KONASUKEの部屋

最近はすっかり昆虫ブログと化してます(笑)
生物のこと、笠間のこと、時々政治

ホソミイトトンボ再び230505・0617・0621

2023年06月23日 | トンボ目
ホソミイトトンボ。

昨年7/1に、笠間市内で偶然撮影して。
茨城県では2019年に初記録された種であることを、拙ブログで紹介しました。

果たして、単なる偶然だったのか?
定着しているのか?
今度は動かぬ証拠を掴もうと。
狙ってたんですよ。
そして・・・

今年5/5、近くのスギ林に潜んでいるのを発見!
越冬成虫です。
少なくともこの場所では定着しつつあることを確認できました。
また、捕獲して「ミュージアムパーク茨城県自然博物館」に送りました。

学芸員さんによると、昨年から急に、県内各地から発見報告が相次いでいるとのこと。
定着の初期の記録として、貴重であるとのお言葉を頂きました。

さらに・・・

6/17、同所で越冬成虫♂を追加発見!

さらにさらに・・・

6/21、市内の別の池でも夏型♂を発見!
二つの地点は直線距離で5km以上離れており、市内の広範囲に生息している可能性があります。

同所同日に写した、この羽化直後のイトトンボはもしや、夏型♀では?
そうなると、ここですでに繁殖している可能性があります!
ここで発見したのは偶然ですが。
もう1カ所くらい探してみて、居るとなれば、その三角形の範囲内には居る可能性が高まります。
この夏、そして来年の春への宿題ですね。

また、ほぼ同じ時期に越冬型と夏型がいるということは。
下の説明にもある、越冬成虫✕夏型というカップリングがまれにある、という話が信ぴょう性を帯びてきますね。

ところで、越冬成虫と夏型の違いですが。

越冬成虫は、肩の縦条が細い。
また、中脚脛節~ふ節が全体に黒い。

夏型は、肩の縦条が太い。
中脚脛節~ふ節が部分的に黒い。

RDB:
絶滅危惧Ⅰ類…千葉県、石川県
絶滅危惧Ⅱ類…長野県
準絶滅危惧種…福井県、大阪府、香川県、島根県
情報不足…神奈川県
分類:
トンボ目均翅亜目イトトンボ科アオモンイトトンボ亜科
大きさ:
全長:♂30~38mm、♀31~38mm
夏型の腹長:24~28mm
越冬型の腹長:28~32mm
後翅長:15~22mm
分布:
本州(新潟県、栃木県が北限・東限)、四国、九州
※茨城県つくば市で2019、2020年に採集記録あり
平地~丘陵・止水性
成虫の見られる時期:
通年(年2化・夏型は6~9月、越冬型は8月から翌年6月まで)
成虫で冬越し
エサ:
成虫・・・小型の飛翔昆虫
幼虫・・・ミジンコ類、水棲の昆虫の幼虫
その他:
オツネントンボ、ホソミオツネントンボとともに、成虫で越冬するトンボ。
上記2種はアオイトトンボ科であるが、本種はイトトンボ科で唯一、成虫越冬する。
夏型はやや小型で初夏~秋に、越冬型は秋~翌年春に出現。
中型のイトトンボで腹部が非常に細長く、左右の眼後紋が後頭条とつながり、大きく目立つ。
未成熟なうちは淡褐色の地に黒色の斑紋があり、成熟すると褐色部分が越冬型は鮮やかな青色に、夏型は淡青緑色に変化する。
抽水植物が繁茂し挺水植物の多い池沼や湿地、緩やかな流れ、水田の周辺で見られる。
底質は砂、あるいは泥、水質はやや濁った陸水。
周辺の草丈が低く、明るい環境を好む。
羽化は直立型。
羽化直後の未熟な個体は、♂♀ともに水辺を離れ、林内で栄養飛翔する。
成熟した♂は水辺に戻り、植物の茎などに止まって縄張りを作り、♀を待つ。
縄張りは静止占有型、交尾は静止型。
連結したまま水面付近の抽水植物の茎などに産卵する。
♂は直立して♀を警護する。
潜水産卵、♀単独産卵もある。
越冬中は、日当たりの良い崖下の枯草や根に止まってじっとしている。
気温が高い日は飛んで摂食も行う。
卵期は1~3週間程度、幼虫期間は1~2か月程度。
幼虫は4~9月に見られる。
幼虫は抽水植物・沈水植物の水中部分にしがみついた状態で生活する。
終齢幼虫は体長12mm内外、側尾鰓長5~5.5mm。
淡緑色~褐色の小型のヤゴで、斑紋はほとんどない。
腹部腹面各節の後縁中央に黒褐色紋が並ぶ。
尾鰓の先端が尖っていて、中央文節がない。
卵はタマゴコバチ科の一種に寄生される。
日本固有種。
関東地方では近年、確認記録が増えており、今後も増えることが予想される。
参考:
ポケット図鑑日本の昆虫1400②(文一総合出版)
茨城県からホソミイトトンボ(トンボ目、イトトンボ科)を初記録
茨城県つくば市におけるホソミイトトンボ(トンボ目、イトトンボ科)の追加記録
かたつむりの自然観撮記
虫ナビ
yagopedia
デジタルトンボ図鑑
トンボフィールド観察記
昆虫エクスプローラ
岐阜聖徳学園大学教育学部川上研究室
ホタルの独り言Part2
近畿地方のトンボ雑記
飛ぶ宝石・トンボの世界
自然観察雑記帳
ZUKAN
スモールズー
An Artless Riverside
日本のレッドデータ検索システム
special Thanks:
「days gone by」さん


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