現在、会社員だった人がもらえる公的年金の平均は約14万5000円程度だ。これはあくまでも平均値ではあるが、人生の三大支出のうち独身ならば「教育」に関する支出はなく、悠々自適に生きていけるし、将来を見越した資産形成においても、独身のアドバンテージは非常に大きい。結婚という形に幸せを求めなければ、安心して老後を迎えることができるのだ。
では独身生活とは、どのようなものなのでか?総務省の2020年家計調査(家計収支編)』から単身世帯の暮らしを見ると、 独身男性の「平均給与」は36万8034円。34歳以下平均は35万7293円で、35~59歳では41万7110円。額面35万円だとすると、手取り額は27万5000円ほど、額面41万円ほどだと、手取り額は32万円ほどになる。
生活費など、消費支出の平均は16万6955円。34歳以下は15万2325円で、35~59歳では17万5279円。食費の割合(エンゲル係数)は、26.8%。34歳以下平均は26.5%で、35~59歳では27.1%。年とともに肉派から魚派となり、野菜も多く摂取。年齢とともに健康に気を付けた食生活をおくるようになる。
しかし「酒類」は34歳以下で1464円、35~59歳で3941円。単純に量が増えているのか、それとも量は増えずに高級志向になっているのか、酒の購入額は年齢共に増えている。 またレジャーなどを含む「教育娯楽関係費」は、34歳以下で2万5689円、35~59歳で1万8210円。若い人のほうが遊びにお金を使っている。
他方、35~59歳は、「交際費」に9627円(34歳以下は5318円)、「贈与金」に2429円(35歳以下は415円)、「仕送り金」に6013円(35歳以下は3844円)と、人付き合いにお金を掛ける傾向があり、贈与金や仕送り金が増えている。
さらに資産形成は、年齢があがると手取り額も増えていき、「黒字額」は34歳以下で14万8052円、35~59歳で16万1242円になり、増えたらその分、貯蓄などにも回す堅実な独身男性の姿がある。預貯金だけでなく投資も積極的に行っている。
独身男性が月に15万円程度ずつ資産が増えていけば、20年で3000万円を超える資産となり、一生独身であっても老後に困ることはないのだ。ただ、金銭的に老後の問題がないだけで独身でいるのは大間違いで、そこが人間の複雑なところだと思う。
女性も生涯独身であっても、家を持ち、預貯金を相当あって余裕で暮らしている方も多いのも現代だ。