この本は、詩人加島祥造が『老子道徳教』八十一章の英訳版に出会って驚き、二千五百年前の老子の言葉を、「生動するいまの言葉」で表現した本です。
この文庫版あとがきにこう書かれています。
<詩を書いたり英米詩を愛好したりする性向だったので、『老子』八十一章をすばらしい「詩」だ、それも古風な漢詩ではなくて、トップクラスの現代詩だと感じたのです。>
八十一章の中からひとつ抜き書き。
第9章 さっさとリタイアする
弓をいっぱいに引きしぼったら
あとは放つばかりだ。
盃に酒をいっぱいついだら
あとはこぼれるばかりだ。
うんと鋭く研いだ刃物は
長持ちしないーすぐ鈍くなる。
金貨や宝石を倉にいっぱい詰めこんでも
税金か詐欺か馬鹿息子で消えてなくなる。
富や名誉で威張る人間は
あとでかならず悪口を言われるのさ。
何もかもぎりぎりまでやらないで
自分のやるべきことが終わったら
さっさとリタイアするのがいいんだ。
それが天の道に沿うことなんだ。
この文庫版あとがきにこう書かれています。
<詩を書いたり英米詩を愛好したりする性向だったので、『老子』八十一章をすばらしい「詩」だ、それも古風な漢詩ではなくて、トップクラスの現代詩だと感じたのです。>
八十一章の中からひとつ抜き書き。
第9章 さっさとリタイアする
弓をいっぱいに引きしぼったら
あとは放つばかりだ。
盃に酒をいっぱいついだら
あとはこぼれるばかりだ。
うんと鋭く研いだ刃物は
長持ちしないーすぐ鈍くなる。
金貨や宝石を倉にいっぱい詰めこんでも
税金か詐欺か馬鹿息子で消えてなくなる。
富や名誉で威張る人間は
あとでかならず悪口を言われるのさ。
何もかもぎりぎりまでやらないで
自分のやるべきことが終わったら
さっさとリタイアするのがいいんだ。
それが天の道に沿うことなんだ。
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