小金沢ライブラリー

ミステリ感想以外はサイトへ移行しました

今週のキン肉マン #391 鉾VS鉾の終焉!!

2022年08月22日 | 今週のキン肉マン
・決着するタイトルだ
・立ち上がるバーザーカー
・さすがに動揺したがすぐさま構えるアシュラマンいいねえ
・相手を称えるために死力を尽くし立ち上がったバーザーカー負けてなお良いキャラだった
・ザ・ナチュラルが認めないまま死んだりサタンクロスの犠牲が全く意味なかったけど
・サンシャインとバーザーカーが最高の立ち回りだったしタッグ戦は面白かった
・前の試合と比べれば雲泥の(前の試合のことは忘れよ)
・サンシャインは死んだが超人全勝がさらに近づいた
・本当に2人、そして6人の姿が見えさらに未来も見えた
・バーザーカー本当に良いマイクするなあ!
・ザ・マンも悪魔将軍との戦いのさなかに始祖全員の姿を見たのだろう
・真の試練(次シリーズ)はここから
・無様に転がったままのザ・ナチュラルさん…
・余韻を全て吹っ飛ばすまさかのスクリュー・キッド
・そしてスクリュー・キッド調査団とかいうパワーワード
・スクリュー・キッドが生きてることも聞いてないのに調査団がいてしかも壊滅してるwwwww
・キン肉マンは死んでる奴が特に説明なく出てきてサプライズを演出できる稀有のマンガ
・普通のマンガならこれピークア・ブーの役目だからね
・この異常な煽り文が単行本では消されるのもったいない
コメント

ミステリ感想-『放課後の嘘つきたち』酒井田寛太郎

2022年08月20日 | ミステリ感想
~あらすじ~
ボクシングでジュニア世界選手権を制した蔵元修は、怪我によるリハビリ中、幼馴染の白瀬麻琴の頼みで部活連絡会を手伝うことになり、修と同じく特待生で天才戯曲家の御堂慎司と知り合う。
修には転校前のボクシング部で、決して忘れられないトラウマがあり…。


~感想~
これは良い青春ミステリ。連作短編集の形式で、「テストで特定の部活が高得点を上げる理由」「事故で重傷を負った生徒の幽霊」「映画コンテスト出展作品の不可解な編集」という魅力的な謎も描かれる。
真相は少しわかりやすく小粒ながら、謎解きは伏線を活かして切れ味鋭く、いずれもただでは終わらず新たな謎が現れるのも上手いところ。
中でも「映画コンテスト出展作品の不可解な編集」を描いた「ワンラウンド・カフェ」は小粒どころか謎と真相と推理ががっちり結合する高い強度の傑作で、年間ベストに採り上げられても不思議でないほど。
そしてなんといっても最終作「穏やかで暖かい場所」とエピローグで、これしかないタイトルへと収斂して行き、青春ミステリとして素晴らしい結実を見せてくれた。ミステリファンのみならずラノベファンにもちょっと読んで欲しい佳作である。


22.8.20
評価:★★★☆ 7
コメント

ミステリ感想-『超巨大密室殺人事件』二宮敦人

2022年08月15日 | ミステリ感想
~あらすじ~
被害者の顔を偏執的に破壊する殺人鬼「顔無し」が跋扈する中、仁奈の友人で大富豪の引きこもりの照は、MMO内で結婚を約束した相手をアカウント殺しのマーダーに殺されたと憤る。
仁奈もMMOに誘われ、データ分析を得意とするルカと知り合い、やがて顔無しの魔の手は仁奈の周囲に及ぶ。


~感想~
角川ホラー文庫から刊行されたのが不思議なほど丁寧に構築された本格ミステリ。
現実の「顔無し」とMMOの「マーダー」の事件が期待通りに交錯し、現実とMMOの両面で捜査が進む。
ちなみにタイトルの「超巨大密室」はネットの広大な世界を指しているがあまり内容と絡まず上手くないのは内緒だ。
しかし「顔無し」の捜査法と「マーダー」対策がMMOならではのもので、そこに現実の顔とネットの顔にまつわる煩悶のほうは上手く絡み、精緻に張られた伏線できっちり真相と犯人を導き出すのは実に達者。
登場人物が少なすぎて役割を当てはめていくとそれぞれの正体は容易にわかってしまうが、媒体はあくまでもホラーであり、そこまで厳密な本格ミステリを求めるのは野暮な話。しかしホラーとして見れば破格の本格ミステリなことは間違いなく、少しも話題にならなかったのが不思議な佳作である。


22.8.15
評価:★★★☆ 7
コメント

ミステリ感想-『密室殺人講座』水野泰治

2022年08月11日 | ミステリ感想
~あらすじ~
推理作家の折羽垂太郎は懇意にしている6人を集め、施錠された地下室に72時間閉じ籠もる「密室殺人講座」を開催。だが6人はそれぞれ折羽への恨みを抱えており、開始早々に折羽は密室で死体となって発見される。


