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ヤエムグラ



つい最近まで冬枯れの景色だったはずなのに、エンジェルファームの前庭にいつのまにか繁る八重葎(ヤエムグラ)。

 八重葎
 しげれる宿の
 さびしきに
 人こそ見えね
 秋は来にけり 

百人一首の歌です。
九州の内陸部・自然豊かな奥豊後地方に住むまでは、八重葎がどんな姿をした植物なのか全く知りませんでした。探せばあったのでしょうが、ここでは探す存在ではなく、あたりまえに一緒に生きている存在です。

 ヤエムグラが繁るさびしい家に誰もやって来ないのに秋は来てくれた

ヤエムグラがどんな植物かご存知ですか?
私もヤエムグラって、どんな植物だろうと思っていました。九州大分の内陸部・豊後竹田に住んだことで、八重葎がどんな植物か知ることができたんですが、実はこの歌で詠まれているヤエムグラはこのヤエムグラではなく、“雑草”の総称、あるいは別の植物であるカナムグラのようなツル性雑草の総称であったようです。

またこの歌でいう“宿”は、宿泊施設(ホテル、旅館)ではありません。私たちが住んでいる家、それがいつまでも在るものではなく、たまたま借りている無常の存在であるとの理解から、家ではなく“宿”と言います。家も肉体も、はかない無常の宿であると・・・
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