ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

ロシア サケマス定置網漁業投資義務 2023年上半期にも法案用意

2023-01-12 11:10:48 | 日記

2023年01月10日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ロシア サケマス定置網漁業投資義務 2023年上半期にも法案用意]

ロシア漁業庁は、太平洋サケマス等、遡河性魚種を漁獲する定置網漁場利用にかかる投資義務の設定法案準備を進捗させており、今年2023年上半期に用意されることになる。

先に、同庁長官シェスタコフは定置網漁場を優先的に利用する基準の確立が求められており、水産インフラ投資、地域経済に貢献せず、資源利用のみを行う企業があり、水産加工場建設等に実際に投資する漁業者の権利を拡大する必要があると述べ、同時にこの権利拡大のための明確な基準を設定する必要があると言及、当該基準の決定については上下院、地域と協力して検討していく所存であることを加えていた。

この、作業会合は、上下院、ロシア農業省、漁業庁、地方行政、科学研究機関、業界の代表者らで構成されることが既に決定されており、2022年末、第1回目の会合も開催された。

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2022年 ロシア漁業者海面漁獲量 約488万トン(2022年12月31日)

2023-01-12 11:08:06 | 日記

2023年01月12日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[2022年 ロシア漁業者海面漁獲量 約488万トン(2022年12月31日)]

昨年2022年のロシア漁業者による海面での水棲生物資源開発は、速報ベースで、約488万トンでこれを完了したと報告された。

象徴的目標の500万トンには達しなかった。

内水面のデータ更新を合わせた数量は今年2023年第1四半期以降に発表される。

昨年2022年の海面漁獲量の内、主要海域別では、極東で約349万トンが生産された。

この内スケトウダラは190万トン生産され、前年2021年同期を18万2,000トン上回り、ニシンも47万1,000トンで5万6,500トン上回った。

また、イワシ・サバ等の表層魚も28万1,300トン生産され7,200トン上回った。

特に、イワシが27万トンを超え、生産の増加が指摘されるところとなった。

この外の主要海域では、北部海域が52万7,600トン、バルチック海8万1,000トン、アゾフ・黒海4万4,700トン、そしてカスピ海が9万6,200トン等で、紛争地域沿岸となるアゾフ・黒海は3割減となった。

なお、外国海域は35万9,500トン、国際協定海域および公海部海域は21万7,400トンとなった。

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“復活の日” ロシア漁業の南極オキアミ操業再開への道程 2025年に開始ずれ込む

2023-01-12 09:22:03 | 日記

 

2023年01月10日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[“復活の日” ロシア漁業の南極オキアミ操業再開への道程 2025年に開始ずれ込む]

ロシア漁業庁長官シェスタコフは2022年末の記者会見で、ウクライナ情勢による舶用機器の調達問題等から着業船建造プロジェクトが遅れ、南極オキアミ操業の再開が2025年にずれ込むとの見通しを発表した。

ロシア政府は、2021年6月30日付No.1767により、2030年までの同国漁業発展戦略に基づく、南極漁業に関する行動計画を承認している。

ロシア漁業はCCAMLR(南極海洋生物資源の保存に関する委員会)海域に2隻の投入を計画しており、1隻は着工済となっているが、舶用機器の調達問題等から建造プロジェクトが遅れている。

一方、ロシア漁業庁は、南極オキアミの操業許可取扱い方針の立案を既に開始している。

南極オキアミ漁業の発展は、漁業生産を増加させるばかりでなく、世界の大洋への復帰によってロシア漁業のプレゼンスを向上させ、当該資源の加工による新たなハイテク産業の創出が期待される。