~感想~
序盤で作者は登場人物の口を借り「小説全体がパズルなんです。さりげない描写や会話のなかに謎を解くキーワードを隠すから、それを見落とすまいとして、注意深く読み進んでゆく。最後の章になって、なんと大逆転で、読者がアッとおどろき、感服する結末になれば、この謎かけは作家の勝ちですよ」と言わせるが、それがそのまま本作の評価となる。
事件は立て続けにではなくじっくり一つ一つ起こり、そのたびに詳細な検討と推理合戦が繰り返され、可能性が着々と潰されていく。その果てにたどり着く真相は、良くできてはいるものの実のところ面白いものではない。だがそこからが本番で、残りページはほんのわずかしかないのに、言われてみればもっともな伏線が一気に開示されるとともに、事件の様相がガラッと変わってしまう。そして電光石火の結末まで一息に駆け抜け、読者は前述の言葉通りに、作者の勝ちを認めざるを得ないだろう。
すでに30年以上のキャリアを持つ作者だが、本作は1990年に講談社ノベルスから刊行と、麻耶雄嵩のデビューより1年早いいわゆる新本格ミステリの真っ只中に出されたもので、濃厚な新本格ミステリの風格が漂う秀作である。


22.8.11
評価:★★★☆ 7
コメント

ミステリ感想-『猟犬探偵』稲見一良

2022年08月09日 | ミステリ感想
~あらすじと感想~
1994年このミス5位

傑作中編「セント・メリーのリボン」に登場した猟犬専門の探偵・竜門卓と相棒ジャックが短編集の主役として独り立ち。
猟犬に留まらずトナカイや馬も行きがかり上探し、鋭い推理とジャックの鼻で手掛かりを見つけ、チンピラや犯罪者やヤクザを瞬殺して回る期待通りの出来栄え。
正直「セント・メリーのリボン」を上回るものは無かったが、その後日談やシリーズに期待する水準には充分。ただ最終作がほろ苦い結末なのと、作者逝去により竜門卓の過去や未来が描かれることがなくなってしまったのは残念でならない。このシリーズはもし続けられていれば確実に「セント・メリーのリボン」を超え、ハードボイルドに新たな地平を切り拓いたに違いないのだから。


22.8.8
評価:★★★☆ 7
コメント

今週のキン肉マン #390 悪魔6対神1!!

2022年08月08日 | 今週のキン肉マン
・ならば6人まとめて片付けるだけと全くひるまないバーザーカー
・サンシャインがいなくなってからのこの試合MVPの立ち回り
・アシュラマンがテンパってるからバーザーカーで大人で良かった
・また腕を束ねて捕まえやすくしてしまうアシュラマン
・何度同じことを繰り返すんだお前は
・地獄行きなら願ったり叶ったりは良いマイクの応酬
・クソ力で強引に跳ね返し阿修羅バスター
・ジャンクハンド突き刺したww
・刺す前に友情パワーでキラッとしてるけどそれ関係なく鋭利なだけだろww
・阿修羅バスターの邪魔だと思っていたジャンクハンドにぶっ刺すという使い道があったとは
・サンシャインの握力でさらに固定
・改良阿修羅バスターはロックが固い分ダメージが弱まる設定があるが、六騎士阿修羅バスターはそれを克服した
・さすがに決着だろう
・ジャスティスマンなら立ち上がってくるけど
・バーザーカーがジャスティスマンではないことを祈ろう
コメント

ミステリ感想-『殺しの双曲線』西村京太郎

2022年08月07日 | ミステリ感想
~あらすじ~
雪の山荘へ招かれた6人の招待客が次々と殺されていく。
作者は言う。「この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです。読者にフェアに挑戦したいので、ここにトリックを明らかにしたわけです」


~感想~
冒頭で双子トリックだと明かし、作中では再三にわたり不朽の名作「そして誰もいなくなった」に言及し自作をなぞらえる大胆不敵さに見合った、無駄も隙もない傑作ミステリ。
雪の山荘の連続殺人と、DNA鑑定で双子が識別できない時代ならではのガバガバ強盗事件が並行で描かれ、もちろん次第に連関していく。
山荘の事件は謎のマークによる犯行声明、密室、雪の孤島化、犯行とともに減っていくアイテム等々の本格ガジェットに満ち溢れるが、ただのケレン味ではなく全てが緻密な計画に基づ、本当に無駄もなければ隙もない。予告された双子トリックは警戒してもなお驚かされるもので、特に(これを言ってしまっても大丈夫なのがすごいのだが)双子入れ替わりトリックの巧みさと周到さが素晴らしい。
加えて被害者をつなぐミッシングトリックや動機、そして最後の最後のとどめの一撃が後に作者が転身する社会派ミステリの風格であるのも面白いところ。
近年に刊行された新装版の表紙ではくだんのトリック予告が大々的に書かれたのも最高にロックで、本格・社会派の融合した評判に違わぬ傑作である。

