蜜蜂キックロの海外出張(4)

2021-11-30 10:18:01 | 童話
レストランは大きな六角形をしていて、まるでミツバチの巣のようです。

一番のドアはカナダ料理のお店になっていて、カリブーのステーキをやさしく焼いて柔らかくしています。

二番目のドアを開けると、アメリカ料理のお店になっていて、牛肉のステーキがおいしく食べられます。

三番目のドアを開けると、ブラジル料理のお店になっていて、このお店も柔らかくおいしいお肉を食べることができます。

四番目のドアを開けると、オーストラリア料理のお店になっていて、蜂蜜と味噌とニンニクを細かくして混ぜたものを、野菜や、ゆでたお肉につけたり、つけて焼いたりして食べるがおいしく食べられます。

五番目のドアを開けると、イタリア料理のお店になっていて、おいしいパスタが食べられます。

六番目のドアを開けると、フランス料理のお店になっていて、チーズに蜂蜜をかけた料理がおいしく食べられます。

これで六角形のお店になっています。
『うわっ、どのお店の料理もおいしそうだね。』

ある日、オジさんが僕にお話しをしました。
『キックロ、頼みがあるんだけれど、おいしい料理を探すために、また外国へ出張して欲しいんだけれど、行ってくれるかい?』
『また別のレストランを造るの?』
『そうだよ、もっとたくさんの人に、おいしい蜂蜜料理を食べてもらいたいんだ。』
『うん、いいよ。』

そして、僕とオジさんは次の外国出張の準備をしています。

  おしまい

蜜蜂キックロの海外出張(3)

2021-11-29 10:07:45 | 童話
『ふぅ~ん、カナダではカリブーという動物のステーキに人気があるみたいだけれど、お肉を焼く時に蜂蜜を使うんだね。そうするとお肉が柔らかくなり、冷えても硬くならないのか。』

イタリアへ行った僕達の仲間の蜜蜂は、イタリアの蜜蜂の巣箱から飛んで、おいしい料理を探しに行きました。
『やっぱりイタリアではパスタがおいしいんだよね。パスタのソースを作る時に蜂蜜を入れて、もっとおいしくしているんだね。』
と、連絡が有った。

また、フランスへ行った蜜蜂の仲間からは、『フランスではチーズに蜂蜜をかけて食べるのが多いよ。』と連絡が有った。

そして、アメリカへ行った僕達の仲間の蜜蜂から、『牛肉のステーキをもっとおいしくするために蜂蜜を付けて料理をしていたよ。』と連絡が有った。

また、オーストラリアへ行った蜜蜂の仲間からは、『蜂蜜と味噌とニンニクを細かくして混ぜたものを、野菜や、ゆでたお肉につけたり、つけて焼いたりして食べるとおいしんだよ。』
と連絡が有りました。

最後に、ブラジルへ行った蜜蜂の仲間からは、『鶏の肉を小さくして、蜂蜜にお塩やスパイスを混ぜたものに漬け込み、野菜にバナナを加えたものを細かくして炒めるとすごくおいしいんだよ。』と連絡が有りました。

そして、カナダから帰って来た僕達が空港で待っていると、アメリカやブラジルやイタリアやフランス、それとオーストラリアへ行っていた蜜蜂が全員帰って来ました。
『みんな頑張ってくれてありがとう、これでおいしいレストランが作れるよ。』と僕達の世話をしてくれているオジさんが喜びました。
オジさんは、蜂蜜を使ったおいしい料理の日本料理店を持っていますが、外国の料理のお店を造りたかったのです。

翌日からオジさんは外国料理のレストランを造り始めました。

蜜蜂キックロの海外出張(2)

2021-11-27 10:38:44 | 童話
『バイバ~イ、あっ、だぁれもいないや。』
僕も飛行機に乗せられたので、カナダに着くまで寝ることにした。
僕達の入ったカゴは断熱材という熱を通さない布でくるまれているので寒くなかったです。
そして、僕達が目をさますと、飛行機はカナダに着いていました。

『みんな、おはよう。』
『おはよう。ここから、どこへ行くのかなぁ?』
『空港からあまり遠くない公園へ行くみたいだよ。その公園で、カナダの蜜蜂と仲良くなって、みんなの巣箱に連れて行ってもらうんだって。』
『ふぅ~ん、そうなんだ。では公園でみんなと友達になればいいんだ。』
『そうだね。』
『カナダの公園は大きいね。お花もいっぱい咲いているね。』
『そうだね、日本の公園の何倍もあるね。』

そこへ、カナダにいる蜜蜂がやってきて
『お話しを聞いていたけれど、日本から来た蜜蜂は君達なの?』
『そうだよ。仲良くしようね。』
『うん、いいよ。』
『ありがとう。』
『では、僕達の巣箱へ行こうか。』
そして、日本から来た僕達は、カナダの蜜蜂の巣箱にやって来ました。

『うわっ、巣箱がいっぱい並んでいるね。日本の何倍も何倍もあるね。』
『カナダは、どこへ行っても、これくらい広い所で、これくらいの巣箱があるんだよ。』
『ふぅ~ん、すごいね。』
『僕達はね、カナダで食べられているおいしい料理を探しに来たんだよ。』
『ふぅ~ん、そうなんだ。』
『明日からいろいろな家へ行って料理を見せてもらうんだ。』
その日は飛行機に乗って疲れたので、明日から探しに行くことにしました。

