「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

パレスチナ問題、やっと真面なことを言い始めたアメリカ<2023年10月

2023-10-18 18:29:20 | アフリカと中東

バイデン米大統領、ガザ再占領「大きな過ち」 2国家共存を追求―パレスチナ
2023年10月16日09時59分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023101600246&g=int

バイデン大統領は経験の長い政治家ですから、世界の空気を読み事を収める必要性に気が付いたと思います。
結論、パレスチナ問題は1993年のオスロ合意を実現するしか解決は出来ないと思います。今回のハマス事件の世界の反応を見てもそうです。

今回、アメリカとイギリス、フランス、ドイツ、イタリアの5か国はハマス非難・イスラエル絶対支持の緊急共同声明を発表しました。しかし、賛同の声はほとんど聞かれませんでした。

むしろロシアを中心としたガザ市民保護と紛争拡大防止を求める動きが活発化しただけでした。

ロシア・中国・中東の地域の大国、全部アメリカに賛成する国はありませんでした。

結果、バイデン大統領も「2国家共存」の原則を言うしかありませんでした。まあ、それはそれでいいです。後はガザ市民の保護と紛争の拡大を防止しなければなりません。

バイデン氏のロシア他の国と異なる主張は、ハマスの排除です。これは妥当でしょう。ハマスがガザにいる限り平和は来ないのも事実です。

しかし、そのためにはアメリカがパレスチナの領土保全とパレスチナ人の安全を保障する必要があると思います。

イスラエルがヨルダン川西岸の入植を強行し事実上のパレスチナの領土を侵略しつつある現状を、元に戻す必要があります。イスラエルの入植者を不法侵入者としてイスラエル領に排除する必要があります。
またイスラエルのテロリストの排除を理由に繰り返されるパレスチナ市民の虐殺も止めさせなければ、なりません。

要は、これをアメリカが黙認してイスラエルの横暴を許していたことが、ハマス暴発の原因であり理由です。ハマスが暴発しなければ、アメリカは黙認し続けたと思います。そしてやがては、ヨルダン川西岸は事実上のイスラエルの領土になっていたと思います。

クリントン大統領後のアメリカ大統領が、イスラエルの不法行為を黙認し続けたのは、大きな落ち度ないし罪だと思います。その一方でイスラエルに対する過大ともいえる援助は、継続しています。余りにも不公平に過ぎると思います。

アメリカは、きれいごとを言うだけでなくこれら不平等とイスラエルの不法行為を防止できるのかどうか?

仮に事が納まったにせよ、アメリカのバイデン大統領の今後の行動は中東のみならず世界が監視しています。発言を守らなければ、第二第三のハマス事件が繰り返されると思います。

そしてガザの危機は進行中です。
アメリカは、緊急にこれを中止させる必要があります。それを出来るのは、アメリカだけです。

もし、アメリカがそう出来なければ?
間違いなくイランが何らかの介入をすると思います。
また、多国間戦争のリスクが浮上します。

※関連記事
ガザ侵攻なら中東各地に飛び火 イラン警告
2023年10月16日 10:27 発信地:ドーハ/カタール [ カタール イラン イスラエル パレスチナ自治区 中東・北アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3486303?cx_part=top_topstory&cx_position=2
ハマスの行動「パレスチナ人を代表しない」 アッバス議長
2023年10月16日 9:03 発信地:エルサレム/中東・アフリカ [ パレスチナ自治区 ベネズエラ 中南米 イスラエル 中東・北アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3486299?cx_part=top_topstory&cx_position=3
王毅氏、米国務長官と電話会談 パレスチナ問題と中米関係巡り
2023年10月16日 11:12 発信地:中国 [ 中国 中国・台湾 ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3486279?cx_part=top_category&cx_position=1
中国外相「イスラエルは自衛の域超えた」 サウジ外相と電話会談
2023年10月15日 17:06 発信地:北京/中国 [ 中国 中国・台湾 サウジアラビア イスラエル パレスチナ自治区 中東・北アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3486273?cx_part=top_category&cx_position=5

ガザ避難民、100万人超に 国連「未曽有の大惨事」
2023年10月16日 13:31 発信地:パレスチナ自治区 [ パレスチナ自治区 イスラエル 中東・北アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3486330?cx_part=top_topstory&cx_position=1


