僕はどっちかな?(2)

2019-05-31 06:34:40 | 童話
スーパーマーケットの入口でお母さんが
『タロウはお店に入れないので、ここで待っていてね。』
と言うと、タロウは
『うん、わかった、ここで待っているね。』
と言いました。
僕は『ワン』と言ってお母さんと一緒にお店の中に入って行きました。

お母さんと僕がお店から出てくるとタロウが
『早かったね。』
と言ったので、僕も
『ワンワンワン。』
と言いました。

そして、お店から出てきた時に僕はお昼寝から目がさめました。
僕がタロウに『ワン』と言うと、タロウも『ワン』と言ったので、僕は夢の中と違うなぁと思いました。

ある日、僕は寝そべっているタロウに寄り掛かってお昼寝をしました。
そして、僕は体が重たくて目がさめると、タロウが僕に寄り掛かっていたので、僕は『ワン』と言いました。するとタロウが
『なぁに?』
と言いました。あれっ、前の夢の時と同じだなぁ、と思いました。
タロウが
『何して遊ぶ?』
と言ったので、『今日は駆けっこをしようよ。』と言いたかったが
『ワンワンワン』
と言いました。
また夢の中と同じだと思いました。
そして、僕とタロウは公園へ行き、駆けっこをしました。
タロウが
『早くおいでよ。』
と言ったので、僕は
『ワンワン』
といってタロウを追いかけました。
近所のおばさんが
『二人とも元気ね。』
と言ったので、僕は
『ワンワンワン』
と言いましたが、タロウは
『そうだよ、二人とも元気だよ。』
と言いました。
僕は夢の中ではないのに変だなぁと思いました。

僕はどっちかな?(1)

2019-05-30 06:36:56 | 童話
僕の家には大きな犬がいます。色は白で名前はタロウです。
僕とタロウは仲良しで、いつも僕がお昼寝する時は、寝そべっているタロウに寄り掛かって寝ます。
時々、体が重たくて目がさめるとタロウが僕に寄り掛かって寝ています。
その時僕はタロウに『ワン』と言います。するとタロウは目がさめて立ち上がります。

今日もタロウが僕に寄り掛かっていたので、僕は『ワン』と言いました。
するとタロウが『なぁに?』と言いました。
僕は
『僕に寄り掛かっていると重たいから起きなよ。』
と言いたかったのですが、
『ワンワンワン。』
と言ってしまいました。
『わかった、わかった、起きるよ。』
とタロウが言いました。

僕は、お母さんが作ってくれたクッキーを、タロウと一緒におやつの時間に食べようと思って『ワンワン』とタロウに言いました。
するとタロウが『おやつを食べるの?』と言ったので、僕はなんだか変だなぁと思いました。

おやつを食べ終った時に、お母さんが
『お買い物に行くけれど、一緒に行く?』
と言ったので、僕は『ワン』と応えました。
するとタロウが
『僕も一緒に行く。』
と言いました。
お母さんは
『はいはい、では3人で行こうね。』
と言いました。

石ネズミ(6)

2019-05-29 06:33:07 | 童話
一時間くらいたった頃にみんな起きてきて、高い木に登って、みんなで集めた石や木が並べられている所をながめました
『わあ、僕達がお餅をついている絵になっているよ。』
『すごいね、みんなで力を合せると、こんな大きな絵が作れるんだ。』
『みんなでがんばったからね。』
『だけれど、どうしてこんな大きな絵が必要なの?』
『もうすぐ満月になって、月でウサギがお餅をつく時に、僕達も一緒にお餅をつこうと思うんだ。』
『わあ、すごいね、やろうよ。』
『やろうよ。』
『うん、やろうよ。』

そして、満月の夜に全部のネズミが集まって、蒸したもち米を臼に入れて、月のウサギがお餅をつき始めるのを待っていました。
その時、月からペッタンコと音が聞こえてきました。
ネズミも大きな石の上にシーソーのように置かれて大きな木を杵にして、お餅をペッタンとつきました。
ウサギがペッタン。
ネズミがペッタン。
ウサギがペッタン。
ネズミがペッタン。
ウサギがペッタン。
ネズミがペッタン。
『わあ、楽しいなあ。』
『すごいなあ。』
『みんなで力を合せるとできるんだね。』
『そうだね、みんなで力を合せるとできるんだね。』

