丘の上でゴロゴロふわり(1)

2017-12-31 10:30:47 | 童話
楽しいな、楽しいな。明日は家族みんなでハイキングだ。
『お姉ちゃん、明日のハイキング楽しみだね。少し遠くまで電車で行って、そこから1時間くらい歩いて山の上の方にある湖に行くんだよね。』
『明日は朝早いから、もう寝るわよ。』
『は~い。』僕はワクワクして、なかなか寝られなかった。

『早く起きなさい。』
お母さんに起こされるとお父さんが行く用意をしていた。お姉ちゃんも起きていて顔を洗っていた。僕は急いでトイレに行った後で、歯を磨いて顔を洗った。
『いただきま~す。』
みんなと一緒に朝ご飯を食べているとお父さんが『もうすぐ行くから、早く食べなさい。』と言ったので、おしゃべりを止めてご飯を食べた。
そして、4人で駅まで歩いて行き、お父さんから貰ったお金で4人の切符を買った。
僕は楽しくて、電車の中でお姉ちゃんとずっとお話しをしていたので、時々お母さんに『少し静かにしなさい。』と注意された。

しばらくして、電車が湖の有る駅に着いたので、先頭がお父さん、次は僕で、3番目はお姉ちゃん、そして最後がお母さんで、4人で一列になって歩いた。
僕達と同じように、リュックを背負ったたくさんの人が歩いている。お母さんとお父さんが『たくさんの人が湖へ行くのね。』、
『そうだね、あの湖はきれいだからね。』とお話しをしていた。
途中で1回休憩をしてジュースを飲んだので僕は元気いっぱいで歩いた。

両手を広げて(3)

2017-12-30 11:32:51 | 童話
『お母さん、僕ね、また夢の中で空を飛んでいたよ。今度はね、何にも乗らなくて、行きたい所を考えただけで、その場所に行けたんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』
お父さんが
『昔からそんな空想小説があるが、現実的には不可能だよ。』
と言った。

『お母さん、今度はね、僕が行きたい場所を考えると、その場所が僕の所にやって来たんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』
お父さんが
『なんだそれは、そんな事は絶対に無いよ。』
と言った。
僕が飛んで行くより、僕が行きたい所が来るのが一番速いと思った。

そして、一番速い方法になったので、その日から夢は見なくなってしまったので残念だ。
よし、今度は一番遅い乗り物に乗る夢をみよう。

そして、僕はカタツムリに乗って世界を旅行している夢を見た。
ゆっくり、ゆっくりと広い所を旅行していて楽しかった。
この夢が一番楽しかった。

      おしまい

両手を広げて(2)

2017-12-29 21:26:48 | 童話
『お母さん、僕ね、また夢の中で空を飛んでいたよ。今度はね、ジェット旅客機を操縦していたんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』
お父さんが
『いっぱい努力しないとなれないよ。』
と言って、ガンバレと言った。
僕は努力してジェット旅客機を操縦しようと思った。

僕は段々とスピードの速い乗り物になっているのに気が付いた。
次はどんなに速い乗り物になるのかなぁ。

お母さん、僕ね、また夢の中で空を飛んでいたよ。今度はね、ロケットに乗って宇宙旅行していたんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』
お父さんが『
もっともっと努力しないとなれないよ。』
と言って、ガンバレ、ガンバレと言った。
僕はもっともっと努力してロケットに乗ろうと思った。

『お母さん、僕ね、また夢の中で空を飛んでいたよ。今度はね、携帯電話に乗って飛んでいたんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』
お父さんが
『なんだそれは、携帯電話の電波に乗って飛んでいたのかい?今の技術ではできないよ。』
と言った。
僕は、携帯電話で声が届くのだから僕も飛んで行けると思う。

両手を広げて(1)

2017-12-28 08:48:35 | 童話
『お母さん、僕ね、夢の中で空を飛んでいたんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』
『両手を広げて、ビューンと飛んでいたんだよ。』
お父さんは
『夢は何でもできるけれど、本当は飛べないよ。』
と言っただけど、僕は飛べると思う、夢の中で飛んでいたから飛べるんだ。

『お母さん、僕ね、また夢の中で空を飛んでいたよ。今度はね、パラグライダーを付け飛んでいたんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』
お父さんは
『少し現実味のある夢になったな。』
と言ったが、すごいねとは言わなかった。
だけれど、僕はできそうな気がする。
そして、今晩はどのようにして空を飛ぶのか楽しみだ。

『お母さん、僕ね、また夢の中で空を飛んでいたよ。今度はね、ヘリコプターを操縦していたんだよ』
『あらっ、今度はすごいわね。』
お父さんは
『そうだなぁ、努力すれば可能性のある夢だな。』
と言ったが、すごいねとは言わなかった。
僕は大きくなったらヘリコプターに乗ろうと思った。

カゼをひいたエンゼル(2)

2017-12-27 21:22:09 | 童話
『ただいま、天使ちゃんはカゼが治ったの?』
『それがね、お医者さんには天使ちゃんが見えないので、そのままおうちに帰ってきて寝ているのよ。』
『そうなの? 大人の人には天使ちゃんが見えないの? お母さんは天使ちゃんが見えるでしょ。』
『ええ、見えるわよ。』
『お母さんは特別なのかなぁ?』
『そうかも知れないわね。』

天使ちゃんが私のふとんで寝ているので、私はお母さんのふとんで一緒に寝ました。
朝になって私が起きると天使ちゃんが羽根を広げて飛んでいました。

『わぁ、天使ちゃん元気になったのね。』
『ええ、もう大丈夫よ。ほら、こんなに飛べるわ。』
『良かったわね。』
『ええ、ありがとう。』
『今日から、また一緒に学校へ行けるわね。』
『ええ、行けるわ。』
『そして、一緒にお外へ遊びに行けるわよね。』
『ええ、行けるわ。』

そして、私はまた天使ちゃんとずっと一緒にいます。
だけど、私が大人になっても、お母さんのように天使ちゃんが見えるのかなぁ?
それとも、お医者さんのように天使ちゃんが見えなくなってしまうのかなぁ?

おしまい