ポーランド総選挙・与党「法と正義」が過半数割れ(ウクライナ支援の変更)<2023年10月

2023-10-18 18:27:02 | ヨーロッパ

野党勢が多数派、連立協議へ 右派与党が第1党―ポーランド総選挙
2023年10月16日07時41分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023101600173&g=int

下院では右派与党「法と正義」が得票率約37%で第1党となる見通しながら、野党勢力が過半数を上回る見通しです。

ロシアのクリミア侵略を受けてこれまでの与党「法と正義」が政権を握り、かなり強権色の強い右派政治を行ってきましたが、ポーランド国民の選択は野党勢力の過半数超えでした。

ロシアに備え軍事力を強化し、ロシアがウクライナ侵略を開始すると真っ先にウクライナ支援をしました。その後もウクライナを支援し続けました。それには危機感を抱いたポーランド国民に支持もあったと思います。

しかしここに来てポーランド国民からは、民主主義の後退を危惧する声も出始めていました。その結果が今回の議席配分です。

与党「法と正義」が過半数を失ったのは、強権色の強い右派政治が嫌われたのと、ウクライナ支援の大きな支出も原因だと思います。ポーランドは、軍事援助のほかにウクライナ避難民156万人の受け入れ国です。

これだけの軍事支援と避難民の受け入れは、それほど豊かではないポーランドにとって大きな負担です。

しかしウクライナは、穀物禁輸を巡ってポーランド・スロバキア・ハンガリーをGATに提訴しました。3か国は国内の生産農家を守るためにやむなく禁輸を継続したわけです。当然、ウクライナ支援に疑問の声が上がるでしょう。それだけではなく、ポーランド・ミサイル着弾事件でもウクライナ側の調査協力依頼に対する対応は不誠実であったそうです。

ウクライナのGAT提訴後は、ポーランドのウクライナに対する態度は一気に厳しいものになりました。首相は、今後ウクライナ支援はしない!と、ブチ切れました。大統領は、これまで約束した分は支援する。今後はポーランドの国防を優先する意味だと苦しい説明をしていました。その後、国連総会の帰りにウクライナの大統領がポーランドに立ち寄りましたが、ポーランドの政府要人は面会しませんでした。思いっきりの不快感を示されました。

そして今回の与党の過半数割れです。どのような連立になるかは不明ですが、ウクライナ支援は確実に見直しの対象になると思います。

それに先立ちスロバキアでも総選挙がありました。
BBC
スロヴァキア総選挙、ウクライナ支援に反対の政党が勝利 連立交渉へ
2023年10月2日
https://www.bbc.com/japanese/66979950

第一党となった「道標・社会民主主義」の公約は、「ウクライナへの軍事支援を中止」です。そして親ロシアの立場だと言われています。
早速、停戦に向けた動きを始めています。
CNN
スロバキア第1党党首、ロシアとウクライナの和平交渉開始へ「全力尽くす」
2023.10.02 Mon posted at 15:35 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35209754.html

スロバキアとポーランドでは、政権が交代しウクライナ支援に関してはこれまでとは全然違う対応が、既に始まっています。

ロシアがウクライナへの侵略を開始した2022年は絶対ウクライナ支持でまとまっていた東欧諸国のウクライナ支援への態度は、ここに来て大きく変化しつつあります。

これには、ウクライナの態度も大きく影響していると思います。農産物禁輸に対するGAT提訴が一番分かりやすい例ですが、ウクライナのロシアと戦っているんだから支援を受けて当然だ!支援を受けるのがウクライナの権利だ!と言わんばかりの態度が節々に見えます。感謝の気持ちは、ほぼ見えません。アメリカの方ばかり向いています。

開戦以降、断固ウクライナ支持で結束し苦しい財政事情の中でもウクライナ支援を優先させてきた東欧諸国が、ウクライナに背を向けるのも当然だと思います。ここに来て戦争の膠着状況も見えてきました。ロシアが進出できないなら、それほどウクライナ支援を優先する必要もなくなるわけです。そうなれば、隣近所としてはさっさとゴタゴタを収めて欲しいと思うのも当然です。

他人のふんどしで相撲を取るウクライナが、占領されたウクライナ領を全部取り返すまで戦争を続けるなどと言うのは、おこがましいでしょう。自分の金でやれ!となるでしょう?

