石ネズミ(5)

2017-06-30 21:20:55 | 童話
そして、何日もかかって根っこをかじって動かせるようにしました。
「やっと出来上がったね。これから動かすよ。」
「こんな大きいのが動くかなあ?」
「だいじょうぶだよ、動くよ。」
「根っこの下に木の棒を差し込んで、みんなでヨイショッと押すと動くよ。」

こうして、全員でヨイショッ、ヨイショッと押しました。
すると、根っこは少し動いたので
「あっ、動くよ。」
「そうだね、動いたね。」
「よしっ、みんなでドンドン押して行くよ。」
「ヨイショッ、ヨイショッ。」
「ヨイショッ、ヨイショッ。」
「やあっ、たくさん動いたね。あと半分くらいだから、ガンバレ、ガンバレ。」

こうして、たくさんのネズミが力を合せて、お餅をつく場所へ臼を動かして行きました。
「ふぅ~、動かせたね。」
「そうだね、動かせたね。みんなすごいよね。」
「みんなお疲れ様、今日もお弁当が二個あるよ。」
「えっ、二個食べていいの? うれしいなあ。」
「今日はすごく重たかったから、お弁当を2個食べられるのはうれしいねぇ。」
「そうだね、もうお腹がペコペコだよ。」
「いただきま~す。」
「おいしいね。」
「そうだね、おいしいね。」
「あれっ、もう一個目のお弁当を食べてしまったの?」
「うん、これから二個目を食べるんだよ。」
「僕も二個目のお弁当を食べているよ。」
「ああ、おいしかった。」
「お昼ごはんが終ったので、今日も少し休憩しようか。」
「そうだね、午後も忙しいから、少し休憩しようね。」
「お腹がいっぱいだから、少しお昼寝をするね。」
「僕もお昼寝をする。」
そしてまた、みんなでグーグー、グーグー。

石ネズミ(4)

2017-06-29 21:20:03 | 童話
1時間くらいたった頃に、今度はみんなで大きな木を運ぶことになりました。

その時、1匹のネズミがみんなに話しかけているネズミに質問をしました。
「ねえ、僕達は今、何を作っているの?」
「あれっ、知らなかったの? 餅つきを作っているんだよ。」
「ふぅ~ん、だけれど、どうやって餅つきができるの?」
「この大きな石の上に、この大きな木を乗せて、コットンコットンと動かしてお餅をつくんだよ。」
「だけれど、コットンコットンとつくためのお米を入れる所が無いよ。」
「あっ、いけない。忘れていたよ。どうしようか?」
「あそこに有る木の切り株がちょうど良いと思うよ。」
「そうだね。」
「時間がないので、根っこをかじって動かせるようにするのと、切り株の所をかじって、お餅をつけるようにするのを一緒にやるよ。」
「うん、分かった。」

こうして、たくさんのネズミの、半分が根っこをかじり始め、あとの半分のネズミで切り株がおわんの形になるようにかじり始めました。
おわんになる所をカリカリカリ、根っこの所をコリコリコリ。
カリカリカリ、コリコリコリ。
カリカリカリ、コリコリコリ。
カリコリカリコリ、カリコリカリコリカリコリ。
そして、かじってまあ~るくなったおわんの内側を丸い石でトントントントン、トントントントンとたたいてツルツルにしていきました。

石ネズミ(3)

2017-06-28 21:25:41 | 童話
次の日、また河原にネズミがたくさん集まってきました。
「やあ、おはよう。」
「みんなおはよう。」
「おはよう。」
「やあ、今日もみんな元気だね。またがんばろうね。」
そして、いつものように、みんなで石を運び始めました。

「小さい石はここで、大きい石はあそこ。この石は丸いから、ずっと向うだよ。そうそう、その辺だね。」
「あっ、違う違う、細長い石はここだよ。」
「もうお昼になったからお弁当を食べようか。今日はまた普通のお弁当だけれどおいしいよ。」
そして、みんなでワイワイガヤガヤとお話しをしながらお弁当を食べました。
「おいしかったね。」
「うん、普通においしかったね。」
「お昼ごはんが終ったので、少しお昼寝をしようか。」
「そうだね、午後も忙しいから、少しお昼寝をしようね。」
「お腹がいっぱいだから、お昼寝をすると気持ちが良いよね。」
「僕もお昼寝をするね。」そして、今日もみんなでグーグー、グーグー。そしてまた、1時間くらいたった頃に、またみんなで石を運びました。

