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小金沢ライブラリー

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マンガ感想-『Q.E.D.証明終了 35』加藤元浩

2013年11月10日 | マンガ感想
「二人の容疑者」★★★ 6
~あらすじ~
運送会社の社長が殴られ金庫が荒らされた。
二人の社員が容疑者として浮かび上がるが、どちらも決め手に欠ける。
水原警部に憧れる新米刑事の浅間は捜査に張り切り、燈馬に助言を求めるが……。

~感想~
暴走気味の新米刑事に振り回され……ず、冷徹に状況を見つめ、目から鱗の一言で事件の様相を一変させる燈馬が、論理の鋭さはともかく完全に上から目線なのが素敵。小鳩君かお前は。
読者からすれば話の展開=真犯人はバレバレの流れながら、燈馬がどう事件を反転させるかの興味と、論理の綺麗さで最後まで引っ張ってくれる。一方で浅間刑事の出番は、小鳩君に対する彼のようにこの回限りだろうか。


「クリスマス・プレゼント」★★★☆ 7
~あらすじ~
演劇部のクリスマス公演の直前、何かとトラブルを巻き起こす部長の失態により大勢の部員が去り、公演の開催が危ぶまれる。
それを嗅ぎつけたやはりトラブルには事欠かないミステリ同好会の面々が協力を申し出、会員と見なされている燈馬と可奈も当然のように巻き込まれる。
燈馬はミステリ劇の脚本を任され、同好会のクイーン会長は主演を務めるが、次々とトラブルに見舞われる。

~感想~
誰も年をとらないサザエさんシステムの本作だが、これで何回目のクリスマスだろうか。
燈馬の書いた作中作のトリックが理系の彼らしからぬド本格の脱力トリックなのはご愛嬌として、意外な犯人には驚かされた。可奈とクイーンに関する手掛かりはどうかと思うが。
しかしそんな諸々よりも白眉は可奈の最後の一言であろう。タイトルとも連関しそういう話だったのかと納得させる見事な締めである。
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マンガ感想-『Q.E.D.証明終了 34』加藤元浩

2013年11月09日 | マンガ感想
「災厄の男の結婚」★★☆ 5
~あらすじ~
燈馬らに数々の災厄をもたらしてきた億万長者アランが結婚した。
だがそれを機に設立した慈善団体が開発銀行の起こしたトラブルに巻き込まれる。
はたして開発銀行は難民キャンプで何を起こしたのか? 無事に挙式を終えるため燈馬らは奔走する。

~感想~
いっこうに進展しない燈馬と可奈の関係が象徴的だが、時間経過に乏しい物語の中でアランの結婚という動きがあったのは面白い。
しかしトリックは単なる雑学程度で、挙式までに解決するというタイムリミットもいまいち盛り上がらず。事件自体も大きすぎて後味の悪さを残したか。
アランらしいセリフの数々や、ラスト1ページ前、この場に同席している優を省いてあのカップル(?)たちが映されるのはにやりとさせられるのだが。


「母也堂」★★★☆ 7
~あらすじ~
資産家の祖母に引き取られ田舎に引っ越した可奈の旧友を訪ねた燈馬ら。
だがその一昨日、旧友の離婚した父は鍵のかけられた車内で腹部を撃たれ死亡していた。
助手席から撃たれたように見えるが、それならば犯人はいかにして脱出したのか。燈馬は「これは殺人ではなく選択」だと語るが……。

~感想~
二つ起こる殺人のうち後者はちょっとうまく行きすぎだが(成功すれば儲けもの程度の扱いなのでストーリー的には問題ない)、前者の密室事件は乱暴に言えば、ごくごく単純な事象を不可能状況に見せかける手腕が光る。
それにしても無くてもいいような見取り図を活かした手掛かりを配する丁寧さには吹いた。こういった細かい仕事がこのシリーズを随一のミステリ漫画たらしめているのだろう。
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龍騎兵団ダンザルブ 第7話 迷いの森、ロムゾ

2013年11月08日 | ダンザルブ


MISSON 6 迷いの森、ロムゾ





その日、マシューは朝から胸騒ぎを覚えていた。





その不安を裏付けるように新たな任務が下された。







作戦には四体目のドラゴンが配備されるという。
っていうか細菌兵器使ってんのかよお前ら……。






なにはともあれロムゾ森林地帯に降り立ったマシューたち。
道中で破壊されたモノロイドからパーツを回収しつつ進んでいくと、





グリーンドラゴンのパイロットにして本作のヒロイン、ラナ・ムーと合流する。









ラナとマシューは墜落した輸送機の行方を不思議な力で感じ取っていた。
特殊な訓練を受けているラナはまだしも、平凡な学生だったはずの自分になぜそんな力があるのだろうかとマシューはいぶかしむ。





ちなみにグリーンドラゴンは命中率の低さに定評のあるミサイルが主武装で、アタッカーとしてはいまいち。回復や補助に回すのが吉だ。





墜落した輸送機のもとにたどり着くが、そこにはダマイア軍のキース・レンジャーが先回りしていた。









キースはラナに対抗心を見せる一方で、マシューをディスる。









そしてキースはヒソカのようなことを言い残し去ってしまう。





任務は失敗。だがマシューはキースに会った途端、胸騒ぎが静まったことに気づく。









ヒロインと新たなドラゴンの登場。キースとの因縁。そしてマシューの過去と初恋と、多くの伏線が張られた回であった。
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スカトロ