ゼレンスキー大統領を見ていると、傲慢さを感じます。そのような態度であれば、これまで一生懸命支持し支援していた隣近所の国々の支持が少なくなるのも当然と言えます。世の中では困っているのは、ウクライナだけではありません。

つまり隣近所ですらこのようでは、今後ウクライナへの支援は徐々に減ると思います。支援総額の約半分を占めるアメリカ国民のアンケートでは、ウクライナ支援を止めるべきだという意見が過半数を上回っています。共和党はウクライナ支援に反対しています。

つまり、2022年とはウクライナ支援に対する支援国の態度は変化しつつあると言うことです。これ以上、ロシアとの戦争を継続したいのであればウクライナは自分の金でやるべきだと思います。

いつまでも国家財政から武器まで全部丸抱え(援助)で戦争が出来ると思うのは、欲張りですし思い上がりと言うものです。

金がなくなれば戦争の継続は不可能です。ウクライナもそれを考えるべき時に来ていると思います。ロシアは確かに極悪ですが、その程度の極悪は世界に結構います。極悪に食いつかれないように用心を怠ったウクライナにも非があります。腕っぷしの強い極悪の隣にいて、しかも2014年にクリミアを奪われて、東ドンバスでロシアの介入を受けて傀儡政権と戦争していたのですよ。これだけの事がありながら、うすらぼけ~と油断しきっていたウクライナの政治は非常におかしいと思います。2014年から2022年まで、随分時間があります。その間、何も備えをしなかったのは、どういう訳だ?と言う見方も出来ますし、愚かすぎるとも言えます。

2021年ウクライナは、何をやっていたか?
夏の軍事パレードで女性兵士が行進したのですが・・
そのハイヒールの底の高さが高すぎるんじゃないか?
と国会で国会議員が国防相に質問し!
国防相は、もっと健康的なのを考えます・・
とか答弁していました。

2021年でこんな調子では、ロシアに侵略されても全然不思議ではないことは確かです。

侵略したロシアは悪いけれど、侵略されたウクライナもいい加減、間抜けだと思います。そう考えると、どっちもどっち・程度の話にも思えてきます。

知っていたけど今まで書かなかったのは、ウクライナを応援していたからです。しかし、ここまでウクライナの襤褸が見えてくると、さすがに応援する気力もやや薄れてきました。

CNN
ハイヒール姿の行進で批判浴びたウクライナ国防省、「より快適なヒール」に切り替えへ
2021.07.09 Fri posted at 12:47 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35173632.html

※ほぼ来年戦争する雰囲気は、ないですね❓


中国とロシアのパレスチナ問題への対応<2023年10月

2023-10-18 18:25:24 | アフリカと中東

※ロシアは、早い段階から「民間人に対する暴力と全てのテロ行為を非難」と「人道的停戦」そして和平仲介と態度は一貫しています。国連安全保障理事会に決議案採決を求めました。ハマスに対する言及は、ありません。

『ロシア、安保理決議案16日に採決要請 イスラエルとハマスの衝突』
2023年10月15日午前 9:48 GMT+910時間前更新
https://jp.reuters.com/world/security/DB5QNERTC5PW3CXETMFJSUGLCU-2023-10-15/

※一方中国は、これまで明確な態度は示しませんでした。
『中国外相「イスラエルは自衛の域超えた」 サウジ外相と電話会談』
2023年10月15日 17:06 発信地:北京/中国 [ 中国 中国・台湾 サウジアラビア イスラエル パレスチナ自治区 中東・北アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3486273?cx_part=top_topstory&cx_position=1

ロシアの行動と比べると随分遅いですが、状況を見極めていたのだろうと思います。中国は、サウジとイランの国交回復の仲介者です。両国との意見の擦り合わせをしたのだと思います。

その結果、遅かった分明確な見解になりました。
「ガザにおけるイスラエルの行動は自衛の域を超えている」とし「ガザ住民への集団懲罰をやめるべきだ」としています。「国際社会と国連事務総長の呼び掛けに真摯(しんし)に耳を傾け、ガザ市民に対する集団懲罰をやめるべきだ」とも述べました。はっきりとイランとサウジに配慮した内容です。

「全当事者は状況をエスカレートさせるような行動を控え、できる限り早急に交渉を再開すべきだ」ともしています。イランに静観を求めました。アメリカに対するけん制でもあります。

ほぼ大雑把に欧米以外の意見を代表していると言えます。
『中国、特使を中東派遣へ 王毅氏、イスラエル非難』
2023年10月15日21時47分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023101500240&g=int
この記事ではほぼ全面的にアラブ寄り、パレスチナ寄りの姿勢を鮮明にしました。イスラエルを名指しで非難しています。

