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「雨族」 断片49-園の内側、赤い空~5.失意:kipple

2010-01-23 19:55:00 | 雨族(不連続kipple小説)

ようこそRAIN PEOPLES!超バラバラ妄想小説『雨族』の世界へ! since1970年代


               「雨族」
     断片49-園の内側、赤い空
      5.失意


 私が正午に私の可愛い女の子のマンションに行くと、私の可愛い女の子は、すでに死後硬直が始まっていた。

 私は再び昨夜の夢の感触に襲われ、目を細めた。

 強烈な光に包まれたように思ったのだ。

 私の可愛い女の子は、舌を巨大ななめくじのように突き出して死んでいた。

 絞殺だ。

 犯人は言うまでもないだろう。

 これで、私の一世一代の冒険計画は、オジャンになった。

 彼女なしでは何の意味もない。

 さて、私はこれからどうするのだ。

 日常に戻り、日々を生きる。

 私は再びコンピュータ・プログラマの生活へと戻るのだ。

 機械との単調なたたかいへと。

 私は匿名で警察に電話して殺人を知らせると、37万円を富士銀行の私の普通預金口座に入れて、私の別の私の可愛い女の子の待つ白いアパートへ帰った。

 私には、私の可愛い女の子が、まだ3人いた。

 殺されたのは、クロエ。

 残りはベティと今日子と「イパネマの娘」。


 私のアパートにいるのは、ベティだ。






断片49     終


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)