2013年11月07日 | 拾い物
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衝動

2013年11月06日 | 拾い物
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ミステリ感想-『水の時計』初野晴

2013年11月05日 | ミステリ感想
~あらすじ~
暴走族の幹部・高村昴は傷害事件で逮捕される寸前、老執事めいた男に一千万円の報酬である仕事を依頼される。
月夜の晩にだけ言葉を発することのできる脳死状態の少女・葉月の願いにより、彼女の臓器を必要とする人に分け与えよというのだ。
それができるのは葉月が選んだ同年代の、そして警察の追跡や渋滞を回避し短時間で臓器を届けられる独自のシステムを持つ昴だけだった。

~感想~
横溝正史ミステリ大賞を受賞した作者のデビュー作。一読、惜しい!
導入部は完璧だ。こんなの面白いに決まっている。あらすじからして卑怯ではないか。だが第一章を読み終え、膨らみに膨らんだ期待を上回りはしなかった。
ここからは完全にいちゃもんだが、臓器を必要とする人々の個々のエピソードにしろ、昴と暴走族グループとの決着、昴と葉月の関係、物語の結末にしろ、全てがあと一歩足りない印象を受けた。
後の傑作「1/2の騎士」のように各短編それぞれがミステリとして物語として十全の強度を持っているわけではなく、連作短編(のような形式)として意外な真相も持っておらず、舞台設定の面白さや、あらすじの時点で約束された期待値を超えるには至らなかったのが実に惜しい。
おそらくこれがデビュー作ではなく、数作ものして経験を上積みしてからの作品であれば、「1/2の騎士」のように傑作と成り得ただろう。だがこの時点の作者にはそこまでの力が無かったのだ。勝手な望みだが現在の作者がリメイクしてくれれば、はるかに上回る完成度になるだろうと確信している。

それにしても今作の刊行が、つまりデビューから11年も経過しているとは驚いた。大袈裟に言えば世界はいつまで初野晴を放っているのか。別に一般的な評価を受け、ベストセラーになることだけが作家の名誉ではないが、もっと初野晴という名前が広く知られることを願うばかりである。


13.11.5
評価:★★★☆ 7
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冷めるだけ

2013年11月04日 | 拾い物
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マンガ感想-『Q.E.D.証明終了 33』加藤元浩

2013年11月03日 | マンガ感想
「パラドックスの部屋」★★★ 6
~あらすじ~
離婚したばかりの一人暮らしの男が死体で発見された。警察が自殺か病死だと判断する中、別れた元妻は「正義漢だった彼は組織に殺された」と言い募る。
しかし男の旧友は「普通の男の自殺」と、浮気相手は「危険な男がクスリで病死」と三者三様の主張をする。はたして男の正体は?

~感想~
魅力的な謎がニコリのパズルに落ちるも、印象に残るラストで佳作に引き上げられた。
その手際は見事ながら、この作者なら解決そのものも、もっとうまく付けられたのではと期待し過ぎたか。


「推理小説家殺人事件」★★★ 6
~あらすじ~
推理小説家が自宅の風呂で溺死し、警察は事故死と判断した。
彼は死の前、同業の友人4人に居酒屋で「事故死と判断される風呂場での殺人トリック」を語っていた。
しかしその時に語られたトリックは密室ではなかったが、実際の現場は施錠されていた。

~感想~
容疑者が推理作家ばかりで、居酒屋トークが実現するという設定自体がもう面白い。
犯人限定のロジックは言葉尻をとらえた程度のもので証拠に乏しいし、溺死トリックがそこまで魅力的に見えないのはご愛嬌だが。
あと某先生が友情(?)出演しているのでてっきり容疑者Xの年くらいの作品かと思ったら、4年も後の掲載だったのには笑った。4年どころか8年経った今でもアレは言われ続けるのだなあ。
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ご老人を見舞う中国の役人だそうです

2013年11月02日 | 拾い物
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11月の新刊情報 ※12/1更新

2013年11月01日 | ミステリ界隈
1日 新潮文庫
貫井徳郎 灰色の虹
恩田陸 隅の風景
北村薫 飲めば都

6日 小学館文庫
東川篤哉 謎解きはディナーのあとで 2

7日 講談社ノベルス
石崎幸二 鏡の城の美女
倉知淳 シュークリーム・パニック ―Wクリーム―
森博嗣 キウイγは時計仕掛け
西尾維新 悲報伝

8日 文春文庫
柴田よしき 恋雨
石持浅海 ブックジャングル
柳広司 ロマンス

8日 光文社文庫
大倉崇裕 丑三つ時から夜明けまで

8日 PHP文庫
蒼井上鷹 人生相談は真夜中のバーで

15日 講談社文庫
高里椎奈 ダウスに堕ちた星と嘘 薬屋探偵怪奇譚

20日 東京創元社
相沢沙呼 卯月の雪のレター・レター

25日 角川文庫
初野晴 千年ジュリエット
三津田信三 禍家
大沢在昌 アルバイト・アイ 毒を解け
殊能将之他リレー小説 9の扉

25日 原書房
青井夏海 からくりランドのプリンセス

26日 集英社
京極夏彦 書楼弔堂 破暁

28日 創元推理文庫
梓崎優 叫びと祈り
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