※ブラジルと南アフリカは、大体ロシアと共同歩調です。

※1か国だけ態度が不明な国があります。インドです。

インドが態度不明なのは・・・
『2023年10月12日 8:06
インドの中東経由欧州との貿易路構想とハマスの襲撃事件<2023年10月』
https://smcb.jp/diaries/9149418

インドのこの構想に飛びついたアメリカのサウジとイスラエル国交樹立の後押しがハマス暴発の直接の引き金になっているからです。インド自身も構想の中にサウジとイスラエルを含めていますし、インドの財閥もイスラエルに投資を始めています。

もしこの構想に沿ってイスラエル擁護を打ち出せば、確実に欧米以外の国々から反発を招くか支持を失います。中国とのパワーゲームに完敗します。既に完敗しているとも言えますが。

しかし、態度が不明なインドを除くと今回のハマス問題に対する態度は、概ねはっきり二つに分かれました。

◎イスラエルを断固支持する、欧米+ウクライナ+韓国

◎それ以外の国連総会決議を支持する国々

※これまでの流れ・・・・・
『オスロ合意』 1993年 クリントン大統領が仲介
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%83%AD%E5%90%88%E6%84%8F

『国連におけるパレスチナの地位に関する総会決議の採択と我が国の対応(概要)』平成24年11月30日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/plo/kokuren/2012_11_gaiyo.html

概ね、この総会決議(A/RES/67/19)が世界の共通認識であり合意と言えます。
賛成 138(日本も含む)
反対 9
棄権 41

『国連総会 パレスチナ占領で国際司法裁判所に意見要請決議採択』
2022年12月31日 13時36分

らちが明かないので国連総会で
『国際司法裁判所に対して国際法の原則に照らした意見を出すよう求める決議』が可決されました。(日本反対)

更には、このようなアメリカのほぼ公平とは言えない長年の立場と動きがあります。
BBC
国連安保理、イスラエル入植地非難決議を採択 米国棄権
2016年12月24日
https://www.bbc.com/japanese/38425927
賛成14棄権アメリカのみ(大統領オバマ)
アメリカは拒否権行使せず、安保理決議が採択されました。安保理決議には、従わなければならない拘束力があります。この安保理決議に違反し続けるイスラエルには、本来なら経済制裁などの何らかの対応が必要です。イランや北朝鮮の場合は、そうなっています。イスラエルの場合は放置されています。アメリカが反対するからです。

つまり大雑把にこのような和平案が当事者同士で合意され、国際的にもそれが合意事項です。

それをイスラエルが一方的に破り、更にはテロとの戦いと称してパレスチナ過激派を掃討するたびに一般市民の虐殺を重ねてきた歴史があります。近年は残忍ともいえるほどにイスラエルの振る舞いは悪化しました。そのイスラエルの振る舞いを容認してきたのが、クリントン後の歴代アメリカ大統領です。これがイスラエル・ハマス闘争の背景の構図です。
今回のハマスの残虐行為のみを切り取ってハマスだけを断罪することは、許されないことです。

パレスチナ問題に対する国際的な合意とは、このようなものです。

如何にアメリカ大統領や西側主要国の態度がイスラエルに偏っていて、色々な国連決議を無視するものであるか分かると思います。

自制を求めるなら双方に求めるべきであり、イスラエルのガザ市民の生命を脅かすような報復的行動は許されません。反対に国連安保理決議に違反し続けるイスラエルに何らかの懲罰が必要な話です。

欧米以外の大多数の国が、国連決議の順守を主張する理由が分るでしょうか?

国連決議を無視する国を強く支持する欧米の態度は、非常に偏っているというより国連決議を無視していると言えます。

本来、国連決議を守り国際法順守を訴える立場にある先進国が無視(破る)してどうなりますか?

