ミステリ感想－『林真紅郎と五つの謎』乾くるみ

～収録作品～
いちばん奥の個室
ひいらぎ駅の怪事件
陽炎のように
過去から来た暗号
雪とボウガンのパズル


～感想～
『いちばん奥の個室』
必要な情報があとから出るのはわずかに不満も、そつない。

『ひいらぎ駅の怪事件』
（ネタバレ→）　風　をここまで利用したトリックも珍しい。舌を巻いたのは末尾のセリフ。いやはやあそこまで意味があるとは。

『陽炎のように』
愉快にして強引なトリック。いちいちに説明を付けたのがうまい。

『過去から来た暗号』
全編暗号物もここまでやればお手上げ（忙しい方のために解読結果→つぎのおいしゃさんごっこ。かんじゃはきよちゃんでどう。ごくみのいろのしろいこ。それでいいならぐっさんもさそう）。

『雪とボウガンのパズル』
パズルというか牽強付会。あんなもの（ネタバレ→エスパルス）まで手がかりだったとは驚かされるが。


～総括～
乾くるみらしさはまったく見えないが、そつなくまとめた端正な秀作集。
都会的でスタイリッシュとか呼んでみたくなる。全然違うけど。


04.9.5
評価：★★★☆　７

ミステリ感想－『地球平面委員会』浦賀和宏

～あらすじ～
サークルの勧誘でにぎわう校内で見たのは、
「新委員募集中。あなたも信じてみませんか。地球が平面であることを」と書かれたビラを校舎の屋上からまく女の子。
部室を尋ねたその日から僕の周囲で事件が次々と起き始める。


～感想～
遊び心にあふれた……というか遊び心だけで書かれた一作。
真相の衝撃はやや薄も、最後の1ページがにやりとさせる。


04.9.5
評価：★★☆　５