100才の小学生(2)

2018-01-31 21:32:50 | 童話
ある日、公園にジュースの空き缶がたくさん捨てられていたので、掃除をする班のイヌさんとタヌキさんとキツネさんが鈴木ヨシさんに相談しました。
『今まで公園にはゴミは捨てられていなかったわよね、誰が捨てたのかしら、公園の管理事務所で調べてくるわね。』
そして、鈴木ヨシさんがみんなの所に帰って来てお話しをしました。
『分かったわよ、昨日、公園で少年野球があったんだけれど、どこかのチームの子供が、あとで片付けようとて忘れていたんだって。事務所の方でチームの監督さんに電話をして分かったの。』
『ああ良かったね。また明日も掃除をするからね。』
『お願いね。』

暑い夏が終って、村で盆踊りをすることになり、村のみんなが盆踊りの準備をアライグマさんとネズミさんに頼みました。しかし、アライグマさんもネズミさんも力が弱くて重い物を持てないので、田中トメさんに相談しました。
田中トメさんが力持ちの馬さんと牛さんに手伝ってもらうようにしました。盆踊りの舞台を組立てる長い木の棒を、馬さんと牛さんはたくさん運んで来て、アライグマさんとネズミさんが木と木をヒモで結んで舞台を組立てました。
『馬さんと牛さん、ありがとう、力持ちの馬さんと牛さんに手伝ってもらったから、みんなで盆踊りができるね。』
『そうよね、馬さんと牛さんが手伝ってくれなかったら盆踊りができなかったわよね。ありがとうね。』と、田中トメさんも喜びました。

そして、盆踊りの会場でにぎやかな盆踊りが開かれて、みんなが大きな輪になって楽しく踊りました。
『来年も楽しい盆踊りをやろうね。』
『そうだね。楽しい盆踊りをやろうね。』

100才の小学生(1)

2018-01-30 21:34:00 | 童話
ここは小さな村の小学校で、生徒はたくさんの動物や木やお花です。
人間は100才以上人だけが生徒になることができます。
だけれど、この学校には先生はいません。みんなが生徒で、みんなが先生です。

今の人間の生徒は、鈴木ヨシさんと、田中トメさんと、山田熊太郎さんの三人だけです。
国語や算数や社会の勉強はしません。勉強をするのは、掃除や片付けと、みんなと仲良くする方法を勉強します。
そして、みんなが自分の所へ帰った時に勉強した事を行ないます。

掃除をする班は、公園や道路の落葉とゴミを拾い集めてゴミ箱に入れます。
これは、イヌさんやタヌキさんやキツネさんが行ない、終ったら小学校で落葉やゴミの数を報告します。
そうして、どうしたらゴミが捨てられなくなるのか小学校で発表します。

また、きれいだった場所や、汚れていた場所、そうして、掃除にかかった時間も報告をします。
だけれど、ネコさんは掃除をうまくできないので他の事をやります。
ネコさんは長い時間続けて掃除をする事ができないのです。

片付けする班は、アライグマさんとネズミさんが行ないます。
特にアライグマさんは良く洗ってから片付けます。

みんなと仲良くする方法の班は、
馬さんと牛さんがリーダーになって、木やお花のみんなと相談して決めます。

では、人間の鈴木ヨシさんと、田中トメさんと、山田熊太郎さんは何をしているのでしょうか?
三人とも100才以上でたくさんの事を知っているので、みんなが相談に来ます。
掃除の事は鈴木ヨシさんに相談し、片付けのことは田中トメさんに相談し、みんなと仲良くする方法の事は山田熊太郎さんに相談します。

カピバラさんの2泊3日(8)

2018-01-29 21:27:06 | 童話
僕達はまた、お父さんを先頭に一列になって歩きました。
暫く歩いていると雨がポツポツと降ってきました。
『お父さん、どうします?』
『もう少し歩いて、雨が強くなったら、どこかで雨宿りをしよう。』
『そうね、みんな頑張ってね。』

雨が段々強くなってきた。
『あそこのお菓子屋さんの軒先で、雨宿りをさせてもらおう。』
『随分濡れたねえ。』
ピカピカ、ゴロゴロ。
『うわっ、雷だ。』
『雷が落ちると死んじゃうのかなぁ。』

みんなで半分濡れながら雨宿りをしていると、今来た方から自動車が来て止った。
『随分濡れたね。』
昨日泊まっていた家のおじさんが運転して来たのでした。
助手席のおばさんが僕達4匹の体をタオルで拭いて、後の座席に乗せてくれました。
『君達の家まで送ってあげるよ。』そう言っておじさんは車を走らせていきました。

そして、高速道路を走ったので、たちまち家に着いた。
僕達の飼い主さんが
『遠い所をありがとうございました。』
『いやいや、高速道路を走れば直ぐですから。』
『そうですね、カピバラは高速道路を歩けないからね。』
『それでは、私達はこれで帰りますから。』
『ありがとう。バイバ~イ。』
僕は走って行く車に、いつ迄も手を振りました。
僕達の飼い主さんが
『夕食を食べたらお風呂に入って、早く寝なさい。』
僕はお姉ちゃんと
『楽しかったねぇ。』
『また田舎に行きたいね。』
そして、僕達4匹は牛乳を飲みながら
『お風呂上がりの牛乳は、いつ飲んでも美味しいね。』
僕達は歯を磨いてから、柔らかい藁を敷き詰めた箱の中で早く寝ました。
グウグウグウ。
        おしまい