21世紀に入り世界が戦争だらけになったのは、欧米の率先した国際法破りが大きな原因と言えると思います。その先頭に立つのがアメリカです。

21世紀に入り、それを続けた結果がロシアのウクライナ侵攻であり、ハマス暴発の原因です。

先進国が先頭を切って掟て破りを続ければ、他もそうなると言うことです。

国際法順守、国連決議順守。
これを守らなければ、守るべき基準がなくなり国際的な無法地帯が生じます。軍事力の強い国が好き勝手に行動して良いことになります。
それを出来るだけ防ぐために、国際法があり国連決議があります。世界各国が協力して長い年月をかけて作り上げてきました。21世紀に入り世界が戦争だらけになったのは、それを先進国(アメリカ)が先頭を切って無視しているからです。


G7とG20と国連総会と安保理<2023年10月

2023-10-18 18:23:31 | 国際情勢

この違いは、日本のマスコミを通して世界の出来事を知る人には違いが分かりにくいかもしれません。

G7のメンバーは先進国7か国です。
ほぼアメリカとヨーロッパの主要国です。
G7の場合は、アメリカとヨーロッパの主要国の意見であることが多いです。NATOとも言えます。

G20参加国
アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、イギリス、アメリカの19ヶ国と欧州連合(EU)

一覧を見てみると?
NATOとNATO側と言えるのは、10か国になります。非NATO国が10か国参加しています。ここで票数はNATO10対非NATO10で半々に分かれます。非NATO国が合意しないと共同声明は出せません。つまり意見がまとまらないと言うことです。

国連総会になると更に非NATO国と非ヨーロッパ国の数が増えます。合意は更に形成しにくくなります。

日本のマスコミは、G7の共同声明を大きく報道することが大いのではないでしょうか?
実際にはNATO主要国の共同声明にしかすぎません。国際的な合意とは、全く別物です。

一応、数が半々で国際的な合意に近いのがG20の共同声明です。

更に厳密にいうなら国連総会の決議事項は、概ね国際的な合意事項と言えると思います。
国連決議には、拘束力はありません。
しかし?
安保理は、また違います。
「全加盟国はその決定を受け入れ実施することに同意しています。」
安保理は、どのように構成されるか?
「5か国の常任理事国(中国、フランス、ロシア、英国、米国)と、各地域に配分され、選挙により選出される10か国の非常任理事国から構成されています。」

つまり拘束力が発生するという意味で国連安保理の決定が従わなければならない決定と言えます。この決定を無視すれば、国際法違反の状態になります。当然、普通は何らかの制裁の対象になります。

こうして見てくると国際的合意と言えるものは・・・
G20の共同声明
国連総会の決議
国連安保理の決定
などが考えられます。
つまりG7の共同声明には、あまり意味がないと言うことです。単にNATO主要国の意見であるに過ぎません。

このような点を踏まえて国際的な出来事や事件を見るとかなりマスコミの報道とは、違う側面が見えてくると思います。国際的な問題を理解するには、国際的な合意を知らなければ偏った見方を押し付けられている場合もあります。

例を見てみると・・・
ウクライナ紛争
G7 ロシア名指しで批判

G20
パリサミット 「ロシアによるウクライナへの侵略」
(一方で、その評価についてメンバーから反対意見があったことも記された)

インドサミット 
『地球、人々、平和及び繁栄のために
7. 我々は、世界中の戦争及び紛争による甚大な人的被害及び悪影響を深い懸念と共に留意する。
8. ウクライナにおける戦争に関し、バリでの議論を想起しつつ、我々は、各国の立場や国連安保理及び国連総会で採択された決議(ES-11/1及びES-11/6)を再確認し、全ての国が国連憲章の目的及び原則に全体として整合的な方法で行動しなければならないことを再確認する。国連憲章に沿って、全ての国は、いかなる国の領土一体性及び主権又は政治的独立に対しても、領土取得を追求するための武力による威嚇又は武力の行使は慎まなければならない。核兵器の使用又はその威嚇は許されない。』

G20共同宣言 インドはどのようにまとめ、各国はどのように合意したのか
2023年9月11日
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66771576

インドサミットの共同宣言は、全員一致で採択され付帯記載はありません。かなり暗にロシアを指している部分もあります。しかしロシアの名前は、消えました。つまり国際的な合意を形成するのは、これほど大変だと言うことです。

そして合意内容も時間とともに変化しました。やはり20か国それぞれの立場の国が集まって話し合って出た結論はかなり国際合意に近いと思います。

国連安保理には、常任5大国の拒否権がありますから中々決定を出せないケースも多いです。それを考えると国際的な合意に一番近いのがG20の共同声明だと思います。

どうやってもマスコミを通じて知る内容は、双方のプロパガンダの部分が入ってきます。その部分を除くか少なくしないとG20の共同声明は合意できません。

このような視点から国際情勢を考えてみては如何でしょう?

