馬鹿も一心!

表題を変えました。
人生要領良く生きられず、騙されても騙されも
懸命に働いています。

死に際の愛のパルス。

2023-04-21 07:06:21 | 日記
 病室で意識が戻らなくなった夫の耳に口を寄せて感謝を告げると、それまでまったく呼びかけに応えなかった夫が手を伸ばして抱き寄せてくれた。口移しで夫の口に水を浸しているときに息を引き取った。


 「ものすごく嬉しかったですね。夫がまもなく(息を引き取る)という状況にありながら、夫に近いところにいるという感じがして。その話をするたびに、十数年経っているんですけど、私は涙が出ちゃうんです。(中略)奇跡が起こったような別れがあったので、なおのこと、あと1年間ぐらいは何も考えられなかったです」
育児しながら世界的な研究成果!「米沢富美子」学会の子連れ狼と呼ばれた物理学者の凄い生涯


米沢富美子 - Wikipedia


ネット上で読み知り、鳥肌が全身全霊に巡った。
死ぬことに失敗はないが
死に方は選択できない。
年齢を重ねる毎に
死に直面が増える。
父の死は、山間の旅館での客死
母は介護病院で逝った。
直面で看取ることは出来なかった。
高校生の時、親友がダンプカーに
正面衝突され、全身グルグル巻きの血の滲む死が初めてであった。
幾多の葬儀はあったが、
脳腫瘍での危篤の知らせを夫人から受け
列車に飛び乗り富山に向かった。
緊急病室で眠り続ける山岳部同期を4時間余り見続けた。
一瞬、目は開いた。
右手を伸ばした。
力なく下りた。
瞼が震えていた。
私は手を握り続けた。
時はゆっくりと刻みながら
止まった。
51歳であった。




夜 8時、酔いでウトウトしていた
携帯電話が鳴り、合気道部主将の同期の妹からだ。
「間もなく兄の命は止ります」
酔い醒めて飛び出した。
病室で手を握りしめた
閉じられて瞼が薄目を光る。
微かに同期が、握り返した。
まもなく、鼓動は停止した。
生涯独身
61歳
死の間際には、脳内にパルスが流れ
その人の生涯は早送りされるのだと
本で読んだ。
死に際の愛のパルス。
僕もそうありたいと願う。

かくも美しく燃える

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