僕の学校(5)

2014-12-31 12:06:22 | 童話
宿題の時間は、僕もシロもタマも、みんな生徒です。

宿題ですから先生はいません。

『シロもタマも、ちゃんと宿題をしないとダメだよ。』

宿題が終ると、明日のお勉強の準備をします。
明日の準備も先生はいません。
『今日は楽しかったなぁ。明日は何しようかな。』

そして、朝になると、また僕の学校が始まります。

   
おしまい

僕の学校(4)

2014-12-30 11:05:00 | 童話
お昼寝の時間は、タマが先生です。

ソファの上でスヤスヤ。
だけど、シロは寝ていても直ぐに起きて、ボールで遊び始めます。

音楽の時間は、お母さんがピアノの練習で使っているメトロノームが先生です。
カチカチカチカチ、カチカチカチカチ。
シロは、その音に合せて、ワンワンワン、ワンワンワンと鳴きますが、タマは、時々耳を動かすだけで、直ぐ寝てしまいます。

公園の砂場で遊ぶ時は、シロが先生です。
シロは穴掘りがじょうずで、両方の前足を使ってドンドン掘ります。

公園の広場でカニ歩きをする時間は、僕が先生で、シロとタマは生徒です。
『カニさんはね、こうして足を順番に横に動かして横に歩くんだよ。
シロもタマも前に歩くんじゃないよ、横に歩くんだよ。
水槽のカニさんを見てごらん、横に歩いているでしょ。』

僕の学校(3)

2014-12-29 21:27:50 | 童話
絵の時間は、みんなが生徒で絵を描きます。

絵の先生は絵本です。

『タマ、グチャグチャに塗ったらダメだよ。』
『ポチは絵をなめたらダメだよ。』
『ほら、ポチの好きなお肉と、タマの好きなお魚の絵が描けたよ。おいしそうでしょ。』

マンガの時間も、みんなが生徒でテレビが先生です。

マンガが始まると、シロは時々目を開けてテレビを見ますが、タマは僕の隣りで寝ています。

給食の時間は、お母さんが先生です。

今日は僕の大好きなハンバーグとカレースープです。

シロもタマもハンバーグを入れるお皿を持って、順番に並んでね。

そうか、シロとタマはお皿が持てないんだね。それでは、並ぶだけでいいよ。

僕の学校(2)

2014-12-28 09:25:02 | 童話
国語の時間は、絵本でお勉強をします。

今度は僕の方が先生になります。
そして、大きなカブの絵本やサンタさんの絵本を読んであげます。

僕はお兄ちゃんやお姉ちゃんのように文字が読めないので、お母さんに読んでもらったようにシロとタマに読んであげます。

だけど、読んであげているのが正しいかどうか分かりません。

算数の時間も僕が先生で、おやつの数をかぞえます。
シロに一つ、タマに一つ、そして、僕に一つ。10個入っていたお菓子なので、残りは、う~んと、7個かな?

僕の学校(1)

2014-12-27 12:27:05 | 童話
お兄ちゃんとお姉ちゃんは小学校へ行っていますが、僕はまだ幼稚園にも行っていません。

だけど、僕も学校へ行っています。
僕の行っている学校の先生は、犬のシロと猫のタマです。

運動会の時間は、シロが先生で、駆けっこをします。
『シロ、そんなに速く走ったら追いつかないよ。』
先生のシロは走るのがとても速いので、先生には勝てません。

そして、木登りの時間は、タマが先生で木登りをします。
『タマ、すぐ登って行くからチョット待っていて。』