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狂うべきか死ぬべきか革命

2021-03-04 08:20:50 | 夢洪水(散文・詩・等)
 狂うべきか死ぬべきか革命 


毎日、毎日、気ちがいが殺されます。いつも、まともな人は、もてなされるんですねぇ。毎日毎日、気ちがいは、苦しんでいますよ。人間的って、どういう事でしょう。一年中、発情してるのは、他生物では、ごく特殊な猿しかいません。他生物は生きるために必要なだけしか食べません。まして、あれこれ解体し別生物とまぜこぜにして調理するなんて事はしません。必要以上に殺しません。


いつも、人間的より人間的ぶった非人間的な、お形式が、もてはやされているんです。根性を美化しては、いけないんです。それは虐殺です。邪悪です。

焼けた道路に耳をつけてみなさい。焼けた空気を吸い込みなさい。陽射しの下で。それは気ちがいたちを、とても喜ばせます。

彼らは、詩人なんです。

今も昔も、苦しみを自慢する程、いやらしいものは、ありません。愛する女が死にました。愛する女は砂になります。乾いた砂です。

苦しみを自慢されたものは、自ずから、偽の苦しみを作らなければ、いけません。だから、苦しみは絶対に終わりません。

そして、自慢も繰り返され、それを目的に変え、苦しみ、苦しまなかった者は、いいえぬ屈辱に見舞われてしまいます。

のこぎりの刃みたいな心。

カニの目のような重み。

粉々のグラス。

そげた頬にナイフの切れ跡。

煙。

自分の存在した跡。

空間の中の自分の型。

溶ける意識。

仏語の美しさ。

汚い目と顔。

みんな、いい奴。みんな、つまらん奴。みんな、せこい奴。みんな、めくらなだけ。みんなバカさ。みんな亡者のようさ。


路地のほこりっぽい石の上、赤い馬がたけり、いななき、過去の悲しみのような太陽が燃え。

ときはなたれた風船は、どこへ流れりゃいいのやら。

南に行けば、目が溶ける。

東へゆけば、胸が破け、北へゆけば、心は凍り、西へ向かえば脳に蜘蛛が這う。

されど、このまま、いても、苦しみは続く。

永遠の彼方へ。空気と人と壁の向こうへ。

頭だけになって、飛んでゆければ。


愛する女が死んだ。意識の奥で、何か重く、もやもやしたものが巣食いはじめた。前のサイケな色彩は消え、残光だけがチカチカする。

愛する女の音が消えた。私の心の中から、家の中から、私の顔から。頭の後ろの方で、絶えず、ノイズが聞こえてくる。

202X年○○月○○日、午後午前○○時○○分に愛する女が去ってしまったのだ。

しかし、家の扉や戸たちは、以前と変わらず、愛する女が帰ってくるのを待っているし、私も待っている。愛する女は、きっと生きている事だろう。愛する女が死んだからって、目の前で命が消え失せたって、絶対なんて事は絶対に無いし、死んだとは限らない。きっとスペインのアンダルシア地方で、大解放気分を願って、例の眩しい笑顔のロマンティックの中で本当は幸福にやってるかも知れないじゃないか。

現実の事実や実際なんて、私は信じやしない。現実や、それらは、全て、意識がとらわれてしまった、人類共通の幻想に過ぎない。そんなものは意識が反復によって、くくりつけられてしまった認識という間違った観念に他ならない。

隣に人がいたとしても、認識が存在しなければ、その人は全く、いないにも等しく、いるはずは絶対に無いのです。愛する女は、きっと、この認識の盲点を、うまく、ついて雲隠れしてしまったに相違無いと、私は考えていますね。

世間の共通なる認識方法の逆をついて、生を死に、転移させるという離れ業を演じたのだよ。分かるんだよ、マチコ。

私にはね。皆を、うまくだませても、私は、ごまかせやしないからね。けっして。生が死へ転移したのは、世間の共通なる認識の中だけで、愛する女は、あなたは、うまく、その共通なる認識の隠れ蓑をまとって、旅に出たんだね。私は知ってるよ。あなたが、何を望んでいたのか。

だって、それは私の望みでも、あるのだからね。スペインを放浪さ。あんな金持ちごかしの旅じゃなくて、本当の旅さね。ついに夢を実行に移したってわけだ。素晴らしいよ。さすが私の愛する女さ。前にも、よく言ってたよね。ガウディの建築物の中で首を吊るのが理想なんだよって。そうさ。ロマンさね。

名も無く、誰にも知られずにね。おめでとう。元気に夢を果たそうや。今頃、どこを歩いてるかな。すすき野原で夕陽を浴びてるかな、畑の土道を歩いているかな、古い街で涙を流して、人生の憂愁を感じているのかな、散り始めた北の桜の下で、後ろ手に組み、ゆっくりと歩いているのだろうか、、、いや、それは日本か、、、いや、まだ日本にいるのだな。


さあて、それじゃ、この私は、何をしようか。この生活の果てに何が見えるのか?人々に、押されて、押しつけられ生活の囲いに、ガッチリと嵌められて、私という、私の中の私自身は、いったい、、、幸福なのか?

愛する女よ、君は、どうだったろう、幸福か?皆の前の自分ではなく、自分の中の自分、自分の前の自分は、自分に対して、本当に幸福になれるのだろうか?いったい、それは、どういう事だろう。ひとつの指針は何だろう?果たして幸福の指針を、自分の心の中に持っていつづける事が、できるのか。

革命、革命、革命、カクメイ、カクメイ、かくめい。

愛する女がいなくなって世界が一変したようだ。

何もかも、部屋も、好きだった音楽も、街の様子も、今まで慣れ親しんできたものと、違う!前も濁っていたのに、もっと濁って、全てが向こうの世界、ひとつ、ずれた、触れそうで触れないとこにあるような気がする。全てが夢の中だ。自分の体でさえ、今までと感じが違う。何もかも少し、狂ってしまったみたいだ!夕陽だけが、やけに鮮やかだ。

人と話すのが、前より面倒臭く、いやだ。マチコの奴、何か手記でも残してけば、な。そうすれば、考えの一片は残るのに、何も無いんじゃ、イヤ、いや、いいんだよ。そんなものぁ、なくたってね。

私は忘れやしないさ。死んだら、又、会えるかも知れないしね。死ぬ・・・か・・・。

こうして、毎日毎日、気ちがいが殺されます。こうして、毎日毎日、気ちがいが殺されるのです!

うわっぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁっぁぁんん!

(号泣!)


 


                kipple



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