※インドサミットの共同声明では、ウクライナがブチ切れていました。自分の思うとおりにならないからと言ってブチ切れても支持は得られないと思います。ウクライナは、国際的な合意の意味を知るべきだと思います。

国際的な会合は、様々な問題を話し合う場でありウクライナ紛争だけを話し合う場ではありません。ウクライナ紛争に関してもG20の参加国には意見の相違があります。それを批判したところで声明が変化する訳でもありません。

ウクライナのブチ切れに参加国のメンバーには「身勝手だ!」と感じた国もあると思います。


プーチン氏微笑外交の結果は?(北朝鮮武器輸出)<ウクライナ紛争2023年10月

2023-10-18 18:21:32 | 中国と東アジア

先月、ウラジオストクでプーチン氏は金総書記を出迎えてあふれんばかりの笑顔で歓待しました(媚態外交とは言っていません?)。
金総書記とプーチン氏は、アメリカ帝国主義とともに戦う同志になりました。金同志はすっかりロシアが気に入ってしばらく滞在を伸ばしてロシアで羽を伸ばしていました。セルゲイ国防相がお相手をしていたと思います。
その結果?

北朝鮮、ロシアにコンテナ1000基以上の武器・弾薬…見返りに戦闘機やミサイル要望と米が指摘
2023/10/14 11:06
https://www.yomiuri.co.jp/world/20231014-OYT1T50077/

どっさり武器を購入できました。アメリカは、金同志がこうしないように威嚇していましたが全然、効果はありませんでした。金同志がロシアへの武器売却を遅らせていたのは、見返りを多くするためです。プーチン同志が困れば見返りは、吊り上がります。余程困ったから、微笑外交になったわけです。

まあ、どっちも欲しいものが手に入ったのだからお互い良かったと思います。ロシアは、砲弾や大砲の砲身が不足していたと思います。銃弾も不足していたかもしれませんね。特に大砲の砲身は特殊な加工技術が必要なようでロシアは、量産できないようです。

困るのはウクライナです。大分、ロシアの大砲を破壊してロシア軍は大砲不足に陥っていました。多分、これで解消されると思います。

最近のプーチン氏には余裕が見られます。理由は、ここにきて戦車の月間生産台数が従来の20両から90両に増産体制が整い、既にその分が戦場に投入されているようです。最近、ウクライナ軍が破壊する戦車が新型のT-90が多いからです。破壊される新型のT-90が多いと言うことは、投入されている新型のT-90も多いという単純な理屈で分かります。

これは非常に不味いことです。一時期ロシアは半導体不足で困っていました。戦車は半導体をかなりの数組み込みます。つまり半導体が不足していたから戦車の生産台数を増産できなかったのであろうと思います。半導体を確保できるとミサイルや航空機など他の兵器も増産できるようになります。

この意味するところは何か?

ロシアは半導体や精密部品の密輸ルートを開拓したと言うことです。半導体や精密部品の確保に困らなくなったから戦車の生産台数を増やせたなら、他の兵器も同じです。

実はイランや北朝鮮も密輸ルートを持っています。イランのドローンに西側の半導体や部品が組み込まれているのがその証拠です。

密輸出入業者の仕事は、規制の穴を探すことです。どこかに穴を探してあるいは穴を作り出してそこから密輸出入をするわけです。イランか北朝鮮から横流ししてもらっているか。自前のルートを作ったかどちらかだと思います。長くなると規制にも穴が開き、規制回避が生まれます。

プーチン氏が最近余裕があるのは、兵器の増産が出来たからだと思います。増産しても足りない砲弾は北朝鮮から輸入できる目途も立ちました。

ウクライナの側に立って考えると、来年のロシア軍は兵器や装備不足はなく、今年のように兵器や装備が不足した状態ではないと思います。兵器や装備が十分にある分、ロシア軍は強化されます。そしてどこにいるのか不明の今年の応募兵30万人の問題があります。もし兵器と装備の不足から待機しているのなら、この30万人が戦場に増員されます。

それらの事を考慮に入れて来年の作戦計画を立てる必要があります。と言って西側の武器供与ももう限界に近いでしょう。と言うことはウクライナ軍は現在の武器と装備で戦うことになり、ロシア軍は強化され場合によっては30万人の新規の兵力が増員される可能性もあります。

と言うことは?
今現在ロシア軍に勝てない以上は、選択すべき作戦計画は自ずと決まってきます。自分より相手が強ければ?
攻めるのではなく、守るしかありません。

そうであるなら?
戦争が長引くことはロシア軍に有利であり、ウクライナ軍に不利である事になります。

戦力があり兵士の数が残っているうちに何をするべきかは既に決まっていると思います。

勝てるのなら勝つまで戦争を続けるのもいいでしょう。しかし、勝てないのなら?