こうして、月のウサギとネズミは、朝になって月が見えなくなるまで一緒に餅つきをしていました。

    おしまい

石ネズミ(5)

2019-05-28 06:43:52 | 童話
そして、何日もかかって根っこをかじって動かせるようにしました。
『やっと出来上がったね。これから動かすよ。』
『こんな大きいのが動くかなあ?』
『だいじょうぶだよ、動くよ。』
『根っこの下に木の棒を差し込んで、みんなでヨイショッと押すと動くよ。』
こうして、全員でヨイショッ、ヨイショッと押しました。
すると、根っこは少し動いたので
『あっ、動くよ。』
『そうだね、動いたね。』
『よしっ、みんなでドンドン押して行くよ。』
『ヨイショッ、ヨイショッ。』
『ヨイショッ、ヨイショッ。』
『やあっ、たくさん動いたね。あと半分くらいだから、ガンバレ、ガンバレ。』

こうして、たくさんのネズミが力を合せて、お餅をつく場所へ臼を動かして行きました。
『ふぅ~、動かせたね。』
『そうだね、動かせたね。みんなすごいよね。』
『みんなお疲れ様、今日もお弁当が二個あるよ。』
『えっ、二個食べていいの? うれしいなあ。』
『今日はすごく重たかったから、お弁当を2個食べられるのはうれしいねぇ。』
『そうだね、もうお腹がペコペコだよ。』
『いただきま~す。』
『おいしいね。』
『そうだね、おいしいね。』
『あれっ、もう一個目のお弁当を食べてしまったの?』
『うん、これから二個目を食べるんだよ。』
『僕も二個目のお弁当を食べているよ。』
『ああ、おいしかった。』
『お昼ごはんが終ったので、今日も少し休憩しようか。』
『そうだね、午後も忙しいから、少し休憩しようね。』
『お腹がいっぱいだから、少しお昼寝をするね。』
『僕もお昼寝をする。』
そしてまた、みんなでグーグー、グーグー。

石ネズミ(4)

2019-05-27 06:42:15 | 童話
次の日、また河原にネズミがたくさん集まってきました。
『おはよう。』
『おはよう。』
『おはよう。』
『おはよう。』
『おはよう。』
『おはよう。』
『やあ、今日はたくさん来たね。これだけ多いとがんばれるね。』
今日は、昨日より大きい石を集めるから4匹から5匹で持たないと動かせないよ。
『小さい石は後にして、大きい石を集めるよ。』
『みんなで力を合せて、いっちにっ、いっちにっ。』
『少しずつ動いて来たね。』
『もう少しだよ。いっちにっ、いっちにっ。もう良いよ、ここで。』
『もうお昼になったからお弁当を食べようか。今日は大きな石を運んだから、お弁当は二個食べていいよ。』
『わあっ、うれしいなあ。』
『そうだね、おいしいお弁当を2個も食べられるなんて、うれしいなあ。』
お弁当を二個食べて、お腹がいっぱいになったので、またみんなでグーグー、グーグー。

一時間くらいたった頃に、今度はみんなで大きな木を運ぶことになりました。
その時、一匹のネズミがみんなに話しかけているネズミに質問をしました。
『ねえ、僕達は今、何を作っているの?』
『あれっ、知らなかったの? 餅つきを作っているんだよ。』
『ふぅ~ん、だけれど、どうやって餅つきができるの?』
『この大きな石の上に、この大きな木を乗せて、コットンコットンと動かしてお餅をつくんだよ。』
『だけれど、コットンコットンとつくためのお米を入れる所が無いよ。』
『あっ、いけない。忘れていたよ。どうしようか?』
『あそこに有る木の切り株がちょうど良いと思うよ。』
『そうだね。』
『時間がないので、根っこをかじって動かせるようにするのと、切り株の所をかじって、お餅をつけるようにするのを一緒にやるよ。』
『うん、分かった。』

こうして、たくさんのネズミの、半分が根っこをかじり始め、あとの半分のネズミで切り株がおわんの形になるようにかじり始めました。
おわんになる所をカリカリカリ、根っこの所をコリコリコリ。
カリカリカリ、コリコリコリ。
カリカリカリ、コリコリコリ。
カリコリカリコリ、カリコリカリコリカリコリ。
そして、かじってまあ~るくなったおわんの内側を丸い石でトントントントン、トントントントンとたたいてツルツルにしていきました。