この本は、今年43歳になった内澤旬子さんが、38歳の時に乳癌に罹患したことがきっかけで身体と心に起こった様々な変化を、独特の乾いた感性で書いた、とてもおもしろい本でした。
<はじめに>から抜粋。
まさか四十過ぎの老いの入り口に、しかも全身麻酔の手術を何度も受けている間にこんな大転換があるとは思いもせず、一体自分の身体に何が起きたのかと大いにとまどってもいるのだ。
同年代の友人たちが体調の悪化や老化を憂いているときに、なんか癌なのに元気になっちゃったんだよ、と大騒ぎしていてちょっと申し訳ない気すらするのだが、これまでの暗黒の身体状態に比べれば、顔に皺の一つや二つ増えるくらいの表面劣化なぞ、さほど気にならないというだけのことにすぎない。
というような病気とともに変化していった身体と心の一切合切を、行きつ戻りつ遡り思い出しつつ、これから書き綴ることとなります。
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