「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

バフムトの戦闘とワグネル<2023・3・13ウクライナ紛争>

2023-04-07 11:00:11 | ウクライナ紛争

バフムトの戦闘は、相変わらず消耗戦が続いています。
バフムト市街の中央付近を流れるバフムトカ川の東側までは、ワグネルとロシア軍が占領して膠着状態です。バフムトカ川は、河川敷まで含めると幅200m~800mくらいあるようで、簡単には渡河作戦は実行できません。仮設の橋を作るような資材が必要です。それを準備してウクライナ軍の砲兵部隊を排除しない限り、膠着状態は続くでしょう。
ロシア軍は、北部から回り込もうとしているようですが、あまり進撃できていないようです。ウクライナ軍は、完全に西の郊外に司令部や拠点を移して陣地防御の構えです。補給路が確保されている限り、これ以上のワグネルやロシア軍の進出も急には、出来なさそうです。

ただ、ほぼロシア国内向けの宣伝みたいな戦場ですから、この攻防戦には、最早大した意味はありません。ウクライナ軍側から見ると、軍事的価値はすでにないからです。防御しきれなくなれば、西南西に20数km離れたコンスタンチノフスカに撤退するでしょう。

既にコンスタンチノフスカから北に広がるバフムトから見て西側にウクライナ軍の都市防衛ラインが完成して準備済だと思います。バフムトは、ウクライナ軍にとっては役割を終えた戦場です。しかし、防御できるうちは防御しようと言う考えでしょう。

一方、ロシア軍は仮にバフムトを制圧したとしても、位置を見ると分かりますが、ロシア軍とウクライナ軍の勢力の境界線上の軍事拠点を制圧するに過ぎません。ドネツク州の占領範囲を広げるのは、その後です。
進撃路は、道路事情を考えるとコンスタンチノフスカか北方向のスラビャンスクに向かうしかありません。
ウクライナ軍の抵抗の強いコンスタンチノフスカ方面は、無理だと思います。そうすると北のスラビャンスク方面に進撃するしかありません。
機甲部隊や機械化部隊が伴わないと、これも難しいと思います。それがあるかと言えば、多分少ないかないと思います。
どっちに向かおうと、ウクライナ軍が縦深陣地を築いて待ち構えているでしょう。どちらかを攻略しないとロシア軍の目的であるドネツク州の占領地を拡大するのは不可能です。

つまり、ワグネルやロシア国防省の国内向けの宣伝の意味以外にバフムトを占領する意味はありません。仮に占領できたとしても、バフムト以上に攻略が難しいウクライナ軍の縦深陣地が何層にも待ち構えています。

と言うわけで、バフムトがどうなろうとウクライナ軍には軍事的には、どちらでも構わないわけです。ロシア軍がバフムトを攻め続けた理由は、ロシア国内の政治事情が大きく関係していると思います。

ワグネルです。バフムトの戦闘では随分ロシア国内に宣伝しました。ワグネルのオーナーとロシア軍首脳は、敵と言えるほどに仲が悪いです。ワグネルのオーナーは、去年からロシア軍首脳を批判し続けています。それでもロシア国内で生き延びている理由は、ロシアの独裁者に都合がいいからです。まともに戦果らしきものを示しているのは、ワグネルの部隊だけだからです。

使い捨ての囚人兵推定4万人前後を、ほぼ全滅させて今の成果を作り出しました。だから、ワブネルも人員を失いました。ワグネルの元々の部隊は、1万人弱でしょう。

ワールド
2023年3月13日9:51 午前Updated 6時間前
ロシアのワグネルを「イデオロギー持つ軍隊」に、創設者が野望
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-wagner-idJPKBN2VF022
「42都市で戦闘員の募集センターを開設した」と言うことですから、今度はまともな戦闘員を補充しようという計画のようです。ロシア軍の出来の悪さは、ロシア国内では知れ渡っていると思います。ワグネルは、優秀であるという評価が出来たでしょう。
同じ戦争に行くなら、ワグネルの方が給料がロシア軍より格段に高いですから、徴兵されるくらいならワグネルに応募した方が良いと考える人間を探そうという目論見だと思います。

今は、民間の軍事会社ですが、それを第二ロシア軍に昇格させようと言う意図が見えます。まともな戦闘員を増やして規模を拡大していけば、ロシア国内では大きな勢力になります。ロシア国内で何らかの混乱が起きれば、それはワグネルのオーナーに有利に働くでしょう。

独裁者が健在なうちは、ワグネルは独裁者に忠実な部隊でしょう。しかし、ワグネルのオーナーの方が独裁者より10歳若いです。全ての人間が絶対に避けられない運命があります。寿命です。独裁者に逆らうことなく忠実な部下であり、自分の勢力を拡大していけば?

日本の戦国時代末期、豊臣政権に加わりやがて江戸幕府を開いた徳川家康に似ていなくもありません。ワグネルのオーナーは、同じようなことを考えているのかもしれません。

ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/



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