2024.05.14
ブダノフ中将はスームィ侵攻を警告、ウクライナ軍に予備戦力は残っていない
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/lieutenant-general-budanov-warns-of-sumy-invasion-ukrainian-army-has-no-reserves-left/
York Timesの記事
Facing Russian Advance, a Top Ukrainian General Paints a Bleak Picture
https://www.nytimes.com/article/russia-ukraine-kharkiv.html
内容
「兵力不足でハルキウ北東部は危機的状況だ」
「持てるものは全て使い切ってしまし他の予備戦力は残っていない」
「ロシア軍はスームィ州で新たな攻勢を開始するかもしれない」
ほぼ利敵行為ともいえる「投げ槍」発言です。
これに先立ちやはり国防省情報総局のスキビツキー副局長が英エコノミストの取材にチャシブ・ヤールの見通しについて「もう無理でしょう・・」的「投げ槍」発言をしています。
この時は更に露骨に「最終的に終戦のためには話し合いが必要だ」的な発言をしています。
話し合いを絶対拒否するゼレンスキーと真っ向から対立する発言です。
5月2日Economistの取材の中で国防省情報総局のスキビツキーが交渉の可能性に言及<ウクライナ紛争2024.05.05
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/3639f5ffcf7bafde83a2674fe27f37c4
この時アメリカのAP通信がほぼ同時にチャシブ・ヤールの破滅的な状況を報道しています。
これはウクライナ軍が協力しないと無理です。
協力したのは流れを考えると国防省情報総局だと思われます。
ブダノフは、以前にもウクライナ政府と異なるリークをしたことがあります。
ロシアのナワリヌイが獄死した時です。
西側とウクライナは、ロシア暗殺説を主張してロシアの選挙妨害をしていました。ナワリヌイの未亡人を引っ張り出してプーチンに投票しないよう呼び掛けていました。大変なんものでした。EUの重要会合にゲストとして読んで、ナワリヌイの未亡人がヒステリックなプーチン糾弾をしていました。
全員が大盛り上がりの時、ブダノフがボソッと言ったこと。
「ご期待に沿えなくて申し訳ないが、ナワリヌイは自然死だ。」
世間は、そんな発言は無視してプーチン叩きに酔いしれていました。結果、あとになってブダノフのどっちらけ発言が本当であることが判明しました。
しかし、大騒ぎした後はナワリヌイの未亡人は消えてしまい、世間はナワリヌイのことなど忘れてしまったようです。また季節になったら(プーチン批判をするとき)思い出すんでしょうね❓
しかし次は賞味期限切れのネタでしょうね❓
ロシア国民の多くにとっては、ナワリヌイは「欧米の犬の裏切り者」にすぎません。
欧米が期待するナワリヌイと、ロシア国民が見ているナワリヌイは、まるで正反対です。
この辺りが欧米の認識が完全に間違えている部分です。
ロシア国民の多くは欧米の自由や民主主義よりロシア的な価値観を重視することが、どうしても西側には理解できないようです。
だからロシア人にとっては、ナワリヌイは「欧米の犬の裏切り者」であり、プーチンはロシアを立て直したロシアの英雄です。
「欧米の犬の裏切り者」を欧米がもてはやせば、ロシア国民は怒りを覚えて更にプーチンを支持する構図です。
あほだ!と思います。
※相当長く寄り道して、元に戻ります。
ブダノフは、ゼレンスキーとは違うことを考えています。
最高司令官のシルスキーとも違います。
あえて国防省情報総局が、大統領府ともウクライナ軍参謀本部とも意見の相違があるのは、なぜか❓
ブダノフ中将とザルジニーの関係は、知りません。
しかしザルジニーもゼレンスキーとは意見の相違がありました。
ブダノフ中将とザルジニーは、見たところ現実派という共通点があります。
部下のスキビツキー副局長にエコノミストに国防省情報総局の意見をリークさせています。
もしゼレンスキーが権力を失えば、ブダノフ中将やザルジニーなどの現実派が権力を握る可能性があります。
選挙を拒み続けるゼレンスキーが権力を失うとするならば❓
座してウクライナの滅亡を見過ごすのか❓
それとも誰かが何らかの行動を起こすのか❓
このような問題になりつつあるのかもしれません。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27