「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ロシア軍が、アウデイーイウカを猛攻する理由を推測する<2023年11月

2023-11-18 20:54:00 | ウクライナ紛争

ロシア軍、アブデーフカで損耗強いれば戦力低下へ=ウクライナ大統領
2023年11月15日午後 2:09 GMT+937分前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/ZAY4NHTIXJIXXLBTCNVFN2F4DA-2023-11-15/
ウクライナ、東部アウディーイウカで防戦続く…ロシア軍が4万人集中し1日60回超攻撃
2023/11/12 08:26
https://www.yomiuri.co.jp/world/20231112-OYT1T50024/


ゼレンスキー氏の認識
「アブデーフカ近辺でロシア軍が破壊されればされるほど、全体的な戦況は敵(ロシア)にとって悪くなるだろう」

ロシア軍が大きな犠牲を払いながらドネツク州アウディイウカАвдіївкаに猛攻撃をかけている理由は、実はロシア側以外誰も知りません。

一つウクライナと西側が見落としている事があります。
9月にザポリージャ戦線でウクライナ軍が猛攻をかけていた時点では、ロシア軍の予備兵力は1個空挺師団しかありませんでした。この空挺師団は、ウクライナ軍がかなりロシア軍の第2防衛ラインに肉薄した時に、ベルボベVerbove付近の戦線に投入されました。

この時点でロシア軍の予備兵力はなくなりました。南部戦線の方は、この予備兵力の投入がウクライナ軍の進撃を食い止めて現在はロシア軍が、ややウクライナ軍を押し返しています。

ロシア軍が現在攻勢をかけているのは、アウディイウカАвдіївкаの他にもあります。

予備兵力が9月の段階で枯渇したロシア軍が、推定5万人を超える大兵力を新たに投入していることになります。それは、どこから来たのか❓


『30万人志願、動員回避 「北朝鮮から派兵」強く否定―プーチン氏』
2023年09月16日07時43分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023091600212&g=int

6月の段階で15万人以上応募兵を集めています。この分は前線には余り投入していないような様子があります。もう訓練は十分ですね。その後に更に集めた15万人ももう訓練が終了する頃でしょう。

つまり今回新たに投入されている部隊は、ここから投入されていると思います。だからロシア軍の前線の指揮官は、犠牲を気にせず人海戦術が取れるというわけです。

この冬のロシア軍の攻勢には、この兵力が投入されると思います。

※さて、ロシア軍の意図を推測するならロシア軍は30万人の応募兵を確保したところで本格的にドネツク州制圧に乗り出したのであろうと思います。今いる40万人程度に30万人の応募兵を加算すると、この冬のロシア軍の兵力は単純計算で70万人に膨れ上がります。30万人の攻撃部隊の攻撃を受けて、ウクライナ軍が持ちこたえられると思うのは、余りにも楽観的に過ぎると思います。

アウディイウカАвдіївкаは、2014年以来ロシア軍の攻撃に耐えてきたウクライナ側の重要拠点です。ここがロシア軍のドネツク州全域の攻略を妨げてきたと言えます。ここを大兵力で犠牲を構わず猛攻を続けるのは、必ず攻略するのが目的であろうと思います。

アウディイウカАвдіївкаを制圧したなら幹線道路Hー20が・・
バフムトの西にある軍事拠点のコンスタンチノフカКостянтинівкаに通じています。
更に幹線道路Hー20を北上するとドルジュキーウカДружківка~クラマトルスクКраматорськ~スラビャンスクСлов'янськ

スラビャンスクСлов'янськに至るルートは、もう一つあります。バフムト(アルチェモフスクБахмут)からルートM-3を北上しスラビャンスクСлов'янськに至ります。

現在、ロシア軍はドネツク州リマンЛиманを攻撃していますがスラビャンスクСлов'янськまで攻略すれば、リマンЛиманを制圧する必要がなくなります。そのままハルキウ州イジュームІзюмの攻撃に向かうことが出来ます。

ロシア軍のアウディイウカАвдіївкаの猛攻には、このような意味があります。アウディイウカАвдіївкаが陥落すれば
ウクライナ側のドネツク州の拠点都市を攻略しながらHー20を北上する予定だと思います。

攻撃部隊の人数が多ければ、ゴルロフカГорлівка~バフムト~スラビャンスクСлов'янськ(ルートM-3)と二筋の攻撃路を使い攻撃すると思います。

取り敢えずの最終目的は、ハルキウ市Харківだと思います。

仮にロシア軍がこの冬に30万人を投入する計画であるのなら、その作戦目的はドネツク州の占領でありその後のハルキウ市の制圧だと思います。

ゼレンスキー氏の認識
「アブデーフカ近辺でロシア軍が破壊されればされるほど、全体的な戦況は敵(ロシア)にとって悪くなるだろう」
ゼレンスキー氏は単にアウディイウカАвдіївкаの攻防しか認識していないようです。

ロシア軍の冬の作戦の目的は、そんな1軍事拠点の制圧ではないと思います。

※そう考えるならウクライナ軍は、余計な軍事行動は控えて予備兵力は、ドネツク州とハルキウ州防衛のために温存しロシア軍の攻撃に備えるべきことになります。

※もっとも私がロシア軍の参謀から作戦計画を聞いたのではありません。地図を見て犠牲を無視したアウディイウカАвдіївкаの攻撃を見るなら、他に目的は考えられません。



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