オキアミによる高品質なオイルは、世界の経験が示すように健康食品業界で需要がある。

また、フィッシュミールは、養殖の餌として、強い需要があり、世界の養殖生産が大幅に伸長している現状から、販売機会は確実と評価されている。

現在、当該資源を最も利用しているのはノルウエーで、中国も近代的漁船を投入し努力量を上げている。

最近の調査研究結果では、南極オキアミのバイオマスは1億2,500万トンと算定されている。

両国による年間漁獲量は60万トンだが、これを200万トンまで拡大する計画とも伝えられている。

一方、ロシアは当該漁業に適した漁船を失ってしまったことから、ここで操業を行っていない。

1980年代、ロシア中央設計局”ヴォストーク“がオキアミ漁船プロジェクトNo.16080”アンタルクチダ(Антарктида)を開発、同年代半ばから1990年代初頭における南極域でのオキアミの年間漁獲量は36万トンに達した。

しかし、プロジェクトNo.16080シリーズ船は、海外に転出しているか、大規模修繕、近代化が必要な現状となっている。

”2030年までの漁業発展戦略”では、2025年-2030年に、南極オキアミ漁業のため、最大5隻の冷凍加工スーパー・トロールと3隻の冷凍運搬船を建造することが盛り込まれている。

オキアミ漁業は年間7ケ月-9ケ月間操業で、母港との往来頻度は少なく、最大限に漁業時間を利用できることから、船団組織は経済面からも実現可能と評価されている。

現在、漁船の船舶技術と設計、原料からの高次製品の経済的利用など、船舶修理技術センター、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロら関係機関が包括的なプロジェクトに取り組んでいる。

当該プロジェクトにおいて次のパラメータを考慮している。

①オキアミ漁船と冷凍運搬船の最適な比率

②漁業活動域

③陸上高次処理施設の位置

④製品歩留まり計算

⑤活動全体の経済効率等の予備評価

⑥オキアミ漁業が弱まる5月-10月の間の船舶運航による収益性の効率化

また、漁業経済性は、原材料の加工度に大きく依存するため、船内加工の5つのシナリオで概算している。

シナリオのインデクスは2015年-2020年のノルウエー漁船のデータを入手して行われた。

①年間漁業日数 235日

②1日あたりの平均漁獲量 425トン

③1航海あたりの平均漁獲量 約10万トン

④製品価格  ミール$1.8/kg オイル$70/kg 食用ミンス$3.36/kg、ミンス缶詰$1.35/個

⑤製品歩留まり ミール6.3% オイル-2%(生から)3%(殻から)10%(乾燥殻から) 食品ミンス25%(メーカからのデータ)

シナリオ1と2は、原材料の加工度が比較的低いことを特徴とし、現在の中国漁船とノルウェー漁船の典型となる。

オキアミ漁業の経済的利益を最大化するために、利益率を高い設定にしているシナリオを3、4、5として段階的な達成目的とする。

シナリオ 1

10万トンのオキアミの内、1万6,300トンのミール(遠心乾燥法)と、2,000トンのオイル(生から)を生産。

製品総額見積は1億6,934万ドル。

シナリオ2

航海中に漁獲されたオキアミの半分(5万トン)で1万2,500トンのミンスを生産。

ミンス製造時に圧搾分離された2万トン(収率40%)の殻付き残滓を、漁獲物の残り半分と混合して再処理。

その結果、1万1,410トンのミールと1,400トンのオイルを生産。

製品総額見積は1億7,435万8,000ドル。

シナリオ3

ミールとオイルの生産はシナリオ2と同じ。

原材料の半分もミンスの生産に再処理されるが、この50%の6,250トンのみ冷凍。

残りは、正味重量100グラム(6,250万個)の缶詰を製造。

製品総額見積は2億3,791万3,000万ドル。

シナリオ4

シナリオ3と同じ製品種類、数量となるが、陸上での特殊技術による殻からのオイル抽出。

製品総額見積は2億6,187万ドル。

シナリオ5

ミールとオイルの生産はシナリオ2と同じ。

生鮮ミンス1万2,500トンを生産し、100グラム、1億2,500個の缶詰を製造。

製品総額見積は3億128万ドル。

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