藤田けい☆幸せブログ

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さよなら、小さいおうち

2020年06月24日 | 日記
今朝、一仕事終えたその足でスーパーへ。

途中に、なんとなく好きな路地があり
そこを通りたくて、わざわざ遠回り。。。
なんせ、私の楽しみは、家や街並みウオッチングですから~( ´艸`)

その路地には、住人には一度もお目にかかったことがないけれど
良い雰囲気が漂う日本家屋が一軒あって。
こじんまりとしたお庭と、古びた家屋の、落ち着いた雰囲気が
絶妙なのです。

とくに、小さくて狭いお庭が
いかにも居心地が良さそうで、年季の入った
手入れの行き届いた感じがします。

飛び石が配置され、その周りをこんもりと苔が囲み
松やヤツデ、アオキなど馴染みのある植物ばかりの植栽ですが
いつもプロの植木屋さんの手で
丁寧に刈り込まれ、しっとり老成した庭でした。

なんでこんなに心惹かれるのだろう?と
自分の庭の参考にしたくて、観察していました(笑)

家の中は、いつも静かで声は聞こえませんでしたが
門の周りの掃除も行き届き
平和で幸せそうな雰囲気が漂っているので
勝手に、品のいい老夫婦が暮らしているのだと
想像しながら、お宅の前を歩いていました。


今朝、当の家の変わり果てた姿にビックリ ( ゚Д゚)

家は無残にも一部壊され、庭木が電動ノコギリで次々伐採され
門前のトラックの荷台に積み上げられていました。

木がなくなった庭の土地は、
想像以上に狭くて。。。
計算された植木の配置が、
庭にあれだけの奥行きを見せていたのだと分かりました。

長い年月をかけて育ててきた庭も
修繕して手をかけてきた住み心地良さげな家も
一瞬で消え去り、更地になってしまうのですね。

老夫婦が、仲睦まじく静かに長く暮らしたこの地に(←あくまで妄想です)
モダンなデザインの、明るい家が建ち
越してきた若い夫婦が、また新しい歴史を刻むのでしょう。

どんなに私が気に入っている路地も
ずっとそのままであるワケないのです。
景観保護地区でもない限り、家々は取り壊され
どんどん新陳代謝していくのですね。

一度もお会いできないままのお別れは寂しいけれど、
ここで人生の大半を、幸せに暮らされたのだと想像します。
そんな優しい記憶を刻む土地ですから、
きっと今度も幸せな人達が、引き寄せられてくるに違いありません。

縁もゆかりもありませんが、
なんとなくこの小さな土地の行く末が、気になる私なのでした。