか?』
『うん、いいよ。』
『ええ、いいわよ。』

そして、みんなで
『ランランラン、ランランラン。』
『ルンルンルン、ルンルンルン。』
『ピッピピピ、ピッピピピ。』
と歌いながら下りて行きました。
何日間かみんなで歩いて、富士山の登山口に着きました。

カタツムリの富士登山(7)

2017-02-24 21:29:20 | 童話
僕が立ち止まって深呼吸をしている時に、遠くに建物が見えた。
『あれは山小屋なのかなあ、山小屋だったら温かいし、風で飛ばされる心配も無く、安心して寝られるなあ。』
人間に踏みつぶされないようにして近付いて行くと、やっぱり山小屋で、たくさんの登山者がいた。

僕はが小屋の中でも暖かい高い所で休憩をしていると、登山者の一人が僕を見つけて、
『こんな所にカタツムリがいるよ、風で飛ばされてきたのかなあ?』
『ちがうよ、僕は自分で登って来たんだよ。』
『えっ、こんな所まで登って来たの?』
『うん、途中までトンボ君とチョウチョさんと一緒だったけれど、あとは、ここまでは僕ひとりで登って来たんだよ。』
『どこへ行くの?』
『みんなと同じで、頂上へ行くんだよ。』
『カタツムリさんは、なぜ富士山に登るの?』
『テレビで富士山を見ていたら、どうしても登りたくなったからだよ。』
『ここまで、何日くらいかかったの?』
『1年くらいかな。』
『お家に帰るまで、どれくらいかかるの?』
『これから頂上まで行って下りて来るころに寒くなるので、また岩の穴の中で温かくなるまで寝ているから、お父さんとお母さんのいる所まで、あと2年くらいかかるかな。』
『わぁ、すごい、頑張ってね。そして、気を付けてね。』
『うん、ありがとう。』

次の朝、僕は頂上の少し下にある神社を目指して登って行った。
『この神社にも登山者が一杯いるなあ。』
登山者が神社でお参りをしているので、僕もお参りをした。
『無事に山頂まで行って、お父さんとお母さんが待っている所に無事に帰れますように。』
僕は寒くなる前に山の下の方に下りたいので、お参りをしたら、山頂を目指して速く歩いて行った。

『あそこにいる登山者が写真を撮っている。あそこが山頂なんだ。』
山頂に着いたが、僕はカメラを持っていないので、お家に帰った時に、お父さんとお母さんにお話しができるように、山頂からの風景をしばらく見ていた。
『山頂に着いたので、転がり落ちないように注意して下りよう。』
また僕は歌いながら歩いた。
『ランランラン、ランランラン。』

何日か歩いて下りていると、また寒くなってきたので、登る時と同じように、大きな岩の小さな穴を見つけて寝る事にした。前と同じようにコケが生えていて暖かい。
『外が暖かくなるまでおやすみなさい。』
そして、僕は暖かくなるまで寝ていました。