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北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

北朝鮮小型漁船のロシア沿岸への侵入は国際的なスキャンダルに発展するだろう

2019-05-28 13:00:17 | 日記


2019年05月28日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[北朝鮮小型漁船のロシア沿岸への侵入は国際的なスキャンダルに発展するだろう]
北朝鮮小型漁船のロシア沿岸への侵入、イカの密漁は国際的なスキャンダルに発展する可能性がある。
ロシア沿海地方一般紙(WEB)が伝えた。
昨年2018年8月の荒天日、ロシア沿海地方オリガ湾(44°N)に約300隻の北朝鮮小型漁船が緊急入域した。
北朝鮮漁船が、沿海地方ロシアEEZで密漁を行っていたことは明らかで、ロシア国家と漁業者から何千トンもの水棲生物資源を略奪した。
莫大な隻数の北朝鮮漁船は、密漁、盗難を行い、ロシア漁業を妨害しており、これを阻止するため、ロシア漁業庁とロシアFSB沿海地方国境警備局は対応を協議、解決のためには、軍事的な方法だけでは十分でなく、決定的な政府間措置が必要であり、北朝鮮当局にIUU漁業防止協定に遵わせるため、政府間交渉のプラットフォーム全体を使用する必要があること等が指摘された。
1987年5月6日付ソ朝政府間漁業協定に基づき、同漁業委員会が設置されている。
同漁業委員会の合意により昨年2018年、北朝鮮はロシアEEZにおいて漁労船55隻、加工船4隻、計59隻の操業許可を得ている。
2016年から北朝鮮漁船の違反が増加、2017年にはそれが著しくなる一方、罰金や損害賠償の未払いが横行しており、ロシア当局は、漁獲割当と操業許可の発給を控えるべきだった。
昨年2018年の操業期間中、北朝鮮漁船操業への行政訴訟が60件以上、刑事訴訟は10件以上となり、罰金額は200万ルーブルを超えた。
数十隻への操業許可が約300隻の入域チケットになっている。
これまでの北朝鮮漁船によるロシアの損害額は20億ルーブルに達すると検察は見積もっている。
日本の海上保安庁は昨年2018年、延べ1624隻に退去警告し、従わなかった延べ513隻に放水を行ったと発表した。
FSB沿海地方国境警備局は、日本の警備の徹底ぶりから、日本EEZを追い出された北朝鮮漁船がロシアEEZに入り込み、益々、当該海域の隻数が増加すると予測しており、そのあまりに多い隻数から警備、取締にも限界があると指摘、政府間での強い措置を求めている。
ロシアの漁業者は漁業協定に基づき、北朝鮮海域でベニズワイガニ、カタクチイワシ、イカ、サバの漁獲割当を配分されているが、実際にはこれを利用していない。
これらの明らかな事実は、ロシアが2019年に、北朝鮮に漁獲割当を配分せず、操業許可を発給しない権利があることを示唆しているが、ロシア漁業庁は第32回ロ朝漁業委員会に関する情報を発信していない。
(報告担当者 原口聖二)
ロ朝漁業協定に基づく北朝鮮漁船のためのロシアEEZにおける漁獲割当
隻数59隻 イカ9,000トン サンマ200トン カタクチイワシ200トン (有償枠:西ベーリン海 スケトウダラ1,500トン)
*2000年代前半、有償枠のスケトウダラについては、キャンセルが続いていたが、現在の実績は不明。
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