霧のおじいさん(1)

2014-09-30 21:30:57 | 童話
霧の朝は不思議だ。

霧の中を歩いていると雲の中にいて、ふんわりと浮かび上がりそうな感じがするんだ。

僕が学校へ歩いて行っている時に右側のクツが脱げた。

あれっ、足の裏に何も当たらない。

今度は左側のクツが脱げたが、やっぱり足の裏に何も当たらないで、ふわふわとしている。

『早く起きないと、学校に遅刻するわよ。』とお母さんに起こされた。

『ああっ、夢か。』

僕の元気君(10)

2014-09-29 21:16:03 | 童話
しばらくして、僕と友達は小学校の卒業式を迎えることになった。
そして、僕の元気君が話し掛けてきた。

『今迄楽しかったね。
君は明日で小学生じゃなくなるから、僕は次の子供の所へ行かなくてはならないんだ。
今迄、いろいろな所へ行ったし、いっぱい楽しい事も有ったよね。
中学生になっても、お父さんやお母さんの言う事を良く聴いて良い子でいるんだよ。
そして、お年寄りや小さい子供に優しくするんだよ。』

『うん、分かった。
今迄すごく楽しかった、ありがとう。
元気君も次の子供の所で頑張ってね。
明日の朝起きた時に居ないと思うので、今バイバイするね。
おやすみなさい。』
              おしまい

僕の元気君(9)

2014-09-28 09:45:22 | 童話
僕達は、『明日は元気君に何になってもらおうか?』と相談した。

『明日は月曜日だから、宿題する時に教えてもらえる先生がいいよ。』
『そうだね。』

ある日、僕はおやつのケーキの大きさで妹とケンカをした。

『僕のケーキの方が妹のより小さいよ。』
『お兄ちゃんのイチゴの方が大きいわ。』
『そんなことないよ、うるさいなぁ。』
『うわ~ん。』

その時、僕のフォークになっていた元気君が、
『兄弟ケンカするのなら居なくなるよ。』
と言ったので、僕はあわてて妹に
『ゴメンね。』
と言って仲直りをした。

僕の元気君(8)

2014-09-27 08:27:52 | 童話
次の日、僕の元気君は赤い色に青色のラインの入ったカッコいいマウンテンバイクになっていた。

『わぁ、カッコいいなぁ。』

公園に行くと友達は、黄色に赤いラインの入ったマウンテンバイクに乗ってきていた。
二人は自分のマウンテンバイクを自慢したが、お互いのマウンテンバイクをカッコいいと思った。

公園からの帰りに、信号待ちしていたお年寄りがいたので、僕と友達はマウンテンバイクから降りて、手を挙げてお年寄りと一緒にゆっくりと信号を渡ってあげた。

僕達はそのお年寄りから、『ありがとうね。』と言われた。

僕の元気君(7)

2014-09-26 21:15:54 | 童話
しばらくしてから友達が遊びにきた。

『僕にも元気君が来たよ。今はね、消しゴムになっているんだ。』

『本当だ、消しゴムが動いている。』

『昨日は鉛筆だったけれど、やっぱり動いていたよ。』

『僕の元気君は消しゴムの時は、お話しはしていたけれど、動かなかったよ。
えっ、僕の元気君も動けるの、なんだ動けるのか。』

『明日、二人の元気君に自転車になってもらって、二人で公園へ行こうか。』
『ああ、いいね。』

『元気君にカッコいいマウンテンバイクになってもらおう。』
『僕もマウンテンバイクがいいな。』

『じゃ、明日ね、バイバイ。』
『バイバイ。』