爛漫日記

インターネット古書店 独楽知の、春爛漫ではなくて、秋爛漫?の日記です。

映画『ボブ・デュラン ノー・ディレクション・ホーム』

2010-04-22 11:59:25 | 映画
4月初めに上京した時、渋谷のイメージ・フォーラムで見た、マーティン・スコセッシ監督の長いドキュメンタリー映画。

いろいろな質問に答える60才を超えたボブ・デュランの姿の間に、時代のニュースを入れながら、若いボブ・デュランの魅力的な映像がたくさん見られて、とても興味深かった。
スコセッシ監督が言っているように、この映画は「あるアーティストの成長と、彼のしてきた選択の数々が見られる」のが、おもしろかった。
皺の多い現在のボブ・デュランの顔と、ぴちぴちしたほっぺたの若いボブ・デュランの顔の対比がよかった。


ボブ・デュランに詳しくない私は、この映画を見て、以前に見た『アイム・ノット・ゼア』(監督トッド・ヘインズ)の謎が解けた。
実在のボブ・デュランの人格を投影した「6人のデュラン」が繰り広げる「6つの物語」という不思議な映画の意味がやっとわかった。



変わらない人も魅力的ですが、こんな風に変わり続ける人もまた魅力的だなあと感じました。
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隅田川の桜

2010-04-08 21:30:01 | trip
4月3日、東京にいる娘を訪ねながら、隅田川の桜見物。



隅田川には屋形船がいっぱい。


桜には青空が合うね。




桜の向こうに建設中の東京スカイツリーが見える。




隅田公園の中の牛島神社の境内からは、まっすぐ眺められたよ。


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須賀敦子『ミラノ 霧の風景』

2010-04-06 20:14:23 | 私の本
須賀敦子が13年間過ごしたイタリアについて書いたのは、日本に帰ってきて20年経ってからである。
組み立てられた文章の中から映像が浮かび上がってくるような、いくつかの美しいエッセイを残して、あっという間に亡くなってしまった須賀敦子の、最初のエッセイ。

須賀敦子の文章が好きで何度も読んだことがある本だけど、今度初めてフィレンツェとヴェネツィアに出かけてから読んだら、地名や雰囲気が以前よりずっと鮮明に頭に浮かんだので、あらためて感動した。


ー「舞台のうえのヴェネツィア」からー

須賀敦子は、「世にも不思議としか言いようのない虚構の賑わいと、それとはうらはらな没落の憂鬱にみちたこの島」と表現しているヴェネツィアを、こんな風にとらえてみせた。

「ヴェネツィアという島全体が、たえず興業中のひとつの大きな演劇空間に他ならないのだ。」

「サン・マルコ寺院のきらびやかなモザイク、夕陽にかがやく潟の漣、橋のたもとで囀るように喋る女たち、リアルト橋のうえで澱んだ水を眺める若い男女たち、これらはみな世界劇場の舞台装置なのではないか。ヴェネツィアを訪れる観光客は、サンタ・ルチア駅に着いたとたんに、この芝居に組み込まれてしまう。自分たちは見物しているつもりでも、実は彼らはヴェネツィアに見られているのかもしれない。」と。



ヴェネツィアは、また行きたい。
サンタ・ルチア駅に着いて、ヴェネツィアの芝居に組み込まれたい。
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