カピバラさんの2泊3日(7)

2018-01-28 09:58:39 | 童話
僕達が家に着くと、飼い主さんのおばさんが、
『楽しかった?良かったね。さあご飯よ。』
と、昨日の夕食と同じ美味しい草と野菜を用意してくれていました。
また僕達は、モシャモシャモシャ、コリコリコリと食べてお腹がいっぱいになりました。
『ねぇ、お風呂から出て牛乳を飲んだら花火をしようか?』
『うん、花火をしたい。』
『じぁ、早くお風呂に入ろう。』

そして、みんなでお風呂に入ってから、牛乳を飲みましだ。
『今日の牛乳も美味しいねぇ。』
『そうだねぇ。』
『外が暗くなったので花火をやるよ。』
『どんな花火があるの?』
『線香花火と手にもってシュゥシュゥというのがあるよ。』
『私は線香花火がいい。』
『僕はシュゥシュゥというのがいいなぁ。』
『僕もシュゥシュゥというのにする。』
『綺麗だね。』
『そうね。』
『今度は交換しようか?』
『今度は、僕は線香花火にする。』
『僕も線香花火にする。』
『綺麗だね。』
『そうねだ。』

『もう終ってしまった。』
お母さんが
『もう寝るのだから歯を磨いてきなさい。』
『はぁ~い。』
『明日はもう帰るのだね。』
『そうね、楽しい事はすぐ終るわね。』
そして、僕達は明日の用意をしてから、藁を敷いた箱の中で、グ~、グ~。

『おはよう。』僕は今日も起こされた。歯を磨いて、顔を洗って、ブルブルッ。
『ああ、気持ちいい。今日はもう帰るんだね。』4匹と3匹の全員で朝ご飯を食べた。
今朝採ってきたみずみずしいキュウリとニンジンとトウモロコシを貰ったので、水を満たした水筒と一緒にリュックに詰込みました。さあ出発だ。
『また来なさいね。』
『うん、きっと来るからね。』
お父さんとお母さんが『お世話になりました。』と言って手を振りました。
僕は、もっと大きく手を降って『バイバ~イ。』と言って歩き始めました。

カピバラさんの2泊3日(6)

2018-01-27 13:20:15 | 童話
『おはよう。』と男の子のカピバラが言った。
僕達のお父さんとお母さんとお姉ちゃんも起きていました。
『あれっ、僕が最後か。』
『朝ご飯だから、早く歯を磨いて顔を洗ってきなさい。』
『はぁ~い。』
僕は家の外に有る井戸の水で歯を磨いて、顔を洗いました。ぶる、ぶるっ、
冷たくて気持ちいい。
スッキリと目が覚めました。
『ご飯だ、ご飯だ、楽しいなぁ。』
お母さんに『早く座りなさい。』と注意されました。
僕達4匹と、この家の3匹の全員で『いただきま~す。』
僕は柔らかい草をモシャモシャモシャ。
『田舎の草は美味しいねぇ。』
『キュウリやトウモロコシも、とっても美味しいわ。』
お姉ちゃんはコリコリ、コリコリ。お父さんもお母さんも大満足。
『こんなに美味しい食事は久しぶりね。』
『そうだね。』
『食事が終わったら水浴びに行こうか?』
『水浴びができる所が有るの?』
『うん、近くに川が有るんだよ。』
『行きたい、行きたい。』
『それでは、宿題を早く終わらせなさい。』
『はぁ~い。』
僕と男の子で一緒に宿題をやりました。

宿題が終ったので、僕達4匹と、この家の3匹の全員で水浴びに行く事にしました。水浴びのできる川はすぐ近くにありました。
『うわっ、冷たい。』
『綺麗な水ね。』
『水の中に入ろうよ。』みんな大騒ぎをしました。
『あっ、痛い。』僕は大きさ石の上から落ちてお尻をぶつけてしまいました。
『石の上には苔が生えているので、滑るから気を付けなさい。』
『はぁ~い。』僕はぶつけたお尻を擦りながら返事をしました。
『あっ、お魚がいる。』
『イワナだよ。綺麗な水の中にしかいないんだ。』
『僕は金魚と熱帯魚しか見た事が無いよ。』
『イワナが何か言っているよ。』
『知らないカピバラだけど友達かい?と言っているんだよ。』
『そう、友達だよ。と言って。』
『イワナ以外は、どんな魚が居るの?』
『アユもいるよ。それから、魚ではないけれど、山椒魚も居るんだ。』
『凄いね、いっぱい居るんだね。』
『うん、水が綺麗だからね。』
『みんな帰るよ。』お父さんが高い岩の上から僕達を呼びました。
『よく体を拭きなさい。』とお母さんがみんなにタオルを渡してくれたので、みんなで体を拭きっこしてから帰る用意をしました。そして、みんなで並んで帰りました。
『楽しかったね。』
『そうだね。』
『帰ったら夕ご飯だね。』
『いっぱい遊んだからお腹が減ったね。』
『そうだね、沢山食べようね。』
『うん、そうだね。』