コツコツと骨トレで、骨密度増強とアンチエイジングを目指しましょう。
一般に、骨には以下の比率で3種類の細胞があります。
1.骨細胞 90%
2.破骨細胞 9%
3.骨芽細胞 1%
⭐️加齢とともに、破骨細胞が優勢になります。
⭐️骨芽細胞には、骨を作る以外に出すホルモン2つあります。
A.オステオカルシン
記憶力・筋力・生殖力の維持に関わります。
骨芽細胞を活性化させ、破骨細胞の働きを抑える機能があります(米コロンビア大学のゼラール博士、2007年)。
血管、膵臓にも作用して、動脈硬化、糖尿病も防いでくれます。
B.オステオポンチン
免疫力の維持に関わります。
A.オステオカルシン
オステオカルシンは、骨への物理的刺激により骨芽細胞が活性化されると、分泌量が増えます。
骨への適度な負荷や刺激を加える運動をすること、日常の食生活を工夫することなどでオステオカルシンは増やすことができます。
オステオカルシン効能7つ
1. 血糖値の上昇を抑えて糖尿病を予防
膵臓の働きを高めインスリンの合成・分泌を増やし、血糖値の上昇を抑えます。さらに、インスリンの働きを高める脂肪組織でのアディポネクチン(長寿ホルモン)の分泌も促進します。
2. 記憶力や認知機能を改善
脳神経細胞ニューロンを活性化させ、認知機能の増大が確認されています。記憶力の上昇や、認知症予防の期待が出来ます。
3. 男性ホルモン増加
男性ホルモンであるテストステロンの分泌促進させます。テストステロンは筋肉の増大や骨の形成を促す作用があり、肉体を活動的にするともに、社会性や競争心、リスクをいとわない冒険心が高まることが報告されています。女性の場合は、全身にアロマターゼがあるので、一部女性ホルモンに変換されます。
4. 筋肉増強
骨格筋を増やし、筋肉のエネルギー効率を高めます。サルコペニア(筋力減少)を予防し、筋肉から分泌されるアンチエイジングホルモンにより健康寿命を伸ばす効果が期待されます。
5. メタボを予防
脂肪を燃焼させてエネルギーにする体内メカニズムを活性化させます。メタボリックシンドロームの予防、改善効果が期待出来ます。
6. 活性酸素の産生を減らし、免疫力を上げる
ミトコンドリアでの活性酸素の過剰産生は、細胞を攻撃し、老化や生活習慣病の一因となります。その産生を抑えることで、アンチエイジングや免疫機能の向上が期待できます。
7. しなやかな血管をつくる
一酸化窒素(NO)の産生を活性化することで血管を弛緩させ、しなやかで丈夫な血管をつくり、動脈硬化や心疾患を予防する働きをします。
https://www.cbc.co.jp/bonolive/osteocalcin/
このように、オステオカルシンは骨粗鬆症予防だけでなく、肝臓、腎臓、膵臓、脳が若返る、筋肉増強、血管の若返り、男性ホルモン増強、その他もろもろの若返りホルモンであり、骨トレで分泌を促す事が出来ます。
https://www.japanclinic.co.jp/counseling/detail.php?id=147
B.オステオポンチン
免疫機能を高めるオステオポンチンについて。
骨芽細胞の出すもう一つのホルモンがオステオポンチンです。骨芽細胞だけでなく、体のいろいろな細胞からも放出されていて、さまざまな働きをしています。
骨芽細胞が出すオステオポンチンは、骨髄に存在する「造血幹細胞」の機能を若く保ち、全身の免疫力を活性化する働きがあります。
⭐️負の造骨信号のスクレロスチン
かたや、骨に「衝撃」がかからない生活を続けていると、骨細胞がスクレロスチンをたくさん出して、骨芽細胞の数を減らし、骨の建設を休憩させてしまうことが、分かってきました。
ちなみに、骨量減少が見られる方(成人以上)に、1日30分のジャンプ運動を週3回、1年間継続したところ、9割以上の方で、骨量増加と、さらに骨形成のブレーキ役(スクレロスチン)の量も減少したという報告があります。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_533.html
https://www.mikuriya-dental.com/spr/sports-to-grow-taller/
つまり、スクレロスチン発生抑えるためには、ジャンプ運動して骨への刺激を与えるといいのです。骨芽細胞を増やし、全身を若くする効果もあるということ。
⭐️最後にオステオカルシンを増強する方法
1.骨トレと、2.食事術に大別されます。
1.骨トレとは?
(骨を健康に保ち続けるにはどうすればいいのか?)
