内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

「夏休み日記(2)海外在住日本人のすべてが海外で「活躍」しているわけではない」

2019-08-04 15:15:40 | 雑感

 在仏二十三年になるから、私はいわゆる海外在住者です。
 海外にしばらく暮らしている日本人を紹介するときによく使われる紋切り型に「海外で活躍されている〇〇さん」という表現がありますね。正直、イラッとくる。なぜかって? 私は、ただ単にフランスに長く暮らしているだけの話で、少しも「活躍」などしていないからです。もちろん「暗躍」もしていません。平凡に細々と暮らしているに過ぎません。想像するに、海外在住者の大半がそうなのであって、人並みの暮らしが何とかできているというだけのことでしょう。
 その人並みの暮らしさえできていない場合もある一方、最初から滞在期間が決まっている企業や役所からの長期海外出張は、たとえ数年暮らそうが仮住まいに過ぎません。暮らす国の国情、滞在理由・身分、所得等々、海外生活の条件は様々です。それらを無視して、十把一絡げに「活躍」という一語を〇〇の一つ覚えみたいに繰り返すメディア(だけではないが)って、ほんとうに〇〇じゃないのって思います。といっても、別にメディアに恨みがあるわけではなく、まあ、どーでもいいんですけどね。かねてより気になっていたことなので、一言書かせていただきました。これでスッキリしたので、もう二度と話題にしません。