梅雨に入り食中毒の季節になった。細菌性食中毒の月別発生件数は6月以降に一気に増える。気温や湿度が高くなって細菌が非常に増えやすく、20℃くらいから増え始めて35~36度、この辺りが一番増える。
梅雨時というのは「雨が降ると暑さを感じにくく、食品の扱い方に油断が生じて、食中毒が起きてしまう」ということだそうだ。 細菌性食中毒を防ぐポイントは「加熱」。食材の中心温度が75℃で1分以上加熱されると、大半の細菌は死滅する。
ただ、「電子レンジの加熱は要注意」だそうで、かなり“加熱ムラ”が生じる。対策 は、食材を細かく・薄くして火が通りやすくする 、加熱ムラをなくすために、ひっくり返して位置を変える 、低いワット数でジンワリ温める。 例えば700ワットで短時間で温めるより、500ワットで少し長めに温めた方がムラはなくなる。
ペットボトルの“飲みかけ”を放置すると、細菌性食中毒になる。これはいつも言われていることだ。5~6時間を目安に飲み切る、冷蔵庫、保冷剤などで冷やす、コップに移して飲むという対策が必要。
私はペットボトルで飲む時には、飲み口には口をつけないで飲むようにしていて、ちょびちょびは絶対に飲まない。できればコップに移して飲むようにしている。
ペットボトルからひと口飲んで30度の環境で24時間放置した場合の細菌数は、麦茶:75倍 、緑茶:約59倍 、オレンジジュース:約34倍だ。 酸性度が「高い」と細菌は「増えにくい」が、 酸性度が「低い」と細菌は「増えやすい」。
麦茶は炭水化物が緑茶と比べて多く、細菌は炭水化物を餌にして増えていくので炭水化物が1つポイントで、緑茶はカテキンが入ってるので細菌の増殖を抑える作用も少しある。
煮出した麦茶と水だし麦茶の細菌率は、水だしの方が低いそうだ。昭和の時代は、夏の風物詩として母親がヤカンいっぱいに煮出し麦茶を作っていた。もっとも当時は煮出し麦茶しかなかった。
飲み物ひとつとってみても、冬場ではそう問題にならないことが梅雨から夏になると食中毒になる確率がぐっと上がる。飲み物を選ぶにも、加熱の仕方の知識が必要だとわかる。