こぐま経済研究所ブログ

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投信ウォッチ ラサール・グローバルREIT 米の投資対象が下落

2011-10-04 22:08:38 | 日記
グローバル不動産投資信託(REIT)型ファンドの中で、純資産総額最大を誇る日興アセットマネジメントの「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」の運用成績が急速に悪化している。9月の月報によれば、分配金(税引き前)を再投資して計算した1年の騰落率こそ6.85%のプラスを維持しているものの、3カ月の騰落率がマイナス11.58%になるなど他の期間は軒並み低迷している。

投資対象である不動産投信の価格が大幅に下落したことが大きい。過去1年の不動産投信分の基準価額を3カ月ごとにみると、2011年3~5月までぷらすだったが、直近の同6~8月に大幅なマイナスに転じている。グラフは地域別に要因分解したものだ。投資配分の5割強を占める米国不動産投信の下落幅が大きいのが最大の要因だ。さらに、外国為替市場で円高が急激に進んだことも、運用成績の悪化を加速したようである。

分配金については1万口あたり毎月70円を継続しているものの、組み入れ不動産投信の予想分配金利回りファンド全体で4.16%。基準価額が下落している分、利回りは上昇しているが、9月末の基準価格3408円をベースに1カ月当たりの分配金収入の概算値を計算すると12円。毎月の分配金である70円の2割も賄えていないことになる。

(後略)

日経 4日夕刊
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最近の純設定額の上位に顔を出す、ラサール・グローバルREIT。ハイ・リターンを求める個人投資家の受け皿となった商品の一つです。ここにきて、欧米の金融不安や強烈な円高の影響を受けて、運用成績が悪化しています。にも関わらず、資金流出を恐れる運用会社は、何とか定額分配金を死守しようとしています。そのため、本来の運用成績から支払える部分はわずかとなり、分配金原資はもっぱら純資産の取り崩しです。分配準備積立金や収益調整金など分配金の原資に使える準備金で賄えれば問題ないのかもしれませんが、収益性の悪化は事実です。この状態が続けば、いずれ準備金も底をつき、分配金減額も避けられなくなります。