夢の交換(2)

2017-11-30 21:37:15 | 童話
僕も友達もしばらく夢を見ないか、起きた時に夢の内容を覚えていなかったので、夢を入れることができませんでした。
ある日、僕はカブトムシを捕まえた夢を見たので、起きた時に夢を入れるビンの蓋を開けて「夢っ!」と言ってビンの蓋を閉めました。

そして、夢を入れたビンを学校の持って行って友達にあげました。
『ありがとう。だけれど、どうやって夢を見るの?』
『寝る時に、ビンの蓋を開けて「夢っ!」と言って寝るといいんだと思うよ。』
『うん、やってみるよ。』

次の日、友達は『言われたとおりやったんだけれど、夢は見なかったよ。』と言いました。
『夢の入れ物はビンだとダメなのかなあ?』
『ビンはダメなんじゃないかなあ?』
『よしっ、今度はジュースの入っていたペットボトルに入れてみようよ。』
『そうだね、ペットボトルならきっと大丈夫だよ。』
『うん、ペットボトルならきっとうまくいくよ。』

夢の交換(1)

2017-11-29 21:10:55 | 童話
僕は学校で昨日見た夢を友達に教えてあげることがあります。
旅行に行った夢、飼っている動物とお話しをした夢、友達と遊んだ夢、大きなカブトムシやクワガタと遊んだ夢、そのほか楽しい夢がいっぱいあります。
そして、友達もたくさんの楽しい夢を見ますが、僕しか知らない夢や、友達しか知らない夢がいっぱい有るので、僕は友達と夢を交換する方法を相談しました。

『僕の見た夢を、何かの入れ物に入れて持って来ることができるといいんだけれどね。』
『そうだね。どんな入れ物だと夢が入れられるのかなあ?』
『キャンディーが入っていたビンに入るかなあ?』
『うん、やってみようよ。』
『だけれど、どうやって夢をビンの中に入れるの?』
『夢を見た朝に、ビンの入口に向って「夢っ!」と言ってビンの蓋を閉めたらどうかなあ?』
『いい考えだね。やってみようよ。』
『今度、夢を見たらやってみようね。』

ほんわか村(4)

2017-11-28 21:45:55 | 童話
ある日人間がやってきて、動物全員と相談をしました。
ほんわか村の森は手入れがされていないので、木が倒れたままになっていたり、草が生い茂っている場所が多く、果物があまり多く取れていません。
それを人間が手入れをして果物の木を植える場所と、動物たちの大好きな野菜を植える場所を作るのです。
そして収穫できた果物や野菜を動物たちと人間とで半分ずつにするという計画でした。
 
しかし動物たちは、森の木は大切なので切っては困ると言い、人間も自然は大切なのでそのままにしておき、使えなくなっている所だけを手入れするということで、動物達と人間とが約束しました。

そして手入れした場所に
『ここは、ほんわか村の農場で、動物と人間とが自然を大切にする農場です。お互いに自然を大切にすることを約束します。』
と書いた看板を立てました。
そして、今も動物達と人間が約束を守りながら農場を大切にしています。

    おしまい

ほんわか村(3)

2017-11-27 21:36:49 | 童話
このほんわか村は赤道近くにあり、寒くはありませんが夏は大変暑いのですが、みんな元気で楽しく暮らしています。

毎日、夕方になると夕立でシャワーのような雨が降りまず。
雨が降るとゾウさんやキリンさんやカバさんのように大きな動物の背中を、チンパンジーさんとミーアキャットさんが洗ってあげます。
小さな動物達はお互いに体を洗ってあげます。しかし、ナマケモノさんは体を洗いません。どうしてでしょうか。

夕立が終るとまた太陽が現われて、動物達を乾かします。
太陽が沈むとそれぞれ自分達の家でグッスリと寝ます。

ほんわか村で困った事がおきた時はみんなで相談して決めます。
暑くて風の強い日に村の森で、山火事が発生するので困っていました。
そして村のみんなで相談して、山火事が発生しそうな時は森の木に水をかける事にしました。その担当はゾウさんに頼みました。

ある日、ミーアキャットさんのお父さんとお母さんが森へ果物を探し行っている時に、ミーアキャットさんの赤ちゃんが居なくなりました。
ミーアキャットさんのお父さんとお母さんが探していると、チンパンジーさんは人間が赤ちゃんを連れて行ってしまったと教えてくれたので、みんなで赤ちゃんを探す事にしました。
キリンさんが長い首で探して歩き、その後をゾウさんがミーアキャットさんのお父さんとお母さんとカピバラさんとチンパンジーさんを背中に乗せて行きました。
やがて、キリンさんが赤ちゃんを連れた人間を見つけて、ゾウさんが人間に向って鼻から水を勢いよく吹き掛けて、赤ちゃんを取り返しました。

ミーアキャットさんのお父さんとお母さんは大変喜びましたが、また人間が来るかも知れないので、村のみんなで相談をしました。  
いろいろな意見が出ましたが、ナマケモノさんの意見をみんなが賛成したので決めました。
それは、村の入口に高い塀を作る事でした。
まず、ゾウさんが森から枯れて倒れた大木を持ってきて順番に立てました。その木をチンパンジーさんが森から持ってきたつる草で結び、最後に入口に大きな看板を取り付けました。その看板には
『ここは動物のほんわか村です。人間は入らないで下さい。』
と書きました。

ほんわか村(2)

2017-11-26 09:02:52 | 童話
村の動物達が次に相談したのは、村の集会場を作る事でした。
今は、みんなが集まって相談する場所が有りません。
みんなで相談して、ゾウさんが森から枯れて倒れた大木を持ってきて、チンパンジーさんがその木をつる草でむすんで高床式にし、バナナの葉っぱを屋根にした涼しい集会場を造りました。
しかし、大きなゾウさんとカバさんは重たいのと、キリンさんは背が高いので集会場の床には乗れません。
仕方がないので、横の地面に座ってもらう事にしました。
しかし、ゾウさんとカバさんとキリンさんの子供はあまり大きくないので、他の動物と一緒に集会場の床に座る事ができるのです。

そして、またみんなで相談して、ほんわか村に学校を作る事にしました。
今度も、ゾウさんが森から木を運んで来て、チンパンジーさんがつる草で結んで、屋根をバナナの葉っぱで作りました。
机やイスも同じようにしてチンパンジーさんがたくさん作りました。

国語の先生はナマケモノさん、算数の先生はチンパンジーさん、理科と図工の先生はカピバラさん、体育の先生はミーアキャットさんが担当する事にしました。
ゾウさんとカバさんとキリンさんは、運動場をいつでも使えるように管理します。

学校は小さな子供のためですので、ゾウさんやカバさんやキリンさんの子供も教室に入れます。
そして、先生による勉強が始まりました。

また、クリスマスとお正月のお祝いも、集会場に子供達を全員集めて、歌や踊りをして楽しみました。
もちろん、歌と踊りの先生はミーアキャットさんで、ピョンピョン、ピョンピョンと上手に飛び跳ねました。
ゾウさんとカバさんの子供も飛び跳ねましたが、足は床に着いたままです。でも、すごく楽しそうでした。

いつもボーとしていておとなしいカピバラさんもチンパンジーさんと一緒にピョンピョンと飛び跳ねました。
みんなダンスが上手でしたが、ナマケモノさんは跳べないので、歌だけ参加しました。