余談だが犯人はたぶん全ミステリの中で「やることが…やることが多い…!!」さではベスト3に入ると思う。


22.8.7
評価:★★★★ 8
コメント

ミステリ感想-『一つ屋根の下の探偵たち』森川智喜

2022年08月05日 | ミステリ感想
~あらすじ~
暗証番号を知っている数字錠が内から掛けられた、不完全な密室で男は餓死した。
ハウスシェアをする二人の探偵、努力型の町井と閃き型の天火が、アリとキリギリスに擬せられた事件で推理合戦に挑む。


~感想~
密室で餓死した男の足元にはアリの巣のような穴が空いており、アリの巣の前での餓死からアリとキリギリスに擬せられ、二人の探偵もコツコツ努力型の町井がアリ、寝てばかりだが天才的な閃き型の天火がキリギリスに喩えられる。物語ももちろんアリとキリギリスに絡められ、推理合戦の行方も面白い。
町井の微に入り細を穿つ地道な調査と、安楽椅子探偵めいた天火の推理が対比されるが、手掛かり自体はかなりあからさまで、天火の推理も言われてみればもっともな、読者も時には簡単に気が付きうるものばかりで、事件も密室一つきりと意外と小粒に見えるかもしれない。
だが肝心のメイントリックが破壊力抜群で、これまで力ずくのトリックやパワータイプの密室をいくつも見てきたが、その中でも強引なやり口ではトップクラスの代物で、真相が明かされるや爆笑した。
このトリックだけでも一読の価値がある、トリック分類的なもので特殊な例の一つとして挙げられかねない、ある意味でミステリ史の何かに残るもので、バカミスファンにもぜひおすすめしたい。


22.8.2
評価:★★★★ 8
コメント

ミステリ感想-『罪色の環-リジャッジメント-』仁科裕貴

2022年08月04日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「首絞めピエロ」に脅迫され連続殺人を自供した音羽奏一は、冤罪を訴え無罪を勝ち取るが、世間の冷たい目にさらされる。
そんな彼が孤島にさらわれ、日当400万円で裁判員裁判を模した疑似裁判ゲームに挑まされる。
ゲームの真の目的は? 審理される事件の真相とは?


~感想~
本格ミステリ的な連続殺人鬼に人生を狂わされた共感覚の主人公が、逆転裁判的にデスゲーム的な審理で解決したはずの事件の真相を暴くという、色んな作品のいいとこどり的な意欲作。
「罪の色が見える」共感覚が使われるのが序盤も序盤だけだったり、特に必要ないキャッキャウフフが描かれたりと粗い面も多々あるが、推理の鋭さと中盤で明らかになる物語の構図の面白さはガチで、欠点を補って余りある。
特に最後の事件の真相は、その後の要素も含めてある有名作品を強烈に思い起こさせはするものの、好アレンジかつ斬新な切り口で、バカミス一歩手前で読者を驚嘆させるのに成功している。
逆転裁判的なデスゲーム的な楽しさに、しっかりした推理と討論が加わった素晴らしいミステリで、もっと話題になってもおかしくなかったのだが、やはりラノベ媒体は不利なのだろうか。


22.8.1
評価:★★★★ 8
コメント

ミステリ感想-『殺人ウイルスを追え』深谷忠記

2022年08月03日 | ミステリ感想
~あらすじ~
東京でエボラ出血熱の感染者が発見され、第一次感染者と思われる赤毛の女の行方を警察は追う。
国立微生物医学研究所ではウイルスの漏出が疑われ、それを探っていた新聞記者も襲われ、事態は混沌としていく。


~感想~
加点方式、あるいは減点方式で採点すれば間違いなく90点を超える、高い完成度を誇る良作。
タイトルとあらすじだけ見るとパンデミック・パニックが始まりそうだが、エボラ出血熱はさほど蔓延せず、感染経路をたどる捜査と推理が丹念に描かれる。
一見地味なそれが実に読ませ、新聞記者、刑事、医研の所員らがそれぞれの視点から事件を追い、各自の持つ手掛かりが次第につながっていくのが実に上手い。
終盤にはそれまで見えていた巨大なミスディレクションの陰から意外な真相が現れ、それとともに犯人の正体や犯行の契機が豊富な伏線に支えられ浮かび上がるのだからたまらない。
専門家も舌を巻くほどの確かな知識にも裏打ちされた、丁寧な仕事ぶりの光る良作である。


22.7.30
評価:★★★☆ 7
コメント