『カナダのみんな、おはよう。』
『日本からのみんな、おはよう。』
『では、僕達はおいしい料理を探しに行ってくるからね。』
『うん、行ってらっしゃい。』
そして、僕達は巣箱から飛んで行った。

蜜蜂キックロの海外出張(1)

2021-11-26 11:15:29 | 童話
僕はお花がいっぱいの村で生まれた蜜蜂です。
名前は、体が黄色と黒なのでキックロです。
六角形の巣の中で、たくさんの幼虫と一緒に、おいしい蜂蜜をもらって、大切に育ててもらいました。
そして、僕も空を飛べるようになり、毎日おいしい蜂蜜を集めています。ある日、巣箱の掃除をしたりして、僕達の世話をしてくれているオジさんが、僕を虫かごに入れました。
『あのね、キックロに頼みがあるんだ。日本では、醤油を蜂蜜に交ぜて使うとおいしい料理ができるんだけれど、外国で蜂蜜を使った料理を調べてきてほしいんだ。レストランには無い、家庭料理を探してほしいんだ。』
『うん、いいよ。』

そして、僕は他の蜜蜂と一緒に、全部で30匹の蜜蜂が、5匹ずつ虫かごに入れられ、飛行機に乗せられて外国へ出張することになったのです。一つのカゴはカナダへ、もう一つはアメリカへ、そして、ブラジルとオーストラリアとイタリアとフランスへ飛行機で運ばれることになり、空港で飛行機を待っていました。
『僕は1番の箱でカナダへ行くのだけれど、2番の箱のみんなは、どこへ行くの?』
『僕達2番の箱はアメリカへ行くんだよ。』
『3番の箱のみんなはどこへ行くの?』
『僕達3番の箱はブラジルへ行くんだよ。』
『4番の箱のみんなはどこへ行くの?』
『僕達4番の箱はオーストラリアへ行くんだよ。』
『5番の箱のみんなはどこへ行くの?』
『僕達5番の箱はイタリアへ行くんだよ。』
『6番の箱のみんなはどこへ行くの?』
『僕達6番の箱はフランスへ行くんだよ。』
出発前に、みんなとワイワイガヤガヤとお話しをしました。
『蜂蜜を使ったおいしい料理が見つかるといいね。』
『そうだね。』
『外国はどんな所なのかなぁ?』
『暑いのかなぁ、寒いのかなぁ?』

そして、ブラジルへ行く飛行機の出発案内があり、3番の箱がブラジル行きの飛行機に乗せられました。
『バイバ~イ、元気でね。帰って来たら、またみんなでお話しをしようね。』

そして、今度はアメリカへ行く飛行機の出発案内があり、2番の箱がアメリカ行きの飛行機に乗せられました。
『バイバ~イ、元気でね。帰って来たら、またみんなでお話しをしようね。』

今度は、オーストラリアへ行く飛行機の出発案内があり、4番の箱がオーストラリア行きの飛行機に乗せられました。
『バイバ~イ、元気でね。帰って来たら、またみんなでお話しをしようね、きっとだよ。』

また今度は、イタリアへ行く飛行機の出発案内があり、5番の箱がイタリア行きの飛行機に乗せられました。
『バイバ~イ、元気でね。帰って来たら、またみんなでいっぱいお話しをしようね。』

次は、フランスへ行く飛行機の出発案内があり、6番の箱がフランス行きの飛行機に乗せられました。
『バイバ~イ、元気でね。帰って来たら、またみんなでお話しをしようね、きっとだよ。』

『みんな行ってしまった。』
最後に、カナダへ行く飛行機の出発案内があり、僕達の入った1番の箱がカナダ行きの飛行機に乗せられました。

石ネズミ(6)

2021-11-25 11:24:59 | 童話
一時間くらいたった頃にみんな起きてきて、高い木に登って、みんなで集めた石や木が並べられている所をながめました。
『わあ、僕達がお餅をついている絵になっているよ。』
『すごいね、みんなで力を合せると、こんな大きな絵が作れるんだ。』
『みんなでがんばったからね。』

『だけれど、どうしてこんな大きな絵が必要なの?』
『もうすぐ満月になって、月でウサギがお餅をつく時に、僕達も一緒にお餅をつこうと思うんだ。』
『わあ、すごいね、やろうよ。』
『やろうよ。』
『うん、やろうよ。』

そして、満月の夜に全部のネズミが集まって、蒸したもち米を臼に入れて、月のウサギがお餅をつき始めるのを待っていました。

その時、月からペッタンコと音が聞こえてきました。ネズミも大きな石の上にシーソーのように置かれて大きな木を杵にして、お餅をペッタンとつきました。

ウサギがペッタン。
ネズミがペッタン。
ウサギがペッタン。
ネズミがペッタン。
ウサギがペッタン。
ネズミがペッタン。

『わあ、楽しいなあ。』
『すごいなあ。』
『みんなで力を合せるとできるんだね。』
『そうだね、みんなで力を合せるとできるんだね。』
こうして、月のウサギとネズミは、朝になって月が見えなくなるまで一緒に餅つきをしていました。

   おしまい