北極のペンギン(9)

2016-05-31 21:14:41 | 童話
そして、僕は男の人と一緒にテレビ局へ行き、男の人が説明して僕がテレビに出演することになりました。

「ペンギンさんはどうして北極へ行ったんですか?」
「シロクマさんが困っているので、相談するために行ったんだよ。」

「何の相談に行ったんですか?」
「北極の氷が溶けて、シロクマさんがエサを捕れなくて困っているので相談をしに行ったんだよ。」

「相談して、これからどうするのですか?」
「人間のみんなに温室効果ガスを少なくするようにお願いをするんだよ。」

「それでは、ここで人間のみんなにお願いをしてください。」

「人間のみなさん、北極の氷が溶けて、シロクマさんがエサを捕れなくなって困っています。温室効果ガスを少なくするようにお願いします。」

「分りました、みんなで温室効果ガスを少なくするようにしましょう。そして、国連の事務局へ南極代表として会議にペンギンさんが出席できるように、働きかけます。」
「お願いします。」

北極のペンギン(8)

2016-05-30 21:23:24 | 童話
「あれっ、あそこで僕達の写真を写している人がいるよ。」

「なんで北極にペンギンがいるのかなぁ? だけれど、シロクマとペンギンとのベストショットだなあ。 お~い君達、こっちを向いて。」
「ああ、いいよ。こっちを向けばいいの。」
「そうそう、写すよ。」

そして、おじさんはたくさんの写真を写しました。

「ペンギン君はどうして北極にいるの?」
「南極から泳いで来たんだよ。」

「すごいね。シロクマ君とは何を話していたんだい?」
「北極の氷が溶けて大変だから相談していたんだよ。」

「相談してからどうするの?」
「石油をあまり使わなくするように人間に頼むんだよ。」

「よし分かった、この北極でシロクマと話しているペンギンの珍しい写真を持って、私の知っている放送局へ行こうか。そして、この珍しい写真のペンギン君がテレビで人間に頼めばいいんだ。」

「そうできると、僕もシロクマさんもうれしいなあ。」
「よしっ、すぐ飛行機で放送局へ行こう。」
「うん、シロクマさん、行って来るね。」
「ああ、頼むね。氷が溶けるのが少なくなるとうれしいなあ。」

北極のペンギン(7)

2016-05-29 10:06:15 | 童話
どんどん泳いで行くと、海の水は急に冷たくなって遠くに氷が見え始めました。

「あっ、北極はもうすぐだ。」

小さな氷の間を泳いで行くと、氷が大きくなってきました。

シロクマさんはどこかなあ?
あそこのアザラシさんに聞いてみよう。

「ねぇアザラシさん、シロクマさんはいないの?」
「今、お昼ご飯を食べに出掛けているので、もう少しすると帰って来るよ。」
「それでは、この大きな氷の上で待っているね。」
「そうだね。」

「あっ、シロクマさんが帰って来た。」
「やぁ、ペンギンさん、会うのは初めてだね。遠い南極から泳いで来たの?」
「そうだよ。北極は遠いね。それから、シロクマさんは大きいね。」
「そうだね、この北極では一番大きいよ。」

「ねえ、シロクマさん、北極の氷が溶けて北極が小さくなっているって本当なの?」
「ああ、小さくなっているのであまり遠くへ行けなくなってしまったよ。」
「大変だね。」
「そうだよ。」

「どうやれば北極の氷が溶けるのを少なくすることができるのかね?」
「人間がたくさんの石油を燃やして電気を作っているんだけれど、それを少なくして、石油を燃やした時に出る炭酸ガスを少なくするといいんだよ。」

「そうだね、遠くへ行くときは、僕のように泳いだり、シロクマさんのように歩いて行けばいいんだよね。」

北極のペンギン(6)

2016-05-28 09:51:23 | 童話
そして、またどんどん泳いで行くと、今度は水が冷たくなってきました。

もっと泳いで行くと大きな船がたくさん走っていて、その走って行く方には大きな船から荷物を下ろしている港が見えました。

「ここはどこだろう?
遠くにきれいな三角形をした高い山が見えている。
あれっ、あそこは大きな船に荷物を積んでいるよ。
これからどこかへ荷物を運んで行くんだね。
行ってらっしゃい。」

そして、またどんどん泳いで行くと、今度は水がもっと冷たくなってきました。

またたくさんの船が留まっている港が有りました。
ここの船は高い所に電球をいっぱい付けて船の横に網が付いていました。

「わあっ、眩しいなあ。お父さんから聞いたことがあったけれど、夜の暗い所を明るくしてサンマをすくう船らしいね。」

もっと泳いで行くとまた高い所に電球をいっぱい付けて船の横にクルクル回る機械が付いていました。

「わあっ、眩しいなあ。この船もお父さんから聞いたことがあったけれど、夜の暗い所を明るくしてイカを釣る船らしいね。」

「すみません、北極はどっちですか?」
「あっちだけれど遠いよ。」
「ありがとうございます。がんばって行ってきます。」

北極のペンギン(5)

2016-05-27 21:26:56 | 童話
今度は遠くに桜島が噴火している所に来ました。

そして、しばらく泳いでいくと遠くに富士山が見えてきて、もっと泳いでいくと高い鉄塔が見えてきました。

「あれが越冬隊員の人が言っていたスカイツリーなんだ、大きいなあ。」

そして、水の上に顔を出していると暑いので水の中に潜ったままでどんどんと泳いで行きました。

「あれっ、今度は海が狭くなったね。」

僕が水から顔を出すと広い建物の中の丸いプールの中にいました。
そして、たくさんの子供達がイルカのジャンプを見て手をたたいていました。

僕もイルカと同じようにすごいスピードで泳いでジャンプをしましたが、イルカのように高く跳び上がることはできませんでした。
だけれど、たくさんの子供達が僕にも大きな拍手をくれたのでうれしかったです。

そして、イルカのトレーナーの人が、イルカにあげる魚を僕にもくれました。
お魚は大きくてお腹がいっぱいになりました。

僕は、
「ごちそうさま。」
と言って外の海に出て、また一生懸命に泳ぎました。
すると、海の水がもっと温かくなってきて、僕よりも大きな魚がたくさん泳いでいました。

「大きいなあ、お父さんから教えてもらったマグロはこのお魚なんだね。
たくさん泳いでいるし、すごいスピードだね。
速く泳げる僕でも追いつかないや。
あ~あ、泳いで行ってしまったよ。」