5月2日(火)
6時 陽射しは明るい。
柔軟体操をして、
カップに黒糖ショウガパウダーを入れ
湯を半分注ぐ、かき混ぜて
アイスコーヒーを淹れ、ミルクを垂らす。
血圧、尿酸値、錠剤を飲み込む。
昨夜、山行の支度をしていると
「そのズボンとポロシャツで行くの」
妻が問う。
「そうだ」
黒ズボンの裾が擦り切れ糸が垂れ下がる。
妻は、糸をハサミで切り落とす。
15年以上前に買った、黒の上下。
作業等に着用。
洗いざらし黒が鼠色に変色。
私が一番似合うホームレスファッション。
6時半 京成電鉄、都営新宿線、小田急線を
乗り継いで鶴巻温泉駅に10時半下り立つ。
コンビニでサンドウィッチとポカリスウェットを買い
歩きながら食べ飲み、山道へ向かう。
入山口で軍手をして、枯れ枝を拾う。
杖にして急登を登り始める。
脚は重い。
老夫婦に抜かれる。
次々と高齢者が私を追い抜いてゆく。
老婦人のグループは元気だ。
姦しいの言葉があるが、3人寄れば
急登を会話と笑声で追い越してゆく。
老いぼれ男は皆黄塵をはいする。
下って来る山人は、私が喘ぎ喘ぎ登って来るのを
マナーとして立ち止まり待っているが、
「お先にどうぞ」と合図する。
やはり何ともし難い脚力の衰え。
前立腺癌放射線治療の影響
疲労の蓄積。
青年が急登を駆け上がる。
僕も10代の頃、頂きまで30分と表示があると
必死に走り20分で着などと自慢したものだ。
76歳 心身は下り坂である。
12時半、目的の峠の曲がり山道が近づいた。
秦野盆地の先に、しっかりと
大地を踏みしめる雪富士が霞を従え
出向かえる。
丹沢峠からの富士1
鳥の囀り、トンビがゆっくりと旋回
なだらかな緑の斜面にミカンの木。
私一人、
枯れ始めた僕の脳は、少年 青年時代が スライド写真が
走馬燈の如く回転次々と流れた。
続く。