次の日、また河原にネズミがたくさん集まってきました。
「おはよう。」
「おはよう。」
「おはよう。」
「おはよう。」
「おはよう。」
「おはよう。」
「やあ、今日はたくさん来たね。これだけ多いとがんばれるね。」
今日は、昨日より大きい石を集めるから4匹から5匹で持たないと動かせないよ。
「小さい石は後にして、大きい石を集めるよ。」
「みんなで力を合せて、いっちにっ、いっちにっ。」
「少しずつ動いて来たね。」
「もう少しだよ。いっちにっ、いっちにっ。もう良いよ、ここで。」
「もうお昼になったからお弁当を食べようか。今日は大きな石を運んだから、お弁当は二個食べていいよ。」
「わあっ、うれしいなあ。」
「そうだね、おいしいお弁当を2個も食べられるなんて、うれしいなあ。」
お弁当を二個食べて、お腹がいっぱいになったので、またみんなでグーグー、グーグー。

石ネズミ(2)

2017-06-27 21:33:46 | 童話
そして、今日も暗くなってきたので、石を運ぶのはまた明日にして、みんな帰ることにしました。
「また明日もみんなでがんばろうね。バイバイ。」
こうしてネズミは自分達の巣に帰って行き、河原には丸い石や細長い石も混ざった、小さな石が点々と置かれていました。

次の日も、河原にネズミがたくさん集まってきました。
「おはよう。」
「おはよう。」
「おはよう。」
「やあ、今日もみんな元気だね。またがんばろうね。」
「今日は少し大きな石も集めようか。その小さい石はここで、この大きい石はあそこで、重たいから二匹で持ってね。あの石は小さくて丸いから、ずっと向うだよ。そうそう、その辺だね。」
「あっ、違う違う、大きくて重たい石はここだよ。」
「もうお昼になったからお弁当を食べようか。今日のお弁当は、普通のお弁当だよ。だけれど、昨日のお弁当と同じくらいおいしいよ。」
「もうお昼になったからお弁当を食べようか。」

そして、みんなでワイワイガヤガヤとお話しをしながら、おいしいお弁当を食べました。
「昨日のお弁当よりおいしかったね。」
「うん、すごくおいしかったね。」
「お昼ごはんが終ったので、少し休憩しようか。」
「そうだね、午後も忙しいから、少し休憩しようね。」
「お腹がいっぱいだから、少しお昼寝をするね。」
「僕もお昼寝をする。」そしてまた、みんなでグーグー、グーグー。

1時間くらいたった頃に、またみんなで石を運び始めました。
「ペッタンコの石はここで、おまんじゅうのように丸い石はあそこ。このカエルに似ている石はずっと向うだよ。そうそう、そこだよ。」
「あっ、違う違う、サイコロみたいな四角い石はこっちだよ。」
「みんなが良くがんばってくれたから、今日もこれで終りにしようか。」「また明日もみんなでがんばろうね。バイバイ。」
こうしてネズミはまた自分達の巣に帰って行き、河原にはたくさんの石が置かれていました。
「あと十日間か、がんばらないと間に合わないなあ。」

石ネズミ(1)

2017-06-26 21:12:01 | 童話
「お~い、がんばれ。」
「重たいなぁ。」
「重たくてもがんばれ。」
「白い石はここで、黒い石はあっち。この石は灰色と黒い色が混ざっているからあの辺だね。」
「あっ、違う違う、茶色の石はこっちだよ。」
「みんなが良くがんばってくれたから、今日はこれで終りにしようか。」
「また明日もみんなでがんばろうね。バイバイ。」

こうしてネズミは自分達の巣に帰って行き、河原には小さな石が点々と置かれていました。
「あと一ヶ月か、がんばらないと間に合わないなあ。」
次の日、また河原にネズミがたくさん集まってきました。
「おはよう。」
「おはよう。」
「おはよう。」
「やあ、みんな元気だね。今日もがんばろうね。」
「小さい石はここで、大きい石はあそこ。この石は丸いから、ずっと向うだよ。そうそう、その辺だね。」
「あっ、違う違う、細長い石はここだよ。」
「もうお昼になったからお弁当を食べようか。今日のお弁当は、特別なお弁当だからおいしいよ。」
そして、みんなでワイワイガヤガヤとお話しをしながらお弁当を食べました。
「おいしかったね。」
「うん、すごくおいしかったね。」
「お昼ごはんが終ったので、少し休憩しようか。」
「そうだね、午後も忙しいから、少し休憩しようね。」
「お腹がいっぱいだから、少しお昼寝をするね。」
「僕もお昼寝をする。」
そして、みんなでグーグー、グーグー。

1時間くらいたった頃に、またみんなで石を運び始めました。
「それは三角形の石だから、あの黒い石の右側だね。そうそう、そこだよ。」
「あっ、違う違う、その四角い石は細長い黒い石の左側だよ。」
「やっと半分くらいできてきたね。」
「えっ、まだ半分なの?」
「そうだよ。」
「早く完成させたいね。」
「そうだね、まだがんばらないといけないね。」