内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

唯一の具体的現実は、生命としての統一性である ― ジルベール・シモンドンを読む(81)

2016-05-28 08:23:11 | 哲学

 以下は、昨日読んだ冒頭の段落の次の段落の意訳である。
 個体性の水準の多様性という問題にいくらかでも明瞭な解決策をもたらすためには、個体化の諸水準を計測する尺度を規定するのが望ましいことは言うまでもない。しかし、個体性の程度は、たとえ同じ種内であっても、環境によって可変的であるから、その個体性を絶対的に計測することは困難である。このような条件下では、個体化がその中で実行される現実のタイプを規定することが必要になってくる。つまり、生命としての統一性を内包したシステム全体の中で有機的組織化の程度が一定であるとき、個体化がどのような動的体制と交換可能状態にあるかを言えなくてはならないということである。そうすることができれば、個体性の程度を計測することができるようになるであろう。
 上記のような方法的要請に従うとき、有機的組織化の諸システムにおける統合の研究が有効になってくる。有機的組織化は、個々の生物内において、あるいは、異なった諸存在間の有機的関係によって、実行されうる。後者の場合、内的統合は、一個の生物内で、外的統合によって二重化されている。つまり、その生物個体は集団に統合される。
 唯一の具体的現実は、生命としての統一性である。その統一性は、ある場合には、ただ一生物に還元されうるが、別のある場合には、多数の生物からなり、それら個々とははっきりと識別されうる集団という形を取る。



































































最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
要するに5σですね。 (franoma)
2016-05-28 16:15:36
何故だか不明でも、
いろいろ検査…知能検査だの学力検査だのをしたときに、ガウス分布になりますが、
その際、5σ=“bad samples” として切り捨てられるマイノリティは、その良し悪しは別として「個体化」が進んでいると言っても良いかも知れませんよ。
返信する

コメントを投稿