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オカルト三国志  劉表の死にまつわる怪異

2019年05月07日 | オカルト三国志
「捜神記」に曰く。
建安初期(196年頃)、荊州に「8、9年の間に衰え始め、13年になると一人も残らない」という童謡が流行した。
荊州は長く戦火に巻き込まれず、劉表(りゅうひょう)が州牧に就任してからはさらに平和を謳歌していた。だが建安8~9年に掛けて劉表の妻や、古参の家臣が亡くなり、建安13年(208年)には劉表も死に、家臣は攻めてきた曹操にみんな降伏し誰も残らない、という予言だった。

荊州南郡華容県のある夫人が突然泣き叫び「襄陽(荊州の都)で大事件が起こる」と言った。不吉な流言飛語と見なされ彼女は逮捕・投獄された。一月ほど後、夫人は「劉表様が今日亡くなった」と言った。数百里離れた襄陽へ人をやって確かめると、確かに劉表は死んでいたため、予言と認められ夫人は釈放された。
彼女はその後「李立(りりつ)が貴人になるとは意外だ」と言った。間もなく、李立が荊州の刺史に任命された。

「世説新語」に曰く。
太康年間(280~289)に劉表の墓が発掘された。死後80年ほど経っているにもかかわらず、彼と妻の遺体はまるで生きているようで、棺が開くとかぐわしい香りが数里に渡って広がったという。
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