敗戦後まもない日本階級闘争において、日本共産党がもっていた「権威と吸引力の絶大さ」について、同時代を生きた人間でないと理解しがたい点はあります。議会の中にいたりすると、日本共産党議員団が表で言っていることと裏でやっていることの落差がよくわかりますし、彼らと住民運動・労働運動の現場で真面目に活動している党員との落差もすごいですから。当時の「権威と吸引力」に抗して、反スターリン主義を思想的にも、運動的にも、組織的にも構築していくということは、根底からの自己変革を必要とする営為だったことでしょう。綱領的な優位性を喧伝しているだけでは、事は進まなかっただろうから。誰々が、何々派が成し遂げたというものではなく、草創期の革命的共産主義者同盟や60年安保ブントの青年・学生の苦闘が撚り合わされて成ったものなんだろうと思うのです。