夢のおじさん(5)

2018-03-24 10:00:43 | 童話
そして、僕はずっと歩いて学校に着きました。
すると、友達が
『遅かったね。もう勉強が始まっているよ。』と言いました。
『あれっ、今日は日曜日だよ。』
『ちがうよ、月曜日だよ。』
『だって、ここは日曜日の夢の中だよね。』
『ちがうよ、ここは本当の学校で、今日は月曜日だよ。』
『おかしいなあ、僕はまだ夢の中にいるんだよ。』

そこへ夢のおじさんがやって来ました。
『ゴメンゴメン、夢を作るのを間違えてしまったよ。私と一緒に元の場所まで戻る。』
『うん、いいよ。』

そして、僕と夢のおじさんは高い階段を下りて行きました。
『ここで少し待っていてくれるかい。』
『うん、いいよ。』

しばらくして、おじさんが
『もう夢を直したから階段を上がってもいいよ。』
と言ったので、僕はまた階段を上がって行きました。

そして、草原に居るお猿さんが
『また来たの?』
と言ったので
『さっきは間違っていたんだよ。』
と返事をして、遠くある学校へ歩いて行きました。
だけれど、その学校はキラキラと光っていました。中にいる友達が
『やあ、やっと来たね。』
『君も夢のおじさんに教えてもらったの? 同じだね。』
『今日は何曜日なの?』
『日曜日だよ。』
『ここは夢の中の学校なの?』
『そうだよ、夢の中だよ。』

僕は、夢のおじさんが夢を直してくれて安心しました。
『みんな、朝起きるまで一緒に遊ぼうね。』