僕の魔法のズボン(1)

2018-03-07 21:34:51 | 童話
僕のズボンは、お兄ちゃんが小さい時に履いていたズボンだ。
ポケットが前に2つ、後に2つ付いていて、後のポケットには模様が付いている。
そして、色は薄いブルーで、カッコいいズボンだ。

お兄ちゃんがこのズボンを履いて、友達と戦隊ごっこをやっている時はカッコ良かった。
僕もこのズボンを履いたから怪獣をやっつけて、カッコ良くなれるかなぁ。

お兄ちゃんは小学校の運動会の時に、このズボンを履いて徒競走で1等賞になった。
僕はまだ小さくて、小学校も幼稚園も行っていないので1等賞は取れない。

お兄ちゃんが遠くまで歩いて遠足に行った時に履いていたのも、このズボンだ。僕も頑張って遠くまで歩いて行けるかなぁ。

お兄ちゃんは剣道を習っていて、僕も一緒に見に行ったことが有る。剣道場まで魔法のズボンを履いて行き、剣道場で稽古着に着替えて剣道の練習をやっていた。
魔法のズボンを履いている時もカッコ良かったが、ズボンを脱いで稽古着の時もカッコ良かった。その時に僕も大きくなったら剣道を始めたいなぁと思っていた。

僕は今この魔法のズボンを履いているが、脚の所が長くて2回折り畳んでいる。お兄ちゃんのように、折り畳まないで履けるようになるのはいつかなぁ?
次の次の日曜日には僕もこのズボンを折り畳まないで履けるかなぁ?

お兄ちゃんもお母さんも、牛乳をたくさん飲むと大きくなれるよと言っているので僕は頑張って牛乳を飲んでいる。
僕も早くお兄ちゃんのようになりたい。