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12・8 「日米開戦の真実」 -大川周明- 佐藤優

2006-12-08 23:36:31 | 国際・政治

<iframe align="left" marginwidth="0" marginheight="0" src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=truthofsilkro-22&amp;o=9&amp;p=8&amp;l=as1&amp;asins=409389731X&amp;fc1=000000&amp;IS2=1&amp;lt1=_blank&amp;lc1=0000FF&amp;bc1=000000&amp;bg1=FFFFFF&amp;f=ifr" frameborder="0" scrolling="yes" style="WIDTH: 120px; HEIGHT: 160px"> </iframe>1940年12月8日 66年前の今日 日本は真珠湾攻撃、マラヤ、コタバル上陸等をおこなっていわゆる大東亜戦争が開戦した。
今日この日に取り上げるのはその戦争のイデオローグであると英米にとらえられていた大川周明の開戦時のラジオ番組、後に書物としてベストセラーとなっていた、「米英東亜侵略史」を再録した「日米開戦の真実」である。
大川周明といえば右翼の運動家、極東軍事裁判での奇行、東条英機の禿頭を後ろからこずいたり、パジャマで出廷したりした事等が記録映画等で知られ、第二次世界大戦後はA級戦犯容疑者(不起訴)としての扱いでほとんど顧みられることはない存在であったといわれる。
一般に第2次世界大戦後、「日本国民は独裁的な軍部にだまされ、勝ち目のない戦争に突入してしまった。一般の日本人は戦争被害者であった。」というのが伝えられてきた「神話」である。それはいわゆる中国の「二分論」とも一致する。
しかし、真実はそうではなく日本国民はあの対米英戦争の論理は大川周明のラジオ放送によって日本国民に対して説明がされていた。
「米英東亜侵略史」は「米国東亜侵略史」と「英国東亜侵略史」に分けられ、以下に米英が中国、インドなどアジアを侵略、侵奪していったかを国名に実証的に告発した内容となっている。そして今回の大東亜共栄圏の実現によるアジアの解放という戦争の大義が説明されたのである。「鬼畜米英」というのは単なるコピー、スローガンではなかったのである。
佐藤優はこの「米英東亜侵略史」に大川周明の人物像と合わせ明解にその論理を解説する。日本軍部は大川が桜会事件や5.15事件の首謀者の一人であったにもかかわらず前科者の彼にこの仕事を任せた。それほど彼は当時の知識人の中で一流の人物だったのである。佐藤は現在の日本の外交政策の行き詰まりは第二次大戦前の状況と酷似しており大川周明の論理をテキストとして読みこなし自国の論理と主張を行うために大川を読み解く必要があると結論付ける。
その大川の論理と佐藤の解説については読んでいただくとして、ここで取り上げるのは大川周明が戦前のイスラーム研究の第一人者であったということがあるからである。大川は東京帝国大学文学部では宗教学を専攻していたが卒業後イスラム教研究にも取り組んでいた。晩年にはクルアーンの日本語訳をも成し遂げる。満鉄東亜経済調査局時代には1922年に発表された「復興アジアの諸問題」で当時早くもイスラムとソヴィエトの動向に注目していた。
そして大川の思想に大きな影響を与えたといわれるロシアのウラジミール・ソロヴィヨフという人がいるのである。
そのソロビィヨフの1900年に発表された「反キリスト物語」という小説が佐藤の本で紹介されているが、これは石原莞爾の「世界最終戦争論」にも影響を与えたといわれる。その内容は――――
19世紀末から日本が汎モンゴル主義を提唱し始め、20世紀初頭日本と中国が連合し、二代目の新帝国の皇帝が400万人の軍隊をインドを攻略するために新疆ウイグルに侵攻する、しかし突然方向を変え中央アジアに兵を進めウラルを越えヨーロッパに攻め入りロシア本土を支配に置く――――――。
こういう書きだして始まっているという。しかし、最後に日中連合がヨーロッパを征服したりまたその逆の結果になっているわけでなくソロヴィヨフは地域的な戦争の結果、世界が多元的に支配されることを語りたかったとされる。
大川はこのソロヴィヨフの多元主義的な世界観を高く評価し、またその中でイスラームが西欧の資本主義やソ連の社会主義に対抗可能な普遍的世界を構成することを見抜き研究を続けていたというのである。
大川を現代によみがえらせ研究すべきであるというのが佐藤の考え。それはもちろんこの世界の勢力が拮抗する新疆ウイグルを含む中央アジアへの注目ということとなる。当ブログがこの本を紹介した理由である。

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