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Kobby loves 埼玉&レッズ

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フラット3の原風景(1997年トヨタカップ)

2008-05-29 20:05:56 | ワールドサッカー
1997年当時、フランスW杯予選で当時の加茂監督が中東対策で3バックを導入したとき、3バックは守備的という意識がありました。リベロの井原は常に最後尾に構え、その前にいるストッパー二人は相手FWにマンツーマンでつきました。従来の4-4-2から3-5-2に変える際に、攻撃的MFを一人下げてDFを入れたのですから、なおさらそう思います。

そんな意識は、のちのトルシエ監督のフラット3で、一気に塗り替えられるのですが、その前に1997年のトヨタカップで見たドルトムントも、守備的でない3バックとして印象的でした。もともと3-5-2は、ドイツ代表がW杯で初めて世界レベルに進化させた戦術で、両アウトサイドの攻撃参加の数が4-4-2より増やせるというのが売り物の戦術でした。

しかし、日本に導入されると、両アウトサイドが守備的になってしまい5バックのようになってしまいました。そのため、3バックのドルトムントも、リベロのザマーが負傷でいなかったこともあって、守備的なチームと思っていました。

しかし、ドルトムントの3バックは、トルシエ監督のフラット3を一足先に見たようなインパクトがありました。まず、リベロのファイアージンガーの位置が高く、最終ラインを浅くキープしていました。両立しないと思っていた、3バックとコンパクトな中盤を見事に両立させていましたし、オフサイドも積極的に取りに行っていました。

また、3バックはDF同士で役割を入れ替えないという私の先入観も塗り替えられました。アウトサイドが下がってストッパーの位置に入って、逆サイドのストッパーを攻撃参加させたり、ストッパーとリベロが役割を入れ替えてサイドへ行ったりと、流動的な最終ラインでした。

当時の対戦相手のクルゼイロ(ブラジル)は、トヨタカップの1試合限定で他チームから3人の選手を掻き集めた急造チームでした。そのため、一糸乱れぬ組織力を見せたドルトムントの前に、有効な攻撃の形を作れませんでした。

当時のドイツ代表MFのアンドレアス・メラーがいた攻撃陣も豪華だったチームでしたが、今覚えているのは守備のことばかりです。のちに、トルシエ監督がワールドユースでフラット3の完成型を見せたときに、この日のドルトムントを思い出しました。
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