「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

イランとサウジが定期航空便再開協議開始の意味するところとは❓<2023.12.11

2023-12-12 02:05:13 | アフリカと中東

イランとサウジ、定期航空便再開で来週から正式協議=イラン通信
ロイター編集
2023年12月11日午前 10:08 GMT+91時間前更新
https://jp.reuters.com/world/mideast/3SEEZEKZZZPFFKSXPT3LMXS3QQ-2023-12-11/

これだけ聞くと分かりません。
今年3月、北京で中国の仲介でイランとサウジは、国交再開の合意に達しました。長年、反目してきましたが和解しました。それが一段階進むという意味です。これがコインの表です。

コインの裏側は❓
アメリカの仲介でサウジとイスラエルが、国交樹立に向けて協議してきました。
これが一つのきっかけとなりハマスの蜂起が起きました。そしてイスラエルのガザ住民に対する残虐行為はサウジの態度を硬化させ、国交樹立は凍結されました。アラブの盟主を自認するサウジが、イスラエルと国交樹立に向けた動きなど出来るはずがありません。

更には、インドの筋悪の経済圏構想があります。

米、「インド・中東・欧州経済回廊」で覚書 中国に対抗
2023年9月10日午後 4:16 GMT+93ヶ月前更新
https://jp.reuters.com/world/us/HHLIZ35LEZLMPH6O57HRTELRVE-2023-09-10/

中東からは、サウジとUAEが参加の予定でした。この構想は、インドが中国と対抗するために考え出した「ほぼ無理だろ!」の構想です。
そこに中国を封じ込めたいアメリカが、パク付きました。その流れの中でサウジとイランの国交樹立の動きが始まりました。

イスラエルのガザの虐殺は、サウジとUAEのイスラエルに対する態度を硬化させました。まず今後、インド構想に参加することは、無いと思います。あっさりとインド構想は頓挫したと言えます。

しかし諦めきれないインドは・・・・・
『インド、異例のイスラエル支持 背景にヒンズー教右派の共感も』
2023年12月07日20時32分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023120700858&g=int

国内ではヒンドゥー至上主義の政策を取りインド国内の約2億人のムスリムを弾圧しています。隣国の宿敵のパキスタン(パレスチナ支持)とは長年対立しています。そして既にインドは、イスラエルに投資しています。そのような背景がありインドは、親イスラエルを鮮明に打ち出したと言えます。

しかし現在、ガザ問題を理由に全てのアラブ諸国と多くのイスラム諸国は、イスラエルを敵視しています。敵と言うより極悪か悪魔扱いです。インドは、これらの国々を全部敵に回しました。

インドの筋悪の経済圏構想は、構想開始が9月ですから早くも頓挫して復活することは、ないと思います。

中国の「一帯一路」経済圏構想に対抗しようとした、インド・アメリカ・EUの「インド・中東・欧州経済回廊(IMEC)」は、スタート前に競り負けたと言えます。

これはアメリカ外交が中国外交に完敗したと言うことです。それだけではなくアメリカもインドと同様、「全てのアラブ諸国と多くのイスラム諸国」を敵に回しました。

インドは第三世界の盟主の立場を失いました。
アメリカは、世界のリーダーの立場を失いました。
どっちも中国外交に完敗しました。

この何気ないロイターの記事には、このような意味が含まれています。そしてアメリカは世界のリーダーの地位を取り戻すことは、もうないと思います。

BBC
即時停戦の決議案にアメリカが拒否権発動 国連安保理
2023年12月9日
https://www.bbc.com/japanese/67668551

アメリカは、ガザの停戦決議案で2回、拒否権を発動しました。それを世界の国々は見ています。アメリカは単なる「欧米のリーダー」になり下がったと思います。

その意味でいつまでも欧米に追随していれば、日本も同類として世界から扱われるようになると思います。よく考えるべきでしょうね❓

21世紀は、中国と第三世界の世紀です。



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