骨をつくるためには、『骨に衝撃を与え、骨細胞を働かせること』が必要です。
骨に衝撃がかかると…
①骨細胞が衝撃を感知(骨細胞は全身に数百億個あります)
②骨細胞は、「骨をつくるのをやめよう」というブレーキ役のメッセージ物質の量を減らし、「骨をつくって」と働きかけるメッセージ物質を発する
③そのメッセージに伴い、骨芽細胞が増える
④骨芽細胞が骨形成を行う
一例として、骨量減少が見られる方(成人以上)に、1日30分のジャンプ運動を週3回、1年間継続したところ、9割以上の方で、骨量増加と、さらに骨形成のブレーキ役(スクレロスチン)の量も減少したという研究があります。
または、1日2回10回ずつジャンプするだけでも、同様の効果がでます。
このように、骨は私たちが活動的に動いている限りは、骨細胞の衝撃感知から始まる一連の流れの骨の形成と併せて、骨芽細胞からもメッセージ物質を出し、若さを保ってくれます。
継続的に骨に刺激を与える運動をし続けることが大事と言えます。
骨という観点でみると、衝撃がかかるかどうかが大切なので、上下動の激しいランニングやジャンプ運動が大事で、自転車運動、ウォーキングではダメです。
骨のつくり替えを促し、若さを保つためには、骨に衝撃がかかるかどうかが大切なので、積極的にジャンプ運動(階段昇降)などをしましょう!
膝の悪い方、高齢の方の骨トレの一例
⭐️かかと落とし、足踏みを一日に30回する。
⭐️椅子に座って膝を交互にあげて踵から落とす運動を30回ほどする。
⭐️歩くときは、かかとを先に地面に落とすように意識して前に進む。
肝心なのは、体に適度な衝撃を与えること、まだまだ若さを保たないとと思わせることです。
ものぐさな方へのお勧め⭐️
階段を下りる習慣づけです。
2週間でオステオカルシンの濃度が1・5倍程度に増える運動になります。
継続して続けると高い数値をキープできるので、頑張っていきましょう。
注意点
1日2回の10回ジャンプは、毎日ジョギングをしている人にもお勧めで、タッカー博士によると、ランニングとジョギングではジャンプほど骨密度が改善しないとの事。
⭐️付録
骨密度を増やす運動は、衝撃運動の他に、スクワットなどの荷重運動、ダンベル、強いゴムを使ったチューブトレーニングなど(筋肉の収縮とともに骨が引っ張られる)があります。
全身の骨は5年で生まれ変わるほど、とても代謝が盛んな臓器です。
オステオカルシンはこの様に手軽な運動で手に入れられるアンチエイジングに有効なホルモンです。
最後にもう一度、オステオカルシンの効果は、以下の通りです。
1.認知機能UP
2.コラーゲン合成UP
3.脂肪肝予防
4.動脈硬化予防
5.腎機能UP
6.筋力UP
7.腸での栄養吸収UP
8.糖尿病予防
老化予防にかかせないホルモンの一つと言えます
2.骨を鍛える食事術
骨を鍛えるには、カルシウム、ビタミンD、たんぱく質などを食事で摂ることも大切です。
🌟食事での注意点
「カルシウム」-チーズ、ヨーグルト
「タンパク質」肉や魚
「ビタミンⅮ」【シャケの切り身】サンマ、イワシ
⭐️タンパク質
骨を作るにはカルシウムだけでなく、コラーゲンも大事です。コラーゲンは、たんぱく質からできていて、合成には鉄とビタミンCが大切。赤身肉や赤身魚などとビタミンC豊富な野菜も一緒に摂取しましょう。
⭐️ビタミンK
骨を作るたんぱく質の一種「オステオカルシン」の活性化をサポートするのが、ビタミンK。緑黄色野菜に多く含まれているので、肉や野菜と一緒に取ると効果的です。納豆などにも多く含まれています。
⭐️マグネシウム
骨に入るカルシウム量を調整するのがマグネシウムの役割です。不足すると骨がうまくカルシウムを取り込めなくなります。ナッツ類や木綿豆腐のほか、青のりや昆布、干しエビ、ココアなどにも多く含まれています。
⭐️カルシウム
骨がスカスカになるのを予防し、骨密度を上げるのがカルシウムです。チーズのカルシウムは牛乳の約6倍。骨ごと食べられる小魚、ヒジキ、わかめなどはカルシウムと一緒にミネラルも摂取できます。
⭐️ビタミンD
紫外線を避けていると体内で作られるビタミンDが不足しがち。キクラゲやシラスのほかサケやイワシ、サンマなどにも多く含まれています。腸内でカルシウムの吸収を助け、骨への沈着をサポート。食材からだとなかなか摂取できないので、サプリやビタミンDオイルを摂取もいいでしょう
付記
豆乳+ココア
ココアに含まれるマグネシウムにより、カルシウムの吸収がアップされます。!豆乳のカルシウムは牛乳に比べ少ないですが大豆イソフラボンが魅力。そこでココアをプラスすると飲みやすくなるだけでなく、マグネシウムの効果でカルシウムの吸収率アップの相乗効果が。