アフガンのことを考えてみるのもいいかもしれません。
ムジャヒデインの時代から40年以上外敵と戦いました。最後は、やっとアメリカとNATOを追放して外敵を国外に追い出しました。
しかし40年以上の戦乱で国土は荒れ果てました。農地は荒れ果て生産設備は失われ多くの人々が死にました。戦争が終わった今でも国外に300万人以上のアフガン難民がいて帰国のめどすら立ちません。あるいは、違う選択もあったのかもしれません。

フィンランドの故事を思い出すのもいいかもしれません。フィンランドは第2次世界大戦でソ連の侵略を受けました。2回の戦争の末に国土を回復しました。しかしソ連との戦争に勝つために2回目の戦争ではナチスドイツと同盟するしかありませんでした。フィンランドは連合国と講和しました。条件の中には領土の割譲も含まれていました。フィンランドの国土の10分の1にあたる南の豊かな土地をソ連に割譲しました。
結果としてフィンランドの独立は守ることが出来て、現在に至っています。

ウクライナは、十分戦ったと思います。ウクライナのことを舐める国も軽く見る国もないでしょう。ウクライナ国民にとって、最も良い道を選ぶべきだと思います。


韓国軍の輸送機に便乗して日本人51人がイスラエルから退避<2023年10月

2023-10-18 18:18:54 | 日本の政治経済

日本人51人搭乗の輸送機が韓国到着 イスラエル退避で協力
2023年10月14日23時40分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023101400606&g=int&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit

韓国軍の輸送機に座席が空いていたようで韓国人163人、日本人51人とシンガポール人6人が昨日の夜ソウル近郊の軍用基地に無事到着したようです。
韓国も座席が空いていたので日本大使館にでも声をかけてくれたのでしょうね。韓国の親切には感謝したいと思います。

一方で、日本政府は?
政府チャーター便、ドバイに到着 イスラエル退避の邦人8人搭乗
2023年10月15日03時33分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023101500008&g=pol&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit

今日の未明に隣のドバイに到着したようです。ほぼ1日遅れですね。韓国の軍用機に51人便乗したので政府チャーター便の方は、8人が利用したようです。
『日本外務省によると、イスラエルに滞在する邦人は約1300人。既に多くは出国したという。 』
つまり韓国軍の輸送機に便乗した人たちが、大体最後のグループで政府チャーター便は、遅すぎてほぼ必要がなかったようです。

自衛隊機、ジブチへ出発=イスラエル邦人退避に備え待機―パレスチナ情勢悪化で・防衛省
2023-10-14 11:07
https://sp.m.jiji.com/article/show/3072939

自衛隊機の方は、14日午前日本を出発したようです。
C2輸送機の乗員が、115人くらいのようです。韓国の軍用機よりだいぶ少ないですね。しょぼくないのか?

まあ、何ですね。日本は戦争はしないほうがいいですね。ミサイルがいい加減着弾し終わってから、ミサイル警戒命令が出るような気がします。
それって?
重要施設や基地などが破壊された後でないですか?
ミサイルの性能が良ければ、一般住宅には飛んでこないと思いますけれど・・・


国際紛争を考えるうえで必要なこと(日本の場合)<ウクライナ紛争2023年10月

2023-10-18 18:16:48 | ウクライナ紛争

基本的にどんな国際紛争であろうと地域の紛争です。
日本は平和国家であり、原則紛争解決のための戦争は放棄しています。とは言え全く軍事力の行使を放棄するわけにもいかず、現在の共通認識は自衛戦争は戦う・と言うところだと思います。

これが原則であるとすると、外国で起きる紛争に日本が軍事的に関与する余地はありません。小泉政権時代にアフガン戦争とイラク戦争に自衛隊を後方支援任務で送りましたが、原則に抵触しています。

あの時代の雰囲気で断り切れなかったのであろうと思いますが、そのような場合に穏やかに断る下地を普段から作っておくべきだと思います。

ウクライナ紛争はヨーロッパの田舎の戦争ですが、マスコミの報道もあり、かなりウクライナ応援団が形成されたと思います。(私も最近までそうでした)西側社会の一員として人道支援や資金供与は必要だと思います。付き合いですからね?

