「北の山・じろう」日記

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ハルキウ北部戦線ボルチャンスクの戦い、ウクライナ軍がやや進撃<ウクライナ紛争2024.07.12

2024-07-12 19:46:46 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.07.11
①ウクライナ軍はハルキウ方面で反撃、ロシア軍はドネツク方面で前進
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-forces-counterattack-in-kharkiv-area-russian-forces-advance-towards-donetsk/

略図2枚目の青の部分が、ウクライナ軍が押し戻した地域です。
コメント欄を見ると色々コメントが並んでいて面白いです。正しく認識している人もいます。

そもそもハルキウ北部にロシア軍が新たに戦線を形成した目的は何か❓
ロシア側の情報かく乱が、かなり行われロシア軍の目的をごまかされそうになります。
まず最初にプーチン氏がベルゴロド州の越境攻撃を防ぐための緩衝地帯の確保が目的で、ハルキウ市街を攻める予定はない・と何故か早々にコメントしました。

その次に軍事ブロガーが「ロシア軍の目標はリプシLyptsiとボルチャンスクВовчанськの占領だ」と態々目標を示しました。実際に攻撃は、その通りに行われました。

次にロシア軍はそれほど大きな部隊ではなく5個大隊程度の軽装備の部隊が侵入しているという情報が、広範囲に流れました。

そして陣地や塹壕建設の手抜き(汚職による)が、大々的に報告されました。
そのうえ一気にかなり広範囲の地域をロシア軍が制圧しました。

ウクライナ国内では、政府と軍に対する大きな批判が起こりました。
こうなってしまうとウクライナ大統領府(ゼレンスキー)は言い訳しなくては、なりません。
増援部隊の派遣とロシア軍のハルキウ州からの撃退を宣言しました。
こうなってしまうとウクライナ軍はハルキウ州北部戦線に増援部隊を送り込み、何が何でもロシア軍を撃退しなくては、ならない羽目になりました。

大体、分かるでしょう❓
ゼレンスキーがブチ切れて増援部隊を大挙送り込みロシア軍を攻撃させるのが、本当の目的です。
ウクライナ軍は、これも数字の出所が不明ですが50個大隊ともいわれるかなり多い部隊を派遣して攻撃を開始しました。
ロシア軍は予定通りウクライナ軍の大軍を引き付けて持久戦に持ち込みます。
これが、大体5月24日ごろです。その時の戦況略図。
2024.05.24
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-forces-hold-central-position-in-north-bolchansk-additional-reinforcements-may-arrive-soon/

この時もロシア軍は、ボルチャンスク北市内を支配しています。このロシア軍に対してウクライナ軍は、もう1か月半くらい攻撃を続けています。
もう1か月半くらい攻撃して、やっとロシア軍を押し戻したのが①の記事の略図です。
たった、これだけ❓というほんの少しのエリアです。

リプシの方は、下記の記事に略図があります。今も大体この程度だと思います。
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/on-the-847th-day-of-the-invasion-russian-forces-retreated-in-the-areas-of-lipsi-and-bolchansk-in-the-kharkiv-region/
ほぼリプシの北にあるライボケHlybokeの防衛ラインで反撃を止められています。

つまりこれがロシア軍の目的です。
この戦場はウクライナ軍の強力な方の部隊を多く引き寄せて攻撃させることです。消耗戦に持ち込んでこの戦場のウクライナ軍部隊を他の戦場に戻さないことが最大の目的です。
増援部隊は、全部激戦の続いているドネツク戦線から引き抜かれています。
その分、ドネツク戦線のウクライナ軍は弱体化しますからロシア軍は、この間にアウデイーイウカ戦線や他の戦場で進撃しています。最近、ゴルロフカ~トレツク戦線を新たに設けました。ここでもロシア軍の進撃が快調です。

要は、ロシア軍の目的は他の戦線でロシア軍が進撃しやすいように他の戦線からハルキウ州北部戦線にウクライナ軍の強力な方の部隊を、引き寄せてそのまま固定してしまうことです。
大成功と言えるでしょう。
だから少々、ウクライナ軍に押し戻されようと全然問題にはなりません。
ロシア軍は、現在の戦闘地域の後方に第2の防衛ラインを建設済みだと思います。
ウクライナ軍は、当分ロシア軍を攻め続けなくてはならず他の戦場に移動することは出来ません。
ゼレンスキーの命令が、ロシア軍を国境の外に叩き出すことだからです。叩き出せるまで、このままです。

(2)第2の目的~まだあります。
このゼレンスキーの命令を実行するためにウクライナ軍の指揮官は突撃命令を繰り返していると思います。相当、何回も跳ね返されています。
跳ね返されても「馬鹿の一つ覚え」で突撃命令が出ます。
こうやって大きな犠牲を払って、やっとロシア軍を押し戻した地域はごくわずかです。
もちろん守るロシア軍にもそれなりの犠牲は出ていると思います。

では攻めるウクライナ軍の犠牲は、どの程度か❓
これは数字がありませんので推測です。
ロシア国防省の戦況報告を利用します。
ウクライナ軍がハルキウ北部で攻撃を始める前。
1日600人~1000人
ウクライナ軍がハルキウ北部で攻撃を始めた後。
1日1700人~2000人

急激に増えています。
この増えた分がハルキウ北部戦線でウクライナ軍が出している1日の死傷者だと、個人的には推測しています。
ここ以外に急激にウクライナ軍の死傷者が増える戦場がないからです。増える理由は、肉弾攻撃をずっと継続しているからだと思います。
ウクライナは、ロシア軍を馬鹿にしますがウクライナ軍はロシア軍以上に肉弾攻撃に頼ります。
その結果が、この数字だと思います。

第2の目的は、ウクライナ軍の数をこの戦場で出来るだけ減らすことです。恐ろしいペースで成果が出ているのではないか・と推測しています。

ロシア軍の目的が、こうである以上ウクライナ軍はそれほど進撃できませんし、ここでの戦闘が終わることは当分ありません。消耗戦が継続すると思います。
ウクライナ軍は、ロシア軍の仕掛けた罠にドップリ!ハマりました。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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