内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

『雪月花のことば辞典』(角川ソフィア文庫)― 今月の文庫新刊より

2021-01-29 23:59:59 | 読游摘録

 先日来の雪に誘われて、角川ソフィア文庫の今月の新刊『雪月花のことば辞典』(宇田川眞人=編著)を購入しました。「人々の心情と文化、歴史が結晶した雪月花のことば全2471語を三部構成にして収録。古今東西の自然と暮らし、祭りと習俗、詩歌や伝説に触れながら、詩情あふれることばとの出会いを愉しめる、極上の辞典」というのがその宣伝文句です。極上かどうかはわかりませんが、読んで愉しい辞典です。巻頭の編著者のことばはこう結ばれています。

 本書を繙くことによって、読者の皆さまはカプセルからあふれ出した古人の床しい心根や失われた美しい風景、詩情あふれることばの数々に際会することができるかもしれません。第一頁から巻末へとたどる通常の読書とは異なる、また必要な語彙の意味だけを検索する普通の辞書とは違う、たまたま開いたページで巡り合ったことばとの偶然の出会いを愉しむような、気ままな拾い読みに身を任せていただけたらと思います。

 私が購入したのは電子書籍版で、こうした気ままな拾い読みににはあまり適していません。それでも、目次に網羅されているコラムのタイトルをタップすれば該当ページに飛んでいけます。そのコラムの前後にあいうえお順に並んだ言葉にも目が行きます。例えば、「雪と氷の境目」と題されたコラムの直後に「玉塵」(ぎょくじん)という言葉が置かれています。「雪を意味する雅語。舞い落ちる雪片を白玉に削りくずの塵と言いなした。「玉屑」ともいう」と説明されています。知らない言葉でした。こんな小さな発見が随所で楽しめる辞書です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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