しかし、日本が軍事的に関与できない以上、深入りするべきではないと思います。まずウクライナ紛争の事情も理由も日本政府には、理解できていないと思います。一方的に欧米が作り出したプロパガンダに乗る必要はないと思います。

なぜならウクライナ紛争はセンセーショナルな部分もあり大々的に取り上げられました。しかし、この程度のことは21世紀に入ってからだけでも沢山あります。それに一々全部は付き合えないと言うことです。

ウクライナが正しいかどうかは分からない部分もあります。今の場面だけ切り取れば、ウクライナは被害者でありロシアは極悪です。しかし、歴史的経緯まで含めてロシアとウクライナの関係を見るならば、ウクライナが今主張していることが全部正しいとも言い切れません。ウクライナが悪いのではありませんが、落ち度があります。

それは2014年からロシアの軍事介入を受けているのに局地戦を戦う以外に何もしていないことです。ロシアとその紛争を終結するために話し合い妥協をするか、ロシアが侵略してきた場合に備えて軍事力を整えて武器を備蓄して備えるか、どちらかの対応が必要です。ウクライナは、どちらもしませんでしたのでロシアの準備が整った段階でロシア軍が侵攻しました。

それでもロシア軍の作戦計画が支離滅裂でロシア軍も訓練も疎かだったようでロシア軍が本来の力を全く発揮できず侵攻を食い止めて持久戦に持ち込めたのは、ウクライナにとっては幸運だったと言えます。

どちらにしてもウクライナ紛争に関して日本が軍事的に関与する余地は、ゼロです。第三者であるべきですね。

では、日本には何もできないかと言うとそうではありません。もう戦争は決着が付かず、ずるずると長引きそうです。その時、日本政府が両方とコネクションがあれば双方の話を聞いて停戦の橋渡しをすることは、可能だと思います。それが平和国家の仕事だとも言えます。

頭が熱くなってカッカしている者同士や、その応援団には無理だと思います。だから第三者が必要なわけです。それが日本の役回りだと思います。そうであるなら猶更紛争に関与しては、ならないわけです。

トルコの振る舞いが参考になります。
黒海経由の穀物輸送の合意を、国連と協力して双方から取り付けました。トルコがロシアの合意を取り付けることが出来たのは、トルコの大統領がプーチン氏と面識があり親しい間柄だったからです。調停や仲介には、このような能力が必要です。

世界には紛争は沢山あり、ウクライナ紛争はその中の一つにすぎません。ゼレンスキー大統領を見ていると「世界の紛争はウクライナ紛争があるのみで世界はウクライナを支援するべきだ!」と言っているように聞こえます。しかし現実には、ヨーロッパの国がロシアに脅威を感じているに過ぎません。支援をするならアメリカとヨーロッパがするべきであり、それ以外は手出し無用だと思います。

国際社会全体でウクライナ支援の合意が出来たならそれに従うべきでしょう。
なんだか日本を見ていると「国際社会の多数意見としての合意」と「欧米の合意」をごちゃまぜにしているような気がします。

例えば、ハマスの武装蜂起事件です。
G7財相会議は、イスラエル絶対支持を声明で打ち出しました。

G20は?
G20、戦争に「深い懸念」 7会合ぶり共同声明―財務相会議閉幕
2023年10月13日23時50分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023101301148&g=eco
『声明は、イスラム組織ハマスとイスラエルの武力衝突への言及を見送った。』

そんなに簡単に声明を出せる問題ではないから声明に盛り込むのは控えました。そもそも財務相会合で議論するべき問題ではないからです。

G7とG20では、これほど違います。
国連総会なら、もっと違うでしょう。
私が言う「国際社会の多数意見としての合意」とは、このような意味です。

前回インドで開催されたG20会合では、その前の会合で見送られた共同声明が出されました。
インドの知恵は、戦争は批判しましたがロシアを名指しはしませんでした。ロシアの名指しを避けることで合意を取りまとめました。

メキシコの大統領が、アメリカに言ったことはウクライナが聞いたら仰け反ると思います。
「中南米諸国は困窮しているんだから、ウクライナ支援に使う(無駄)金を、中南米支援に回してほしい」と言っていました。
ウクライナ支援なんか、止めろと言っています。

紛争の近くから離れて色々な国の意見を聞くと、このようなものが多いです。欧米の意見は、その中の一つにすぎません。