Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

自転車 ハンガー小物の分解

2013-07-27 20:50:20 | わかり易い 自転車整備
前回の作業でクランクを外しましたが今回はハンガー小物を取り外します
カップ&コーンの構造で一般車にも良く使われている小物です





先日より整備を進めている固定シングルギア自転車 特に特殊な自転車
では無く街乗り用に使っています 一般車などに通じる自転車の基本が
一杯に詰まった自転車です




今回はこのハンガー小物を取り外しましょう




使う工具を用意しました






右のハンガーワンを外す為の少し変わった形のスパナ
下は左側に付いているロックリングを外す工具です




左ワンを緩める為のピンスパナ Park Tool
赤 SPA-2 緑 SPA-1 先端の形状が少し違いますが
今回の作業ではどちらでも使えます






ハンガー小物の取り外しは左側から始めます




まず最初に外すのはロックリング この工具は
S字型フックレンチなどと呼ばれています






フックレンチをハンガー小物一番外側のロックリングの
凹部に掛けます ご覧の様にお互いが少しだけ掛って
いる状態なので 部品を傷めやすい作業です






ここでは一気に力を加えるのでは無くじわ~と進めます
工具のフック部はしっかりと押さえ工具を滑らさない様に
神経を集中しながらの作業です






ロックリングが外れました ※ ここは正ネジです






次は左ワンを外します ここで使うのがピンスパナで
ワンに開いた穴にスパナの先を掛けます この工具は
無くても他の物で代用出来ますがやはり有れば便利な
工具です お値段は 1500円程度です




これも工具が外れない様に注意をしながらワンを
緩めます 
※ この小物は JIS 規格なので左側は正ネジです






左ワンが外れました ワンのネジ部には組立時に
グリスを塗っていたので問題無く外れましたが
中が凄い事になっています 水が回り良く錆が
回っています






ハンガーシャフトはそのまま引っ張れば抜けます
ここも沢山のサビ






ハンガーシェルの奥に右側のベアリングも入って
いるので 指を突っ込んでベアリングを取り出しましょう






ハンガーシェルの内部 古いクロモリなので有る程度
想像していましたが 想像を少し超えていました これは 
ハンガー小物やシェル自体にサビが発生している訳では無く 
縦パイプ内部のサビが下へ落ちた物ですね






その原因はここでしょう 溝入りのシートポスト
洗車を繰り返していましたがその際ここから水が
入ります これは雨天時走行しても同じ事が起こります

自転車に水を掛けても大丈夫ですか? と良く質問を頂きますが 
必要が無ければなるべく自転車は濡らさない方が良いとお答えして
います これを見て頂ければその理由がお解り頂けるかな?




さて少し刺激が有りましたが 次は右側のワンを
外しましょう






右ワンはこの様な形をしています まず他では
見る事の無い変わったネジの頭です






その為に右ワンには専用の工具が必要です これは
他の物では代用が出来ないですね Park Tool なら
HCW-4 の品番で 3000円程度のお値段です




右ワンに工具を掛けネジを緩めます ※ JIS規格の右側は逆ネジです
この工具は大変掛りが少なくとても良く滑ります
この作業の多くの部分はそこに注意をする事です
そしてこのネジは簡単に外れる事が少ない所です




手で力を加えても緩まないなら この様にゴムハンマーや
もっと質量の多い大きな鉄のハンマーで殴ったりします
ちょっと荒っぽい作業になりますが 手先の怪我だけは
なさらない様に・・・






右ワンも問題無く外れました




今回の作業、組立時に必要な個所にグリスを塗って
おいたのでネジ等が固着した部分も無くスムーズに
進んで行きました

ハンガー小物の規格を書いておきましょう
JIS      左 正ネジ 右 逆ネジ 巾68mm 
ITA (イタリアン) 左右共 正ネジ 巾70mm
FRE (フレンチ)  左右共 正ネジ 巾68mm  が有ります

ワンの規格もそれぞれ異なり
JIS  1.37X24TPI
ITA  M36X24TPI
FRE  M35X1   となっています





今回取り外したハンガー小物 これは後日洗浄し良く状態を観察してみます
この自転車の整備を始める前に シートポストは交換しようかなんて書き
ましたが それはこの状態をある程度想像していたからなんですがちょっと
想像を超えていました 次はウォーターシーフ(防水用部品)も使った方が
良いかも分らないですね

古いクロモリの洗車はこの様な事が起きますが 防水を考慮された最近の
自転車ならここまで洗車の影響は無いと思いますよ

前回の作業 【 自転車の クランクを外す 】

次の作業 【 自転車の ブレーキを外す 】

コメント
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