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ミステリ感想-『人狼城の恐怖』二階堂黎人

1998年09月20日 | ミステリ感想
      



~あらすじ~
<第1部 ドイツ編>
独仏国境の険しい渓谷の上に屹立する双子の古城「人狼城」。
ドイツ側“銀の狼城”に招かれた10人の客に用意されていたのは、凄惨な殺戮の宴だった。
二重に閉ざされた密室での首切り、中世の石弓による射殺。
謎と伝説に彩られた古城に隠された秘密とは?

<第2部 フランス編>
フランス側“青の狼城”を訪れた社交サロンのメンバーは、
酸鼻きわまる連続殺人の犠牲となっていく。
恐るべき殺戮をくり返す神出鬼没の殺人鬼「人狼」の正体は?

<第3部 探偵編>
人狼城殺人事件解決のため、名探偵・二階堂蘭子は欧州へ飛んだ。だが、
人狼城からの唯一の生還者は人格を破壊され、有力な証人は何者かによって命を絶たれていた。
蘭子が鋭敏な推理力から看破した、犠牲者たちをつなぐ“失われた環”とは?

<第4部 完結編>
ついに死屍累々たる“人狼城”に足を踏み入れた二階堂蘭子。彼女を迎える真犯人とは?
その想像を絶する殺人動機とは? 不可能を可能ならしめた驚天動地の大トリックとは?

このミス9位、本ミス1位


~感想~
ミステリ史上に残る偉業にして大傑作。
二階堂氏特有の、大げさすぎる描写と大時代すぎる設定が、この分量になってついに不自然でなくなったような。
ヒント編と解決編だけで1冊ずつ書けてしまう圧倒的な迫力。
山ほどの小トリックが1つの大トリックを支えるために存在する。一大エンターテインメント。
これはもはや「人狼城の恐怖」というジャンルだと言っても過言ではない。
本格マニア必読!


評価:★★★★★ 10
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