黄色い拍子木

たまのをよたえなばたえねながらへば しのぶることのよわりもぞする

1円携帯

2005-07-26 19:45:24 | Weblog
かつて高価で、庶民には考える余地もなかった携帯電話。
その状況が一変したのが、一円で手に入る携帯電話の登場でした。

パソコンやオーディオ商品に並ぶハイテク民生電器の花形なのに、
その価格は破格。まさに異質でした。

その頃の私はと言うと、携帯電話の存在自体を否定していました。
もともと電話で話すことは好きではなく、外に居てまで拘束される
ようなものをありがたる由もありませんでした。

が、しかし。

携帯とインターネットを結ぶ仕組みが登場したのです。その最も
素晴らしきは電子メールを送信できる所にありました。

その日以来、携帯電話は当たり前のようにカバンのポケットだとか、
手のひらだとか、プードルの背中だとかにごろん、と転がっている
のです。

そんな携帯電話が壊れました。マイクが壊れているらしく、全く
会話が出来ません。修理するよりは前モデルを買ったほうが安い
ようです。

携帯から逃げ出すチャンスとも思いましたが、それは出来ません
でした、やはり。携帯というハイテク機器の後ろには懐かしい友達だとか
気の置けない友人だとか、体温を放つ人間がいるのです。

どうせ変えるならと、キャリアも変えてみました。料金も少し安く
なるようです。それに、なかなか機種がスマートな点が以前の
キャリアと大きく違っています。

しかも、そんな素敵な機種が一円でした。外国のプロダクトデザイナーが
手懸けているだけあって、雰囲気がちょっと違います。高解像度の
カメラも音楽再生機能もないけれど、その姿形はご馳走です。

この新しいデジタルデヴァイスと、私は幾つの温かい日々を過ごして
いくのでしょうか。そして幾つの歌を打ち込むのでしょうか。
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