北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」

元杉並区議会議員(2007-2011)北島邦彦の活動日誌 e-mail kjmirai@jcom.home.ne.jp

読売新聞の裁判員制度報道

2009年04月14日 | 日記
ここ数日、読売新聞が裁判員制度についての特集を大きなスペースをとってやっています。模擬裁判についての報道ですが、その論調に特徴的なことを感じました。ひとことで言うと、「素人判断で誤った判断をしそうになっても、そこは冷静なプロの裁判官が適切なアドバイスをくれて救ってくれる」といったものです。たとえば、「被害者遺族の感情を考えればより重い刑が…」と素人の裁判員が口々に言うのを、プロの裁判官が「被害者が身よりのいない人だったらより軽い刑になるのでしょうか?被害者の家族の有無で被告人の刑に差が出るのは不公平ではありませんか?」と意見を述べて、全員の意見を一致に導いたそうです。次の日の記事では、裁判員すべてが「被告人の法廷の印象では心神耗弱には見えない」と主張するのに、プロの裁判官が「印象ではなく、科学的な鑑定をどう評価するかを考えてください」とアドバイスしたところ、全員が心神耗弱を認めたとか。この報道って、裁判員として判断することの難しさや重圧を感じて裁判員制度に疑問をもちはじめた労働者人民に、「いやいや、ちゃんとプロの裁判官がそばにいるから大丈夫!」となだめすかしているメディアの思惑が感じられますよね。